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今年の4月を振り返ると、「暑かった」の一言に尽きるのではないでしょうか(ここ数年、毎年同じことを言っている気もしますが……)。4月は一年の中でも特に気温の変動が激しい時期です。アパレル業界では売れ筋が春物から夏物へと急ピッチで移り変わりますが、そこで課題となるのが「残った春物」の扱いです。これらを早期に消化する有効な手段として、アウトレット店舗の活用が挙げられます。今週からスタートするゴールデンウィーク(GW)は、既存店(プロパー店)では期待通りの売上が伸び悩む傾向にあります。一方でアウトレット店舗は、その立地から観光客を含めた多くのお客様が来店され、売上が大きく伸長する絶好の機会となります。
少し本題から逸れますが、個人的には、今期のプロパー店で動きの鈍い商品を、安易にすぐアウトレットへ回す組織のあり方は好みません。なぜなら、こうした「逃げ道」が常態化してしまうと、MDやバイヤーの仕入れに対する責任感が希薄になり、ひいては良い人材が育たなくなると考えるからです。とはいえ、滞留在庫を早期にアウトレットへ回して現金化を早めることは、会社全体の在庫回転率を向上させるという大きなメリットがあるのも事実。そのため、アウトレットへの在庫移動に際しては、事業部間で一定の数値目標やルールを明確に定めておくべきでしょう。
話を本題に戻します。私が全国のアパレル小売のMD・バイヤーに伝えたいこと。それは、「このGW期間中こそ、自らアウトレット店舗の応援に駆けつけろ」ということです。その理由は、私の実体験にあります。今から20数年前、私が初めてMDを経験した事業部は、当時の社内でも弱小の組織でした。MD就任後、自社生産ができる強みを活かして自社商品比率を大幅に引き上げましたが、同時に「ミニマムロット」の消化に悩まされることになったのです。そこでアウトレット事業部に協力を仰ぎ、プロパー店で裁ききれない数量の商品を、アウトレット店舗にて(プロパー価格で)販売させてもらいました。そうした経緯から、当時は月に3〜4回ほど週末にアウトレットの店頭に立っていましたが、そこでの経験は後のMD向上に大いに役立つことがありました。
現場では、データ分析だけでは決して見えてこない現実を突きつけられました。
・プロパー店では価格を下げても動かなかった商品が、アウトレットではよく売れることがある。
・プロパー店でのヒット商品でも、SやXLといった「端サイズ」だけが残ると、アウトレットでセールにかけても殆ど動かない。
・レディース商品では、3月に売れていた色が、GW期間には見向きもされなくなる。
アウトレット店舗の販売応援にて気づかされたことは上述したこと以外にもありましたが、特に「端サイズが残るとアウトレットでも完売は厳しい」という実感は、その後のサイズ展開やアソートの組み方に特段の注意を払うきっかけとなりました。どのサイズが残れば現場(実店舗やEC)が売りやすいか、という逆算の視点が身についたのです。店頭で得た情報から仮説を立て、改めてデータを確認する。現場からの「帰納的思考」とデータからの「演繹的思考」を往復することで、精度の高い品揃え政策が可能になります。このプロセスこそが、私のMDとしての成長を支えてくれました。
明日からいよいよGWが始まります。多忙な時期ではありますが、全国のMD・バイヤーの皆様が空き時間を見つけ、アウトレット店舗の応援に足を運ぶ。本記事がその一助となれば、これほど嬉しいことはありません。
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