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販売の現場は、本部(MD)の指示を無視しても良いのか?

★アパレル小売業における大組織と小組織の特徴とは?

私が現在の会社を立ち上げて7年以上が経過しました。最初の2年半は、仕事の内容が定まらず、ほぼ鳴かず飛ばずで、仕事をMD(特に数字面の仕事)に絞ってから、少しずつお仕事が頂けるようになり、この5年で多くの企業様と仕事をすることができました。海外の企業や一部上場企業。そして、アパレル以外の小売業や規模の小さいセレクトショップやEC専業ブランド等の仕事を重ねることが、私にとっての財産となりました。

このような経験を重ねた中で、アパレル小売業の大組織と小組織では、その特徴は全く違います。その所感を簡単に以下纏めますと。

〇アパレル小売の大きい組織
・本部・現場(店頭・EC)等の業務分掌・役割分担がしっかりとしている
・MD・商品管理等の仕組みも整っている
・本部と現場の距離が開きがち
・現場(店頭・EC)の方々が真面目。特に本部の指示はしっかりと守る

〇アパレル小売の小さい組織
・仕事の役割分担が曖昧。時にはMDの仕事は基本オーナー権限
・商品管理等の仕組み整っていない
・現状を数字で可視化できない為、データ分析が出来ず感覚論に終始
・本部と現場の距離が近い。バイヤーが店長を兼任等のケースも多くある
・店長の裁量で店頭をコントロール。その時々あった店づくりをしやすい

細かいことを他にもあるのですが、纏めると上記のようなことになります。

この中で、私が特に気になる点は、アパレル小売の大きい組織の中で掲げた。

・本部と現場の距離が開きがち
・現場(店頭・EC)の方々が真面目。特に本部の指示はしっかりと守る

この点になります。

 

★本部の指示を守ることが仕事の目的なのか?

私が、アパレル小売の販売員や店長を行っていたときは、まだ緩い時代だったということもあってか、私も含めて本部の指示を守らない店長が多くいました。(そのような組織だったと言われればそれまでだが(-_-;))ですが、私がこの仕事を始めて関わったアパレル小売の大組織の販売の仕事に従事されている方々の印象は。

”とにかく真面目である!”

ということでした。仕事に対する姿勢が真面目だということに何の異論もございません。しかしながら、その真面目さが災いしてか、仮に本部の指示が間違っていたとしても、本部の指示は頑なに守る!ということが、特に気になりました。大きい組織は、基本店舗オペレーションがしっかりとしており、店舗の業務が標準化されています。また、勤務歴1・2年目の若い店長が多いということもあるので、しっかりとした店舗オペレーションがないと、販売の現場はブラック化していまい、販売員が疲弊していくので、このことは必要不可欠です。

ですが、こんなことを述べてしまっては、アパレル小売りの本部の仕事に従事されている方々に怒られるかもしれませんが。

”本部やMDの指示を頑な守ることは、本当に良いことなの?”

という疑問を抱いてしまいます。

 

★今年の42週(10月18日~24日)は寒かったが。。。

例えば、今年の42週の週末(10月23日・24日)にこんなことがありました。
42週と言えば、レディースを中心に冬商材が多く店頭に並び始める時期です。因みに、過去30年の東京の平均最高気温は21.5℃。平均最低気温は14.4℃です。(気象庁のデータよりマサ佐藤調べ)この気温は、春夏に置き換えるとGW辺りの気温になりますから、さほど寒くないということがご理解頂けると思います。また、過去3年すべてが暖冬だったこと。そして、41週が夏に近い気温であったことから、42週の週末(渋谷と二子玉川)にショップリサーチを行っていると、意図的に冬商材の納期を遅らせているところも多かったのか?例年よりも冬商材の展開が少ないように見えました。

しかしながら、今年の42週の平均最高気温は18.5℃。最低気温は10.4℃(気象庁のデータよりマサ佐藤調べ)という平年を下回る気温で、特に冬商材の動きと密接に連動する最低気温が10.5℃(冬コートが着たくなり始める気温は10~11℃。10月24日の東京の最低気温は8℃だった。)と、45週~46週(今週・来週)程度の気温に下がっており、まだ寒さ慣れしていないこともあってか、より肌寒く感じた時期でした。

ということは?特にレディースなどは顕著の筈ですが、より冬商材を全面に店頭に展開した方が、客数も客単価も上がり大幅売上を伸ばすことが出来た可能性が高かった!と言えます。また、ことメンズに関しても、私のような服好きをターゲットにしたショップ等は、より冬商材の展開料を増やした方が良かったように感じました。ですが、そのような対応が出来ていたな?と感じたのは、レディースのOLさんをターゲットに品揃えしたショップであって、レディースでもカジュアルよりのショップは秋物を全面に出していたショップの方が多く感じました。

そして、あるショップスタッフに、”冬商材ってまだ入荷していないの?“尋ねてみたところ。

“冬商材はある程度入荷しているのですが、本部の指示で店頭展開をしていない。”

といった回答がありました。

おそらく前週まで暑かったので、それまで動きがイマイチだった秋物商品を売っていけ!という指示が出ていたように思えました。以外にも各組織によって、それぞれ諸事情があったのでしょう。

 

★本部の指示は仕事の目的を叶える手段の一つにすぎない?

話を元に戻しまして、アパレル小売業で仕事に従事されている方々の仕事の目的は、本部の仕事であろうが現場の仕事であろうが。

”(出来るだけ多くの)お客様を獲得すること。→(出来れば)喜んでもらうこと。”

ということは同じな筈です。基本、本部の人が店頭に出す指示というのは、このことが起点となっていなければいけません。また、本部(MD等)は商品の売上に対するインパクトや過去の月・週単位のお客様動向分析した上で、組織全体にとってより間違いがないであろう指示を出しています。
ですが、人間が行うことですから、当然間違った指示も出します。結局のところ、本部の指示というものは、仕事の目的を叶える可能性が高い手段の一つにすぎません。ですから本来は、上記のようなケースの場合は、本部の指示を無視し、冬商材の売場を拡げておいた方が、お客様に喜んでもらう可能性が高まった筈です。

しかしながら、冒頭述べたように、アパレル小売の大きい組織の販売の仕事に従事されている方々の多くは、きちんと本部からの指示を守る真面目な方々が多いですし、そう簡単に本部の指示を無視することは難しいであろうと考えられます。ですので、上記のようなケースでは、本部の人。特にMDが自分たちで出した指示を自ら撤回して、

”気温に応じた店づくりを心がけて!”

と、店頭とコミュニケーションをとるべきですし、特に大きい組織の場合はSVと密接に連携すべきです。

基本、本部仕事の方々は土日休みの方が多いことでしょう。ですが、昔ほどではないにしても、まだまだ土日に売上が集中する店が多いのも事実です。MDが平日に会議や打ち合わせが多く、更に商品に関することの決断をしなければならないこと等、普段の業務が多い為、土日休みになってしまうのは理解はできます。ですが、私の独断と偏見で思う、本当に仕事が出来る良いマーチャンダイザーは商品や数字の分析だけでなく、販売の現場に足を運ぶことを怠らない人です。このようなことが、本部と現場の距離を縮めることにも繋がりますし、現場からの信頼も得られるはずです。そして、本部の仕事も販売の仕事も、本来の仕事の目的は同じである!ということを、相互理解・共有することが大事です。
この記事をご覧になっているMDの皆様方が、普段の仕事が忙しい!というのは、重々承知はしておりますが、休みを削って店頭に足を運べ!というのではなく、自らの仕事を上手にマネジメントして頂き、週1とは言わずとも土日のどちらかに店に足を運んで頂き、販売の仕事に従事されている方々やお客様から直に色んなことを感じてほしいと願っています。
この度は、記事を読んで頂きありがとうございます。次回もよろしくお願いいたします。

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