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アパレルECの売上対策で、こちらが提案しても中々手をつけてくれないランキング堂々1位は間違いなく、
「サイトコンテンツの充実」
です。理由としては、
・手間がかかる割りに貢献度が不明瞭
・企画するのがとても面倒
あたりでしょうか。ブログや特集のような長文コンテンツなら、切り口考えるのも面倒だし撮影は必要なケースあるし執筆も大変だしで対応するのに結構な手間がかかります。大手のECサイトなら人員も多いし、予算も多いので外注できる&商品多いから売上インパクトが期待できる、という理由で更新頻度高かったりするのですが、EC売上が年間10億未満だと手付かずになる事もそこそこあります。
そこで筆者がいつもオススメするのが「タグ」の運用です。
商品にタグを付与→テキストリンクを表示させる
これだけで一応簡単な提案・訴求になりますし、テキストを工夫すればお客様に気付きを与える事ができて、そこから売上につながるケースもあるでしょう。実装するのに大きなコストも発生しません。(切り口はちゃんと考えないといけませんが。)
ではこのタグについて、どう運用するのが良いか?を事例を用いてご紹介したいと思います。
まずは表示させるタグの文字列を決める必要があります。これはお客様の動向をデータで確認するだけでアイデアは簡単に出てきます。
サイト内検索データを週単位くらいで確認しますと、その時期にお客様が求めているものが言語化されている事が多いです。今の時期なら機能性に関するニーズが多いのか、「撥水」「防水」「接触冷感」「イージーケア」関連のキーワードが多く発生します。予め、そのアイテムが持つ機能をまとめておきタグを付けておくだけで、このテキストリンクが表示されたら当然ながらクリックは増えます。(体感ですが特にSC系のブランドでクリックが増える傾向が強いです。)
機能性だけでなく、別注・コラボ商品狙いやより細分化したアイテムカテゴリーの検索など、実は細かいニーズがサイト内検索で現れているケースが非常に多いのです。これらを集約するだけでタグのアイデアに困ることはありませんし、毎年似たようなニーズが大体発生しています。年間で発生するものは常設で一覧ページを作成しても良いでしょう。
続いてはsearch consoleからもニーズを確認しましょう。こちらは似たようなキーワードがページ側に無ければそもそもヒットしないのですが、それでも一定はお客様のニーズが汲み取れます。アパレルECは季節が変わると検索されるキーワードも大きく変わりますし、ブランド属性によっても全然違うので、それぞれ細かくデータを見ておきましょう。こちらも週単位、2週間単位くらいで見ておかないとお客様が検索されるキーワードはどんどん変わってきますのでご注意を。
GA4なら経路データ探索を活用するのも良いでしょう。トップページからユーザーがどこに行こうとしているのか?で、ユーザーのニーズがわかります。特定の一覧ページに行こうとしているのにその導線がトップに無い、などで回遊が増えてしまっていることもあるでしょう。また、トップからいきなりサイト内検索行動を起こすユーザーが多いこともありますが、これこそキーワードを確認して対策する、という結論に至るでしょう。
上記はお客様の直近の動向から対策を取る、という内容ですが、事前に対策しておきたい方は昨年データをご確認ください。意外とニーズが変わらないものもあります。また、ファッション雑誌は早めに季節に応じた提案をしてくれますので、それらの切り口を参考にしても良いでしょう。
それ以外ですと、競合他社の昨年の提案等もそこそこ参考になります。メールマガジンを受け取っておけば、昨年どのようなメールを送っていたか?がわかりますし、過去のブログ・特集をページに残している大手アパレルも中にはあります。(短期で消される企業が多いです)筆者はこれらの内容を常にスクリーンショットで残しておりますので、毎月ネタ帳がどんどん増えていっております笑
アダストリアのトップページのように、長文のタグを付ける場合は着用シーン等が想起されるものが望ましいですね。
では続きまして、タグを表示させるのはどこが良いか?ですが、これはまぁトップページが無難でしょう。と言うのも、一覧ページや詳細ページは検索の段階でそこそこ具体的なクエリを打ち込んでいるからこそ、下層ページから入ってきている訳で。トップページの方が当然、潜在的なニーズが可視化されていない状態です。
「注目・人気のキーワード」みたいにメインコンテンツに表示させても良いですし、サイト内検索とセットで表示させるケースなどもよく見かけますね。先ほどのアダストリアのように、商品リストに登録されている商品を何枚か見せつつ一覧へ送客する、というUIでも良いでしょう。
それ以外でよく見かけるのは商品詳細ページですが、ごく稀に商品一覧ページにタグを表示させているケースもあります。
商品一覧ページにて離脱が多い場合なんかは、ここで訴求を強化することで離脱を防げる可能性はあります。一覧ページの離脱率改善の際に使いたい手法ですね。また、商品ページとは別にはなりますが、コーディネートページや記事コンテンツにもタグは付与できますので、こちらも是非積極的に運用しましょう。特にコーディネートは、テキストで切り口を作るだけで着用シーンの提案が非常に容易になります。
タグを付与したものは、一覧ページを作成してから表示させるでも良いですし、クエリパラメータで絞り込んだ状態でリンクしても良いですが、後者の場合はサイト内検索のデータに反映されてしまいますので、データにノイズを入れたくない場合は面倒ですが一覧ページを作成するのがオススメです。
トップページにタグを表示させた場合、勝手にクリックは増えていくのですが、積極的に露出して売上対策したい場合はメルマガ等からプッシュするのも良いでしょう。ちゃんと一覧ページまで作成してtitle・descriptionまで整備している場合は、そのキーワードで検索も狙えますので、送客→滞在時間が伸びる等でページの評価を上げて対策するのもOK。常設するまでもないけれど「毎年期間限定で必要」みたいなキーワードは、この内容で一覧ページを作成しておきましょう。
このような対策を施すことで、ブログ等の執筆ほど手間がかからない上に、キーワードがお客様のニーズに沿っているとクリックは相当増えます。遷移した先で一覧ページを見せる、というだけなのですが、手間がかけられないというショップが簡単にお客様に提案するのに非常に重宝するのです。
スタッフコーディネートの充実もどちらかというと本部の手間をかけずECのサイトコンテンツを充実させる方法ですが(やり方によっては逆に手間かかります。)、EC側だけで簡単に対策取りたいのであれば是非一度、タグでの対策を実施みてください。
ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。Twitter(@fukaji38)株式会社StylePicks
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