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MD(マーチャンダイジング)アドバイザーとして仕事を始めて12年以上が経ち、多くの組織と関わってきました。その経験から言うと、意外にできていないのが「仕入の管理」です。昨今はリードタイム(以下LT)が長くなっていることもあり、3ヶ月先、ひいては半年先まで発注が進んでいるのが当たり前になっています。それにもかかわらず、MDやバイヤーに先の仕入進捗を詳しく尋ねても、なかなか返答が返ってこないことが多々あります。中には、システム登録されている金額をその場で慌てて確認し直す、というケースも珍しくありません。さらに踏み込んで言えば、何か不都合でもあるのか、仕入の進捗状況をあまり表に出したくない、隠したいという姿勢が見え隠れするMDやバイヤーさえ存在するのが現状です。
本来、仕入管理において、MDに「当たり前」に行ってほしいのは次の3つです。
〇発注済みの仕入金額を、月(週)ごと・アイテム別(セレクトショップならメーカー別も)にすぐ答えられること
〇値入率の現状(進捗状況)が常にわかるようになっていること
〇仕入予算の進捗と、これから仕入を予定している金額が頭に入っていること
なぜ、これらを当たり前に行えるようにならなければいけないのか。
それは、MDの期中運用の精度を上げ、売上と粗利益をさらに獲得するため、そしてシーズン末に不要な在庫を残さないためです。以前からこのブログでも申し上げている通り、期中運用の精度を上げるには、まず先の「売上予測(見込)」をカテゴリー別(ケースバイケースですが)に算出する必要がありますしかし、それだけでは片手落ちです。同時に先の「仕入見込額」が算出できて初めて、粗利や在庫の見通しを立てることが可能になります。現状を踏まえつつ、先を見据えながら期中運用をコントロールしていく。例えば、予算より良い見通しが立つ場合は可能な限り仕入を増やし、逆に悪い見通しの場合は仕入を削減する。もし仕入削減が不可能であれば、早めに在庫削減策(セールや販促など)を実施していく。こうした柔軟な舵取りが極めて重要です。これこそが、期中でのさらなる売上・粗利益の獲得と、不要在庫の削減へと繋がる確実なアプローチになります。

仕入管理の方法自体は、組織や個人によって様々です。社内システム内で管理する方法もあれば、個人でExcelやスプレッドシートを活用し、システムとは「外付け」で管理する方法もあるでしょう。しかし、最も重要なのは、仕入管理の「目的」を正しく理解することです。さらに付け加えるなら、管理を通じて期中の「OTB運用」の精度を上げ、その状況を記した帳票を事業部のメンバー全員で共有し、現状認識を一致させることが何よりも大事です。なぜなら、期中のMD運用において、MDやバイヤーだけの力で結果を出せるケースはほとんどないからです。店舗やECの現場と具体的な現状を共有し、一丸となって「次の一手」を決め、実行に移して初めて、数字という結果に繋がります。
今回は、MDの実務において基本中の基本である「仕入管理」についてお話ししましたがいかがだったでしょうか。 今回の記事が、日々実務に携わる皆様方のお役に立てば幸いです。次回もよろしくお願いいたします。
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【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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