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「MD視点で決算資料をみる」シリーズ。今回取り上げるのは、三陽商会です。バーバリーとのライセンス契約終了後、業績が悪化していた三陽商会ですが、2020年5月の社長交代を機に、業績は順調に回復しています。後述しますが、2023年2月期より黒字決算が続いており、大江社長の手腕は見事という他ありません。また、中期経営計画では10年後に売上高1000億円、営業利益率10%の目標を掲げており、三陽商会の今後に注目しています。
《視点》人は城なり
しかしながら、MD視点で決算資料を読み込むと、MD(マーチャンダイジング)には、まだ多くの課題が残っているように見受けられます。特に気になるのは、商品の「適価」に対する意識の問題と、仕入・在庫計画が場当たり的に見える点です。そこで、今回の記事では、この2点を念頭に置き、以下の順序で話を進めます。
★三陽商会決算数字の大枠
①損益計算書
②部門別売上
③在庫・在庫回転日数
★MD視点での分析
④売上
⑤粗利
⑥仕入・在庫
★MDにおける課題とは?
〇MD予算の設計と期中運用のチェック体制
〇商品の価格設定の問題
〇「適時」の商品分類に関する問題
三陽商会の過去3年(23年2月期~25年2月期)の損益計算書をわかりやすくしたものが、以下の図になります。
上述したように、三陽商会は2023年2月期より黒字に転換し、3期連続で黒字を維持しています。バーバリーとのライセンス契約終了やコロナ禍の影響で一時的に売上が大幅に減少しましたが、2024年2月期からは売上高600億円を超えています。しかし、2025年2月期は、2024年2月期と比較して売上高は減少していますが、この点については後述します。
MD視点で損益計算書を見ると、気になるのは粗利率ですが、三陽商会は前回の記事で取り上げたバロックジャパンリミテッドよりも高い粗利率です。日本のアパレル小売業において、粗利率が60%を超える企業はなかなか見当たりません。個人的な推測ですが、三陽商会はグループ内に自社工場(青森・福島など)を抱えており、自社生産を強みとして商品に付加価値を与えていることも、粗利率の高さの一因と考えられるでしょう。
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https://note.com/apparel_note/n/ned342a5c4843
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【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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