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計画された偶発性 変化の時代のキャリア論

緊急事態宣言が解除となりましたね。このブログが公開される頃には、アパレル業界も復活の第一歩を踏み出すといった状況ではないでしょうか。

しかし、個々のキャリアについては、いささか先行きが不安な状況となっております。自身はアパレルの転職エージェントで仕事をしているのですが、ブランド閉鎖や不本意な異動など以前よりもシリアスな相談を受ける件数が増えてきております。

そこで今日は、変化の時代におけるキャリアの考え方、理論について書かせてもらおうと思います。今日ご紹介するのは「計画された偶発性」についてです。

 

◯計画された偶発性とは?


クランボルツという人をご存知でしょうか。彼はスタンフォード大学の教授で、近年のキャリア論に大きな影響を与えた学者の一人です。そのクランボルツが提唱したのが「計画された偶発性」です。

「計画された偶発性」とは何かというと“予期せぬ出来事に主体的に取り組むことで、より良いキャリアが形成される。また、それを計画的に発生させることは、豊かなキャリア創造につながる‘’という理論であり、一つの指針です。具体的には以下の通りです。

・個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される。

・その予想しない出来事を受け入れ、主体的努力により活用することでキャリアが成熟する。

・また、時に偶発的な出来事を意図的に生み出す(取り組む)ことが、より良いキャリア創造につながる。

初めてこの理論を知った時は、いまいちロジックがわからなかったのですが、クランボルツは相当な量の調査サンプルを集めて、この理論につながる傾向を掴んでいます。

実際にアメリカの成功者たちにインタビューした結果、8割以上の人が「若いころ、本当は違う会社で仕事がしたかったんだ。」「今の仕事は当初、目指していた職種ではなかったんだ。」と答えたそうです。いずれの成功者もキャリアの中で“意図していない、もしくは予定していない出来事”に取り組み、成功と幸福なキャリアを積んでいるわけです。

 

◯その出来事は本当にネガティブなのか


例えば、こんな転職理由があったとします。

「パタンナーとして10年勤めてきたが、売上不振で所属ブランドを閉めることになった。そのため、来月から違うブランドで店頭販売をすることになってしまったので、転職を考えている。」

転職理由としては充分な納得感があると思います。急な出来事だったと思いますし、自分が培ってきたスキルが活かせない環境で働くのは不本意なことです。しかし、「計画された偶発性」の観点で言うと、むしろこれはチャンスとも考えられます。

店頭で直に顧客と接することで、なぜブランドが終わってしまったのか知ることができるのではないでしょうか。また、自信のあったパターンについても本当に顧客にとって良いものだったのか、改善する余地があったのでは?ということにも気づけるはずです。

とはいえ、転職をするにあたって、パタンナーのキャリアが一旦中断されるのは不利なのでは、、、と考える人もいるかもしれません。しかし、それは間違いです。採用する側からすると、環境の変化ですぐさま逃げ出す人は怖くて採用できないのです。

キャリアは一旦途切れますが、1年でもいいので取り組めばいいのです。販売の経験から見えた課題を改善して、今度こそパタンナーとして自分のためだけでなく、ブランド全体のため、顧客のために頑張っていきたい。と言えた方がよっぽど安心感があります。そして、それが事実であれば転職活動だけでなく、キャリアそのものが成功する可能性も大きくなるはずです。

 

◯偶然にあえて取り組む


厳しい時代の中で、意図していないキャリアや状況を突き付けらると誰しもが不安に感じるものです。しかし、そういう時こそ一旦冷静になって、本当にそれがネガティブな事象なのか考えてみてください。そして、そこに主体的に取り組むことは長期的なキャリア創造において、きっと有益なものになるはずです。一時の感情に流されず、関心と学ぶ姿勢を持つことが大事なのです。

変化の時代の中で、意図していない出来事をチャンスと捉え、より良いキャリアと経験につなげてもらえれば幸いです。

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