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「MD MAP」作成のポイントとは?

★アパレル業界のMDはQRに期待すべきではない?

毎週火曜日に更新している私のブログで、何度も取り上げているのが「MD予算策定」の重要性です。昨今、アパレルのモノづくりにおけるリードタイム(以下、LT)は長期化する傾向にあり、クイックレスポンス(以下、QR)に期待するのはもはや無理だと考えるべきです。その結果、商品の販売期間の設定にもよりますが、期中に売れ筋商品の追加発注を行うのはほぼ不可能と言ってもよいでしょう。つまり、商品の「初回発注の精度」が組織の業績を大きく左右するといっても過言ではありません。だからこそ、「MD予算策定」の精度を上げることが、今後より一層重要になってくるのです。
具体的なMD予算の策定方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。
また、私が講師を務める「Fashion Re:ducation(ファッション・リデュケーション)MD講義」では、これらの実務を体系的に、かつ丁寧に指導しております。ご興味のある方は、ぜひ下記のリンクより詳細をご確認ください。

Fashion Re:ducation 「MD講義応用編」の講義内容について

★「MD MAP」作成の目的とは?

ただし、単に「MD予算策定」の精度を上げるだけで問題が解決するわけではありません。MDの仕事には、品揃えそのものを考え実践する「商品面」と、予算策定や価格戦略などを実践する「数字面」の2つの側面があります。

MD予算策定の精度を上げるためには、数字面のスキルを高めるだけでなく、その前提となるシーズンの品揃え計画をヴィジュアル化(可視化)し、現場(店頭やEC)と共有する必要があります。これがいわゆる「MD MAP」や「(シーズン)ディレクションMAP」と呼ばれるものです。「MD予算策定」は、あくまでこの可視化された「MD MAP」に即して行うべきなのです。しかしながら、これら「MD MAP」や「ディレクションMAP」、「シーズン投入計画MAP」等を作成するにあたっては、その「目的」を明確にしなければなりません。その一番の目的とは、販売の現場に対して、そのシーズンのMD戦略を具体的かつ分かりやすく理解してもらうことです。
ここで、私の個人的な見解を述べさせていただきます。「MD MAP」や「ディレクションMAP」、あるいは「シーズン投入計画MAP」などは、ブランドやショップにとっての強みそのものです。そのため、ファッション系の識者がよく言う「(シーズン投入計画MAP等は)こうでなければならなぁ~い!!」という型に固執する必要は全くありません。むしろ、他者の成功体験はあくまで一つの手段に過ぎず、それを目的のように押し付ける手法に、私は決して賛同できません。したがって、私が企業のMD支援に入る際は、そのブランドの強みを消してしまわないよう、商品面における独自のこだわりや世界観(仕事)を何よりも尊重し、お客様に寄り添う支援を心掛けています。

★「MD MAP」作成の3つのポイント

さて、話を本筋に戻しましょう。「型に固執する必要はない」と言いましたが、現場に戦略を分かりやすく伝えるために、押さえておくべき「基本の軸」は存在します。ここからは、「MD MAP」や「シーズン投入計画MAP」等を作成する際に、最低限意識すべきポイントを3つお伝えします。

〇横軸:時間の推移(「適時」の表現)
〇縦軸:商品分類別、できればコーディネートがイメージできるように(「適品」の表現)
〇全体:金額や数量のインパクト(構成比)が視覚的にわかるように(「適量」の表現)

〇横軸:時間の推移(「適時」の表現)

昨今、夏の長期化や暖冬の影響により、MDにおける「適時」の概念は以前と大きく異なっています。だからこそ、横軸で時間の推移(月別、あるいは週別)をしっかり表現することが重要です。「この時期にどの商品をメインで売っていくのか」を明確にすることはもちろん、MAP全体を俯瞰したときに「必要なタイミングで商品が入荷する計画になっているか」「逆に、特定の時期に偏って多すぎないか」をしっかり見極められるようにしておくと良いでしょう。

〇縦軸:商品分類別、できればコーディネートがイメージできるように(「適品」の表現)

縦軸は大分類、中分類別に区分けし、その時期に主力商品として売っていきたい商品を表現すべきです。その際に、上の段から上半身、下半身、そして服飾雑貨等の並びにしておくと、現場がコーディネートを理解しやすくなります。また、その月(週)に合わせた打ち出しコーディネート等も表現しておくと、より現場の理解が深ります。

〇全体:金額や数量のインパクト(構成比)が視覚的にわかるように(「適量」の表現)

MD MAPにすべての商品を掲載することが理想ではありますが、投入商品数や運用の問題でそれが難しいブランドやショップも多いと思います。(全商品のヴィジュアルや金額の確認は、別の帳票で行う形でも全く問題ありません)
全商品の掲載が難しい場合、MAPには主に「仕掛けたい主力商品」を絞って掲載することになります。その際にぜひ意識してほしいのが、売上金額や数量のインパクト(規模感)が一目でわかるように表現するということです。視覚的に数量の大小が伝わる工夫を入れるだけで、販売の現場は「どの商品に命運がかかっているのか」を圧倒的に理解しやすくなります。表現の手法はさまざまですので、自分たちのブランドやショップの規模・体制に合わせた、無理のない方法を取り入れると良いでしょう。

今回の記事は、私にしては珍しく「数字面」ではなく「商品面」にスポットを当てた内容となりましたが、いかがだったでしょうか。今回の記事はこれにて終了です。 この記事が、日々厳しい現場で奮闘されている皆様のMD実務において、少しでもお役に立てれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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