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決算跨ぎのMD運用を円滑に行うには?

★決算跨ぎのMD予算設計・管理が適当になってしまうと?

現在、弊社のメルマガで配信している。また、過去繊研plusの連載で取り上げていたMD予算設計は、MDにとっては、最重要とも言える仕事の一つです。

算数で極めるMD予算設計の道

そして、このMD予算は会社の決算期間とイコールでなければなりません。例えば、2023年2月末の決算の会社の場合は、2022年3月1日~2023年2月28日の期間で、MD予算設計を行い、それを基に期中MD運用を行う!ということになります。アパレル・ファッション小売業の上場企業は、2月末や3月末決算が多数派となります。(ファストリテイリングは8月末決算)そこで、今回記事として取り上げたいのが、”MD予算決算端境期問題”です!

これは、どういうことか?と言いますと。現在、多くのアパレル・ファッション小売業の組織では、2023年の春夏新商品が入荷しています。早ければ2022年の12月から。遅くとも、2023年1月から新商品の入荷が始まっていることでしょう。ということは?決算期が2月末の場合。2023年春夏商品は、2022年度(2023年2月期)のMD予算(売上・粗利・仕入・在庫)が含まれてしまっている!ということになります。
このことで、よく立ち上がりの春夏商品の予算管理がいい加減となり、来期の3月に売る在庫(春夏商品)が足りなかった。または、必要以上の仕入をしすぎて、春物商品がめちゃくちゃ余ってしまった_| ̄|○。このような状態に陥っている組織を、この仕事を始めてから数例目にしてきました。ということで、今回はMD予算設計・管理において、決算の端境期に意識すべき点を、記事に纏めていきます。

★MDにとって理想的な決算月

ここで少し話を変えます。個人的には、決算月は3月末よりも2月末が、MD的な視点でみるとオススメです。何故ならば、2月末は秋冬商品の販売終了日として設定しやすく、理論上は2月末在庫は、すべて春夏商品としてスタートできるからです。実際は、秋冬商品が余りますが、決算末日までに、秋冬商品等の残在庫を、アウトレット等に移管する。キャリー品として管理方法を変える等のことを行うと、次の期にMDの期中運用が行いやすくなるでしょう。(3月末決算でも、3月末はすべて春物商品のスタートとなりますが、3月はほぼほぼ春物商品の売上となりますから、その3月が前期の予算になっていると、春夏商品の予算設計をするのがややこしくなる場合があります。また、秋冬商品の販売終了日と一致させにくいのも問題です。個人的には、8月末決算でも良いと思います。)

ということで、話を戻します。MD予算設計・管理において、決算の端境期に意識するべき点を、以下箇条書き致しますと。
(今回は、2024年2月末決算(2023年度)でお話を進めます。)

①MDスケジュールを確認すること
②MD予算設計の際は、今期分と来期分に分解しておくこと
③2月末には、3月の予算がとれるよう在庫を確保しておくこと

細かく言うと、他にもあるのですが、この3つとなります。以下、項目ごとに話を進めます。

①MDスケジュールを確認すること

このMDスケジュールを作成しておくこととの重要性は、このブログ内でも他の連載でも、何度もお伝えしています。

【マサ佐藤の駆け込み寺】納期遅れを回避するには①

先ず、MDがMDスケジュールにて確認すべきことは、いつまでにMD予算設計を終えなければならないか?特に最低限の春夏シーズンの予算設計を終えていなければいけないのか?このことを確認することです。

特に、リードタイム(以下LT)が長い組織や、バイイングタイミングの早いブランドを抱えたセレクトショップ等は、上記の決算期のMD予算設定は、2022年の7・8月くらいには、終えていなけばならないでしょう。まだ、半年以上先に展開する商品のMD予算(売上・粗利・仕入・在庫)を、設計しなければならない!というのは、なんとも酷な話ですが、ここで手抜きをすると、後に在庫過多等のイタイ目にあう!ということを、忘れないでおきましょう。

②MD予算設計の際は、今期分と来期分に分解しておくこと

今回のケースでは、2023年SS商品の売上・仕入は、2022年の12月から立っているとします。MD予算設計を行うのは、2024年2月期(2023年度)の予算となります。ですので、2024年2月期のMD予算設計といえども、その前期に当たる2022年12月・2023年1月・2月の売上分から、2023年の春物商品の売上予算(目標)を抽出しなければなりません。この際は、過去のデータを分析した上で、今年はどのように春物商品を立ち上げたいのか?ということも踏まえて、売上構成比にて予算設計を行ってください。(下記はイメージ図です)


③2月末には、3月の売上・粗利予算に達する在庫を確保しておくこと

最後は、このことです。上記のような緻密なMD予算設計を行っておらず、2023年春物商品の発注を行ってしまった場合です。この場合、重要となるのは、2024年2月期のスタートなる、2023年3月の売上・粗利予算を達成できる在庫に達しているのか?このことになります。
どのくらいの在庫があれば良いのか?ということは、レディース・メンズでも変わってきますし、自分たちのブランドコンセプト・仕入形態(自社・他社バイイング等)によっても変わってきますので一括り述べることはできませんが、LTが2か月以上の場合は、3月の売上・粗利予算から算出される売上原価予算の倍以上なければ、ショップに必要な在庫が積み上がらない可能性が高い!と言えます。3月1日に大きい金額の仕入が入ってくるのが確定していれば、2か月以上の在庫は必要ないともいえますが、この辺のことをカテゴリー別(品種別)に、細かくチェックする必要があります。
また、その逆でオーバー仕入してしまった場合は、どのくらいの金額がオーバー仕入になっているのか?を、具体的に確認する必要があります。このこともカテゴリー別に金額を算出した方が良いですし、商品の販売期間(販売終了日)を、商品1アイテムずつ確認する必要があると言えます。特に、この先残りそうな商品は、早めに対策を講じておくことが重要です。(販路を拡げる。重点販売商品に指定する。プロパー価格そのもの改定等、事前に打つべき手を計画しておく!)

以上、決算の端境期に注意すべき点を纏めましたが、③のような状態にならないよう、①②をしっかりと行う。そして、MD予算設計はOTBのロジックを用い、売上・粗利・仕入・在庫別に予算を、緻密に設計しておくことが、何よりの危機管理になる!ということを訴えて、今回の記事は終了と致します。

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