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アパレルECでバナークリックを計測する際の注意点

最近、GA4の導入支援で特に質問の多かった項目について記載しておきたいと思います。この内容は過去から、様々なWEB解析系の企業様のブログで書かれていますので今更掲載するものでも無いのですが、せっかくなので「アパレルEC」や「shopify」における注意点や対策も合わせて記載しておきたいと思います。

◯実装

実装については「GA バナークリック 計測」などでググると大概出てきます。手順だけざっくり記載しておきますと、

Googleタグマネージャーにて、

①トリガーに「Click Classes」・当該classを「含む」を設定。

②altで判定する場合は変数に「自動イベント変数」で要素の属性を「alt」に設定

③タグの設定で「GA4イベント」にてイベントパラメータに先ほど設定した「alt」もしくは「Click URL」を設定

④GA4のカスタムディメンションにてGTMで設定した文字列とパラメータを指定。

⑤探索レポートで当該ディメンションと、指標に「イベント数」を設定。

で計測が可能です。(④、⑤を実行せずに見れるレポートもあります。)

◯計測後、改善施策を導き出すにはどうしたら良い?

やはり多いのは「スライドショー」のクリックでしょうか。それ以外には、トップページに掲載しているアイテムカテゴリーのバナーなどですね。このあたりを計測して、どのように改善に導くのか?について記載しておきます。

■どのバナーがよくクリックされたのか?

めちゃくちゃ当たり前ですが、まずはこちら。クリックされたバナーから、ユーザーが何を求めていたのか?を推測するのですが、アパレルの場合はシーズンによってこれが大きく変わりますし、何なら気温の変化ですぐ数字も変わります。なので、あとから検証するのも良いのですが、定期的にクリックを見ながらユーザーニーズを探ってください。SNS等でプッシュしたものや、雑誌掲載、広告配信している内容が直感的にトップページにて掲載されているか?が重要ですし、それによってバナークリックが増えたかどうか?を検証してみましょう。ざっくりとしたアイテムカテゴリーを常設している場合もあるでしょうが、そのシーズンにしか無い細かい分類のアイテム等もありますし、セレクトショップならブランド別にバナーを設置していることも多いです。人気ブランドのロゴをなるべくわかりやすい箇所で見せた方が良いかどうか?など検証してみましょう。

アパレルの場合、よく使われる一覧ページとしては「NEW ARRIVAL」や「RANKING」などもございますが、こちらは商品リストを見せてから一覧ページへ送客することが多いので、バナークリックを計測することは少ないです。しかし、もしバナーから送客している場合はそちらも計測しておいた方が良いでしょう。

■クリックされた先で回遊や購買は発生したのか?

続いてこちら。クリックさせたら終わり、ではなく肝心なのはその後ですね。回遊したかどうか?はGA4の経路データ探索が重宝します。

まずはイベント名で当該クリックを絞り込んでおき、そのイベントが発生した後は「ページタイトルとスクリーン名」を表示させると、イベント発生後どのページへ遷移していったのか?が容易にわかります。バナークリック後、どの商品を購買したのか?はセグメント機能でクリックが発生したユーザーやセッションを絞り込み、そのセグメント経由で何が売れたか?を探索で出せばOKです。

例えばスライドショーにブログ記事のバナーを設置し、そこから回遊や購買を促進したい場合、Shopifyならバイボタンを記事中に差し込むのは誰でも容易にできますので、記事を閲覧してから購買に結びついていないと思う場合はそのような対策も簡単に取れたりします。

■検索ニーズやサイト内検索データも参考に

クリックを計測する前に「何にニーズがあるか?」を探る際、search consoleやサイト内検索のデータも参考になります。先述しました通り、アパレルはシーズンや気温によってニーズが左右されますので、これらのデータは少なくとも週次で確認して対策しておいた方が良いでしょう。わかりやすくアイテムカテゴリーごとに数字が増減します。徐々に上がってきたな、と確認できましたら、週間天気予報等を確認して先々の気温も合わせて見ておきましょう。そこから訴求するアイテムや着用シーンを導き出せますので、トップページのバナーの参考にしやすいです。掲載後、当たりはどうかをすぐデータで検証しましょう。

ヒートマップでもどこがクリックされたか?は簡単に見れますが、定量的に判断する場合はGA4で見る方がわかりやすいと思います。

◯UTMパラメータは使わないで

これもWEB解析の方々がよく言われていることなので今更ではありますが念の為記載しておきます。バナーのリンクにUTMパラメータを付けておき、そのデータを元に検証しているケースも散見されますが、これは参照元データが上書きされてしまうので使わない方が良いでしょう。バナーをクリックしたユーザーが、どの流入経路からやってきたか?がわからなくなってしまいます。流入元が「バナークリック」という意味不明なレポートになるのでご注意ください。

 

導入支援をしていて、直近で一番質問があったのがこちらですが、問題は「このデータを元に運用まで改善することは可能ですか?」という点でしょうか。定期的にデータ計測からバナーを制作し、そして差し替えが発生しますので、担当者のお仕事は当然増えてしまうのですが、データを見て満足してしまい、実行に移さないケースもございます。また、このような対策でわかりやすく劇的に数字が伸びるということはなく、5〜10%数字が改善される、という程度のものが多いでしょう。それでもやった方がいいに決まってますので、実行に移すのは可能か?を判断した上で進めるようにしてください。

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