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MD視点で読む決算資料~ユナイテッドアローズ編2~

「MD視点で決算資料を読む」シリーズ。今回は、過去例を見ない高温の中で、売上を落とす企業も多い中、好調が伝えられるユナイテッドアローズ(以下UA)を取り上げます。UAに関しましては、2年以上前に一度、決算記事を作成しました。

MD視点でみる決算資料~ユナイテッドアローズ編~


前回の記事作成時は、コロナ禍の真っ只中ということもあり、非常に厳しい決算内容でしたが、この2年間で、どのような点を改善してきたのか?を、決算資料から紐解いていきましょう。

今回の記事は、以下の流れで話を進めさせていただきます。

目次
①損益計算書の大枠
②店舗数の推移→コーエンと新事業等も
③既存店客数・客単価の推移
〇客単価
〇独自考察
〇ネット売上
④売上・粗利・仕入・在庫→MD視点
〇売上・粗利の推移
〇在庫(仕入)・在庫回転日数の推移
〇課題
★まとめ

①損益計算書の大枠

先ずは、損益計算書の大枠です。

上記の図は、2022年3月期から2024年3月期までの損益計算書です。さらに、2025年3月期第2四半期の損益計算書も加えています。2022年3月期は、コロナ禍の影響が依然として大きく、売上は約1180億円にとどまりました。また、粗利率は50%を下回っています。しかしながら、2023年3月期、2024年3月期と売上・粗利率ともに順調な回復を見せており、2024年3月期には売上約1350億円、粗利率は51.7%に達しました。2024年3月期の売上は、2022年比で113.4%、粗利高は117.6%と大幅に増加し、結果として営業利益は、2022年3月期比で約4倍と大幅な増益となりました。
MD視点で最も気になるのは粗利率の推移ですが、2022年3月期まではコロナ禍の影響を受け、50%を下回っていましたが、2023年3月期には51.6%とコロナ禍前の水準まで回復し、2025年3月期上期時点では粗利率が52.7%と、コロナ禍前を上回る水準まで改善しています。この粗利率増加は、決算資料で値入率の向上が目標に掲げられていましたが、売上高の伸びを見る限り、値入率の向上よりも、セールの抑制が粗利率改善に大きく貢献したと考えられます。粗利率の向上に伴い、在庫増加の懸念も生じますが、この点については後述します。UAは、2025年3月期の通期予想として、売上約1509億円、粗利率52.3%、営業利益77億円を掲げています。2025年第2四半期時点では、売上は通期予想を上回るペースで推移しており(売上は対前年比111.9%)、更なる業績向上に期待がかかります。

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