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マーチャンダイザーの仕事とは?

★販売職の方々の多くはマーチャンダイザーの仕事を理解できていない?

今年の6月よりFashion Re:ducationという社会人向けの教育サービスを開始しました。

Fashion Re:ducation

Fashion Re:ducationは、アパレル業界のプロフェッショナルを育成するため、主に企業にお勤めの方を対象とした専門的な教育を提供しています。具体的には、販売、MD、ECの各分野に特化したコースを開設しています。そして、開校から半年が経過するのを機に、年明けからは新たな試みをスタートします。それは、販売・MD・ECそれぞれが連動した講義です。

アパレル・ファッション業界の販売・MD・ECが連動する為の講義始めます


現在、私は販売やECとの連動講義実現に向けて、各担当の講師と打ち合わせを進めている最中です。そんな打ち合わせの中で、販売担当の平山先生から興味深いご指摘をいただきました。「販売の仕事に携わる人は、マーチャンダイザー(MD)がどのような役割を果たしているのか、実は十分に理解できていないことが多い」というものです。この貴重なご意見を踏まえ、今回はMDの仕事とは具体的にどんな内容なのかを、初心者の方にもできる限りわかりやすく解説していきます。

★5つの「適」を追求する仕事

「マーチャンダイジング(以下MD)」という言葉をWikipediaで調べてみると、以下のような記述が出てきます。

お客様の欲求・要求に適う商品を適切な数量・価格・タイミング等で提供すること。

上記の記述には「適」という言葉が2回含まれていますが、実はマーチャンダイザーが仕事を遂行する上で欠かせないのが、この「適」を追求する「5適」という考え方です。ここでは、この「5適」について簡単に解説していきます。
適品:(お客様の)要求・欲求に適う商品を提供すること
適所:所謂VMD(ヴィジュアルマーチャンダイジング)的なこと。コンセプトにあった場所に出店することも重要
適時:お客様が商品を欲しがる時期に商品を提供すること
適量:適切な数量の商品を発注すること→商品を残さない
適価:(コンセプトに即した)適切な価格でお客様に商品を提供すること

簡単にいうと、上記の通りです。この「5適」を分解して考えると、マーチャンダイザーの仕事には二つの側面があることがわかります。一つは「適品」に代表される商品そのものに関する仕事、そしてもう一つは「適量」「適価」に代表される数字に関わる仕事です。大手アパレル企業では、前者の商品の仕事を担当する人をディレクター、デザイナー、バイヤーといった職種に分類し、後者の数字に関わる人をマーチャンダイザー(MD)と呼ぶ傾向があります。しかし、「5適」の考え方に基づけば、ディレクターやバイヤーも商品と数字の両方を管理する広義のMDの仕事に携わっている、と捉えるべきでしょう。

★マーチャンダイザーは真摯に販売の現場に向き合うべき

さて、ここで少し視点を変えてみましょう。アパレル企業の販売職の方々が、本社勤務の担当者に対してしばしば抱く不満の一つに、「(売れる商品の)在庫が足りない、在庫さえあればもっと売れたはずだ」という声があります。


これまで見てきたマーチャンダイザーの仕事の側面、すなわち品揃えを決める権限と数量を決める権限をMDが持っていることを踏まえると、この販売職の方々の不満の矛先は、当然のことながらマーチャンダイザーに向けられるべきだということが、お分かりいただけたかと思います。したがって、商品そのものや発注数量に対する疑問や質問は、マーチャンダイザーに直接向けるのが筋です。ここからは私の個人的な意見になりますが、こうした販売職の方々の疑問や質問に真摯に応えることのできないマーチャンダイザーは、その職責を果たすことができないと判断し、職を辞する覚悟を持つべきだと考えます。もし、職責を果たす覚悟を持たないマーチャンダイザーが存在するならば、販売職の方々をはじめ、現場の仕事に従事されている方は、その現状に対し大いに声をあげるべきです。今回の記事は以上で終了です。次回もよろしくお願いします。

マーチャンダイジング関連のサービスは、以下のリンクをクリックしてご確認くださいm(__)m

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