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メルマガの効果が年々下がっていくのは何故なのか?

アパレルECの運用で必須の流入経路であるメールマガジンですが、運用を一定期間続けておりますと、年々効果が下がってくるケースがあります。

例えば、

  • メルマガ経由のセッションが減っている
  • メルマガ経由の売上が前年を下回っている
  • 配信数はそれほど変わっていないのに売上だけ落ちている

といった状況ですね。単純に「メルマガの内容が良くないのでは?」と考えてしまいがちですが、細かい原因は他にもいくつか考えられます。そこで今回は、アパレルECでメルマガの効果が低下した際に確認しておきたいポイントについて整理してみます。

■到達率・開封率・クリック率を確認

まず確認しておきたいのが、

配信数 → 到達数 → 開封数 → クリック数 → 購入数

のどこで数字が落ちているのか?です。

例えば売上が前年比80%になっていたとしても、クリック率が前年とほとんど変わっていないのであれば、メルマガそのものよりもサイト側のCVRや商品構成などに原因があるかもしれません。逆に到達率や開封率、クリック率が継続的に低下しているのであれば、配信環境やメルマガの内容を疑う必要があります。

特に確認しておきたいのがメールアドレスの構成です。キャリアメールで登録されているお客様が一定数存在する場合、迷惑メール判定や受信設定などによってメールが届きにくくなっている可能性もあります。

また、長期間運用しているECほど、現在は利用されていないメールアドレスが会員データの中に蓄積していきます。そのため、「会員数が増えている=メルマガでリーチできる人数が増えている」とは限りません。まずは利用しているメール配信ツール側で、到達率・開封率・クリック率・配信停止率などの推移を確認しておきましょう。

■顧客の離脱

もう一つ考えられるのが、そもそも購入しなくなったユーザーが増えていることです。アパレルの場合、顧客が永続的に同じブランドで買い続けてくれるとは限りません。年齢、ライフスタイル、所得、ファッションの好みなどが変化すれば、当然ながら購入するブランドも変わります。例えば昨年メルマガ経由で購入していた顧客を抽出し、

  • 今年も購入している
  • サイトには来ているが購入していない
  • サイトへの訪問自体がなくなっている

と分類してみると、メルマガの問題なのか、それ以前に顧客そのものが離脱しているのかを切り分けやすくなります。特に長期間運営しているECの場合、メルマガ経由売上の減少を「配信施策の問題」だけで考えないことが重要です。

■オプトアウト・もしくは閲覧しなくなった

メール自体は届いていても、ユーザーが閲覧しなくなっているケースもあります。ありがちなのが、そのお客様にとって関係ない情報を送り続けている状態です。複数ブランドを運営しているショップが、一斉配信で全てのブランドのお知らせを送り続ける、などが該当します。お客様からすると、ご自身が好きなブランド以外のお知らせは必要ないことも多いでしょう。

すると、

興味のないメールが増える

開封しなくなる

メルマガ自体を見なくなる

最終的に配信停止

という流れが発生します。そこで重要になるのがセグメント配信の強化です。

例えば、

  • メンズ・ウィメンズ
  • 購入カテゴリー
  • 購入ブランド
  • 購入回数
  • 最終購入日
  • 会員ランク
  • 閲覧・購入した商品の価格帯

などによって配信対象を分ければ、ユーザーにとって関係のないメールを減らせます。このような細やかな対応をしていかないと離脱を招く要因にもなります。

■違う流入経路に移行

そして、個人的に見落とされやすいと思っているのが、顧客が別の流入経路へ移行しているケースです。先ほどの「メルマガを閲覧しなくなったユーザー」も含まれますが、メルマガを見なくなったからといって、その顧客が必ずしもブランドから離脱しているとは限りません。

例えば、

昨年までメルマガをクリックして購入していた顧客が、今年はmeta広告を見て購入している

というケースもあります。ブランドとの接点が「メール」から「広告」「SNS」「アプリ」「自然検索」などへ移動しているだけかもしれないのです。これはGA4とBigQueryを活用すれば調査できます。

◯調査方法

大まかな流れとしては、

  1. GA4でuser_idを取得
  2. 昨年のメルマガ経由のuser_idごとの売上を抽出
  3. 今年度、当該ユーザーがどの流入経路で購入しているかを調査

という形です。

例えば昨年メルマガ経由で購入していた顧客が1,000人いたとします。

その1,000人について今年の購入経路を調べ、

  • メルマガ
  • WEB広告
  • 検索
  • SNS
  • モバイルアプリ
  • LINE

などに分類します。

こうすると、「メルマガの売上が減った」のではなく「メルマガで購入していた顧客がどこへ移動したのか?」まで確認できます。筆者も3社ほどでテストしてみましたが、結構な分散が発生していました。n数が少なくて恐縮ですが、その中でも移行先として目立ったのがWEB広告です。これについては少し考える必要があります。

以前はメルマガをクリックして購入してくれていた既存顧客が、現在は広告をクリックして購入しているのであれば、同じ顧客から売上を作るために以前より広告費が必要になっている可能性があるからです。もちろん、既存顧客向けに広告が配信されること自体は致し方ない部分もあります。また、広告に接触したことで再購入につながっている可能性もあるため、単純に「既存顧客への広告配信=無駄」と判断することもできません。

ただし、

「既に自社でリーチできる顧客に対して、どこまで広告費を使うのか?」

については一度検討しても良いでしょう。気になるようでしたら、昨年メルマガ経由で購入した顧客などのリストを作成し、広告側で除外設定を行った上で、新規顧客や休眠顧客への広告配信を強化する、といったテストも考えられます。重要なのは、メルマガ単体の売上だけを見るのではなく、顧客単位で流入経路の変化を見ることです。

■結局は新規獲得を常に促進するしかない

ここまで見てきたように、メルマガの効果が年々低下する理由は一つではありません。到達率が低下することもあれば、メールを読まなくなるユーザーもいます。ブランド自体から離脱する顧客もいれば、広告やSNSなど別の流入経路へ移行する顧客もいます。

つまり、どれだけCRMを強化したとしても、既存顧客の母数が永遠に維持されるわけではありません。だからこそ重要なのが、新規顧客を継続的に獲得し、メルマガを含むCRMの対象顧客を常に補充することです。

新規獲得

会員化・メルマガ登録

メルマガやアプリなどによる再購入

一定割合の顧客が離脱

再び新規顧客で補充

という循環を作り続ける必要があります。メルマガの売上が落ちてきた際に「件名を変えよう」「配信回数を増やそう」といった施策だけで改善しようとすると、根本的な問題を見落としてしまう可能性があります。

到達率・開封率・クリック率の低下なのか。
既存顧客の離脱なのか。
別チャネルへの移行なのか。
そもそも新規顧客の供給が不足しているのか。

まずはこのあたりを切り分けてから、対策を考えてみるのがオススメです。

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