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今回の記事は、弊社の業務でもある教育・支援・コンサル業について思うところを述べます。
私は昨年まで8年間服飾専門学校で非常勤講師を勤めていました。特に昨年は、年間70コマ程度の講義を担当していましたので、カリキュラムや講義資料を作成するのも一苦労でした。また、昨年度まで受け持っていた科は、グループ学習が主となりますから、ワークショップ形式の教育も取り入れる必要がありました。
体験型学習→ワークショップという言葉は一見耳障りの良い言葉に聞こえますが、個人的にはワークショップ教育に多くの疑問を感じてます。事実、専門学校非常勤講師時代、学生を営利目的に活用しているとしか思えないワークショップを行う講師を複数人目にしていました。さらに付け加えると、これまで見てきたワークショップ教育は、体の良い手抜き授業のように見えたことも多々ありました(そもそも授業の事前準備を全く行わす、「同じことばかりを言う」と、学生から揶揄される問題外の外部講師もいましたが)。その理由として、講師側が半期・年間の講義計画を立て、それに沿った内容・資料の準備ができていないのではないか、という点が考えられます。また、ワークショップで学生から出たアイデアに対しては、一般論や業界の常識的な回答に終始し、学生の個々のアイデアに合わせた具体的な指導やフィードバックが不足しているように感じられるからです。
ここで少し話を変えまして、先日、ファッション業界のとある勉強会に参加させていただきました。勉強会の内容は詳細をお話しすることはできませんが、ワークショップ形式で行われました。グループワークでは、講師から提示されたブランドコンセプトをもとに、どのような顧客像が想定されるか、といったテーマで議論が行われました。
勉強会の中で、私が驚かされたのは、講師と受講者とのやりとりにおける、講師の引き出しの多さです。その講師は、受講者の発表の長所を具体的に指摘し、褒めた上で、「しかし、こんな考え方もあるよ!」と、受講者の発表をさらに深めるための新たな視点やアイデアを瞬時に提示していました。実際、その解答に勉強会中、受講者から驚きの声が上がりましたが、受講していた私も感嘆の思いを禁じえませんでした。この講師の方は、1コマのワークショップに対して、事前の準備に時間を費やし、入念にシミュレーションを重ねてから、勉強会に臨まれたのでしょう。このような方こそが、教育の現場に最適だと考えます。また、コンサルティングやアドバイザリー業務においても、高い能力を発揮される方だと感じます。
先日、深地さんのブログで現場経験が少ない支援会社をディスる記事がアップされていました(笑)
このような支援組織や人は、EC等のデジタル業界のみならず、ファッション・アパレル業界に多く?存在します。しかし、自社で知見がないことを内製化するよりも、外部の専門家に委託した方が、コストを抑えられ、より高い効果が期待できるという側面も無視できません。問題は、専門分野に対する経験や知見を磨く努力を怠り、顧客に合わせて事前の準備を十分に行わない組織や個人がある点です。これこそが、コンサルティングやアドバイザリー業務における本質的な問題と言えるでしょう。良い支援会社やコンサル・アドバイザリー業の方を選ぶのであれば、先述したような講師の方を選びたいところですが、そのような方を探すのは容易ではありません。ですが、私からアドバイスできることがあるとするならば、無駄に横文字の英語を乱発せず、誰にでも理解しやすい言葉をチョイスする人。同業者の優劣等には目も向けず、自身の専門分野に対して真摯に向き合い、専門分野に関することを発信し続けている方や組織を選ぶことがベターです。また、ファンドやコンサル会社等の紹介で来た人は、基本疑いの目を入れた方が良いでしょうし、SNSで何でも発信してしまうような、守秘義務遵守の意識が低い方の起用も慎重にすべきでしょう。以上で今回の記事は終了です。
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