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マーチャンダイザーは10月売れたからといって油断するな!

★10月は売上が好調だった?

2025年10月のアパレル小売業界の売上は、2024年10月と比較して大幅に伸長した企業(または組織)が多かったようです。

ユニクロが25%の大幅増収、気温低下で冬物動く 国内アパレル関連大手25年10月度

主たる要因は気候にあります。 2024年10月は記録的な高温となり、冬物衣料の売上が低迷しました。一方、東京では2025年10月は前年比で平均最高気温が2.4℃、平均最低気温が1.7℃低下したことにより、季節商品の動きが活発化し、売上に大きく貢献しました(それでも2025年の平均気温は、平年にくらべて若干高い)。また、前年の売上実績が低かった反動も、2025年10月の大幅な伸長を後押ししたと考えられます。

★MDが見据えるべきこととは?

この結果は業界にとって好材料ですが、マーチャンダイザーは今回の好調に一喜一憂するのではなく、11月以降の展開を見据え、具体的な目標を立案し、実行に移す必要があります。その理由は、ここ数年続く暖冬傾向により、シーズンの冬商品の投入数や金額を減らしている組織が存在するからです。実際、過去には12月以降の急激な気温低下に対応できず、売り逃しを経験した組織が少なからずありました。したがって、マーチャンダイザーはこの教訓を踏まえ、11月以降の売上・粗利目標を速やかに修正すべきです。また、それに伴い、必要な在庫が用意できているか、金額は十分か、不足している場合はどの程度の在庫金額を準備すべきかを具体的に計画立案し、実行しなければなりません。これらの提言をより具体的に理解いただくため、以下では架空の事業部を例に挙げて補足説明を行います。

(架空事業部Aの設定)
・10月の秋冬物アウターの売上・粗利実績が予算比110%
・11月~2月までの秋冬物アウターの売上予算は3600万円。粗利率予算は55%
・11月以降の秋冬物アウターの仕入原価は700万円
・10月末時点の秋冬物アウターの在庫原価は1000万円

このような組織があったとします。
これを受け、マーチャンダイザーは11月以降の売上目標を速やかに上方修正する必要があります。以降の説明では、売上目標を予算比110%に修正した前提で話を進めます。

売上(粗利高)目標を”予算比110%、売上目標4000万円”と修正した場合、架空事業部Aは後々在庫不足に陥り、売上目標達成が難しくなることが予測されます。仮に粗利率目標を上げ、値引施策を削減することで目標達成の可能性はありますが、現実的には困難です。なぜなら、11月以降の入荷商品が必ずしも売れるとは限らず、また、10月末時点の在庫では売れ筋商品の人気カラーやサイズが既に不足している可能性もあるからです。このような状況下で、仕入を増やすことなく売上・粗利目標を達成するのは極めて困難であると言わざるを得ません。したがって、このケースでマーチャンダイザーがとるべき最も重要な行動は、秋冬物アウター仕入枠を確保し増やすことです。(以下の図は、仕入原価金額を200万増やし、最終的に在庫原価が100万円残るという計画に修正した図)


具体的には、マーチャンダイザーがまず実践すべきことは、遅くとも1月上旬までの希望商品について、仕入が可能かどうかを現状の仕入先に確認することです。また、自社商品のみを展開している組織の場合は、リードタイムが長いため、商品の追加発注が不可能な可能性が高いでしょう。その際は、1月以降のセール商戦も見据えて、キャリー在庫商品の再展開なども検討すると良いでしょう。

マーチャンダイザーの業務は、過去の成功に安住する余裕がないという点で、ある意味厳しいものです。常に先を見据え、必要な準備と計画を立て、それを実践し続ける能力こそが、マーチャンダイザーに求められます。この点を強調し、本記事の結びといたします。

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