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【買付型セレクトショップ向け】発注リスクを抑える!の3つの基本ルール

★秋冬商品がぞくぞくと入荷してくる時期

私は仕事柄、地方の個店やセレクトショップのInstagramなどを日常的にチェックしています。近年の酷暑にもかかわらず、7月〜8月の入荷情報を追っていると、すでにかなりの秋冬商品が入荷していました。独自に集めた情報によると、人気ブランドや注目アイテムは、この暑さや昨今の値上げ傾向に関わらず順調に売れているようです(値上げの影響を受けているブランドが多いのも事実という側面はあります)。

★2027年SSのバイイング活動は終了している?

さて、9月現在、こうしたセレクトショップでは翌年(2027年)SS(春夏)商品の発注がほぼ完了しています。しかし、販売開始の半年も前に発注を締め切らなければならない構造は、MDの視点で見れば、ほぼデメリットしかありません。代表的な問題として、基本的にメーカーやブランド側もフリー在庫を持たないため、半年も前の発注でありながら「一発勝負」を強いられます。商品発注の精度が低ければ、売上や粗利の低迷だけでなく、深刻な余剰在庫を抱えることになります。また、展示会ベースで発注の商品は、期初に商品の入荷が集中しやすいという側面から平均在庫量が膨らみ、在庫回転率が低下しやすい点が挙げられます。これはキャッシュフローの悪化に直結するため、経営面でもリスクを正確に把握・管理する仕組みが不可欠です。
一方で、わずかなメリットを挙げるなら、発注が早い分、先行して売上・粗利・仕入・在庫の計画を立てやすい点です。2027年春夏シーズンで言えば、2026年10月の段階で翌期のMD戦略を具体的に可視化できることになります。そこで今回は、買い付け(バイイング)商品を中心としたセレクトショップを運営するうえで、MD上押さえておくべきポイントを解説します。

★買付型セレクトショップがMD上で押さえておくポイント

MD上で押さえておくべき3つのポイントは以下の通りです。

1.仕入予算の基本的な考え方とバイイング活動について
2.持ち越し在庫の扱いをどのように考えるか
3.予算策定と期中運用:カテゴリー別に数字を可視化し、常に販売終了日までを見据えて見通しを算出する

1.仕入予算の基本的な考え方とバイイング活動について

セレクトショップに限らず、仕入予算の基本的な考え方は「売れる分だけ仕入れる」ことです。したがって、売上・粗利予算から算出される売上原価予算を仕入原価予算として設定すべきです。また、前述のようなセレクトショップの場合、メーカーやブランドの展示会の出来(ラインナップ)に合わせて発注を進めていくことになります。そのため、後述するカテゴリー別の予算配分を細かく気にする必要はそこまでありません。まずは全体の仕入予算の上限をしっかり意識しながら、バイイング活動を行うと良いでしょう。

2.持ち越し在庫の扱いをどのように考えるか

今回のケースにおける持ち越し在庫とは、「数年にわたって継続展開している商品」を指します。代表的な例としては、「毎年定番で展開している人気ダウン」などが該当します。こうした商品は前シーズンで完売できず、売れ残っている場合があります。その場合、当然ながら上述した仕入予算から残った在庫分を差し引かなければなりません。しかし、残った在庫の色やサイズがあまり売れそうにない場合、ただ機械的に残在庫の金額だけを見て仕入予算を削ってしまうと、今期の仕入不足を招き、結果として売上や粗利の予算未達につながる可能性が高くなります。そのため、このようなケースではMD単独で判断せず、経営者や上長と相談したうえで最終的な仕入予算を決定するのが望ましいでしょう。また、こうした継続商品は「お客様視点で見て本当に継続すべき商品なのか?」を再検証することも重要です。さらに、カテゴリー別に具体的な金額を算出するためにも、現状の商品分類ルールが明確に策定されているかをあわせてチェックしておくと良いでしょう。

MDの精度を高める「商品分類」の重要性~MD講義から~

3.予算策定と期中運用:カテゴリー別に数字を可視化し、常に販売終了日までを見据えて見通しを算出する

バイイング活動中はカテゴリー別の仕入予算を細かく意識する必要はないとお伝えしましたが、それでもMD予算(売上・粗利・仕入・在庫予算)自体はカテゴリー別に作成すべきです。カテゴリーごとに分類しておくことで、期中運用において「何が良く、何が悪かったのか」という要因を具体的に測定できるからです。カテゴリー別予算を作成する際は、自社企画商品のように時間をかける必要はありません。基本的には前年の「カテゴリー別売上構成比」を活用してシンプルに策定するのがおすすめです。前年の数字をベースにMD予算を組むことで、前年とのトレンドの違いや商品動向の変化を具体的に可視化できるというメリットもあります。

次に、期中運用についてです。運用を開始したら、常に「販売終了日」を見据えて数値を算出・管理する必要があります。これを行うことで、どのカテゴリーで商品が過剰になりそうか、あるいは不足しているかが一目で把握できるようになります。具体的には、商品の発注はほぼ終了しているはずですので、まずはカテゴリー別・月別に確定した仕入金額を入力します。期初は売上・粗利実績の欄に一旦売上予算と同額を入力しておき、期中に入ってからは、実際の実績をもとに売上・粗利の見通しを随時更新しながら、販売終了日に向けて在庫コントロールを行っていく——そうしたイメージで運用を進めるとスムーズです。

★講座のご案内

こうした現場に即した運用ノウハウについては、11月7日よりスタートする Fashion Reducation「MD講義」 で詳しくお伝えいたします。
ただいま受講者を募集しておりますので、ご興味のある方はぜひ下記リンクより詳細をご確認ください。
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