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ShopifyでGA4を導入する際の注意点

この年末年始くらいから、shopifyでGA4を導入したいというお話が相当数増えてきている印象を受けます。原因としては、ユニーバサルアナリティクス(旧バージョン。以下、UA)が今年の7月から使えなくなる事と、Shopify側が今年の3月からGA4に対応する旨をお知らせした事でしょうか。

Googleアナリティクス4

昨年の7月時点でGA4を導入していないサイトは全て昨対での比較が不可。UAとは計測の指標がやや異なる事、セッション等の定義が変更された事などからGA4とUAの数字を照らし合わせても比較になりません。という訳で、GAで簡易にKPIを設定・計測していた企業やブランドが導入を急いでいる、といった感じでしょうか。shopifyに関しては導入は簡易にできるようになるものの、GA4の既存のレポートでは見たい指標が見れない、という問題もありレポートのカスタマイズ等のサポートを希望している企業・ブランドが多いように思います。

※現状、shopifyでGA4を導入する場合はGTMを設置後、GA4設定や購入データ取得の為の設定が必要になります。(UAはShopifyの管理画面上にてトラッキングコードを入力するだけで設定可能でした。)

筆者もGAは仕事柄よく使うツールですので、昨年には既に対応できるようにしていたのですが、導入に際していくつか注意点がありますのでここで簡単に共有しておきたいと思います。(GA4というより旧バージョンから注意点はそんなに変わっておりませんが)

■参照元 / メディアの整備(決済方法が豊富な為)

Shopifyは簡易に決済方法を増やせるのが魅力の一つ。AmazonペイやGoogleやAppleから、独自のshopペイまでデフォルトで豊富に用意されております。そんな訳で、ECサイトにこれらのエクスプレスチェックアウトを導入するブランドが大多数を占めるのですが、これが要因でデータが少しややこしくなります。それは、決済時にサービスを提供している企業のサイトへページ遷移するケースです。この状態でデータを計測すると、GA側でどのようなデータになるのか?ですが、参照元のデータが決済サービスのドメインで上書きされてしまいます。

売上に貢献したチャネルや参照元を確認した際に、「payments.amazon.co.jp」や「shop.app」という文字列を見かけたことはありませんか?あれは決済時にページ遷移が発生した為に、そのドメインが売上に貢献した、という見え方になったデータなのです。これ、もちろんshopifyに限らず発生するのですが、筆者が確認する限りはShopifyで構築されたECサイトで相当目立ちます。対策はめっちゃ簡単なのですが、割とみなさんやっておりませんので下記に記載しておきます。

GA4の管理画面から「プロパティ」→「データストリーム」→「タグ設定を行う」→「設定」にて「すべて表示」を選択→「除外する参照のリスト」

にて、除外したいドメインをそれぞれ登録してください。shopifyの場合、特に多いのAmazonペイとshopペイですね。これはUAの時から非常に多かったのですが、GA4導入に際しても改めて設定しておきましょう。そのままにしておきますと、セッションがめっちゃ少ないのにReferral経由の購買がめっちゃ増えている、みたいなデータになっちゃいます。

Shopify管理画面上の「ストア分析」でも参照元データは確認可能ですが、こちらもやはり一部参照元が上書きされているようです。

上記のように、参照元がAmazonペイのドメインになってしまっておりますが、何故か参照元は「Search(検索)」というデータに。検索で入ってきたものの、Amazonペイのページ遷移が発生→その後購買、という状況でしょうか。ストア分析の方はどうしようもないので、GA側だけでもしっかり整備しておきましょう。

■Shopify emailはキャンペーン名が数字の羅列

Shopifyには無料で使える「Shopify email」というアプリがあるのですが(配信は月10,000通まで無料)、こちらは何も設定せずともデフォルトでパラメータが設定されており、後でGA側でデータが確認できるようになっております。

Shopifyメールの価格設定

問題はキャンペーン名が全て数字で設定されており、編集ができない点でしょうか。(一部、設定可能なCTAはある)GAでキャンペーンを絞り込んで、メルマガ経由の売上をそれぞれ確認しようにも、数字の羅列なので初見ではどのメルマガがどの程度の効果を発揮したのかわかりません。配信した日時を確認し、どの数字がどのメルマガに該当するか?の確認作業が必要になります。(Klaviyoやomnisendはキャンペーン名が表示されます。)こちらもストア分析にて、「UTMキャンペーン名」で絞り込めば、どのメルマガで誰が何を買って行ったか?の詳細は確認可能ですが、やはりこちらでも数字の羅列ですね。(こちらもKlaviyoやomnisendならキャンペーン名が表示されます。)このあたりがやや不便なところではありますね。

■Google広告はショッピング広告のみストア分析にて検出(Searchとしてカウント)

こちらの件はShopifyのストア分析で計測できないから、GA側で取得するしかないデータについてです。Google広告にて自動タグを設定している場合、パラメータは自動で設定されるものの、その場合はShopify側では広告経由として検出されず「Search(検索)」としてカウントされます。

しかし、その中でもショッピング広告は「UTMキャンペーンの媒体」で絞り込みますと、「product_sync」という文字列で検出が可能。GA側ではセッションやユーザー動向は全て見れますが、「誰が何を買っていったか?」までは追うことができませんので、GAとShopifyのデータを照らし合わせて広告効果を確認するのが良いでしょう。(Google広告のアカウントで購買データは確認可能ではありますが)

■購入時「商品タイプ」のデータ取得ができない(多分)

最後に購入データの取得に関してですが、ShopifyでGA側に購入データを送る際、商品のデータ取得に使われるのが「line_itemオブジェクト」。

【Shopify】liquidのオブジェクトについてまとめてみた ( image, line_item, link )

これはカート内の商品データを表しているのですが、データレイヤーを記述する際も、このline_itemオブジェクトを使います。しかし、取得できるのがline_item.vendorまでで、アイテムカテゴリーを表すオブジェクトが無さそう…。多くの場合において、vendorはブランド名を登録していますので、アイテムカテゴリー(商品タイプで登録しているケースが多い)をGA側に送信するのが今のところ難しそうです。(可能な場合は誰か教えてください…。)

Shopify側の購入データから、どのアイテムカテゴリーがどの程度売れたか?は管理画面上で見ることは可能なので大きな問題はありませんが、探索等にて、サイトコンテンツがどのカテゴリーの販売に貢献したか?などが見れると更にデータの深堀りはできそうです。

 

上記が注意点でしょうか。参照元のデータは遡って修正が不可ですから、早めに参照元除外設定しておくことをおすすめします。これやっておかないとまともな分析ができません。GA4の導入自体が簡単になる(と思われる)のはありがたいですが、結局は「どう活用するか?」が重要なので、何ができて何ができないか?は予めしっかり押さえておきましょう。

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