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先日、弊社と取り組みのあるソーシャルメディアの企業様から興味深い情報が流れてきました。それは、昨今の若者の「色の合わせ方」についてです。
その企業様はSCに出店しているブランドを複数担当しているのですが、ここ最近お客様より同様の質問が店頭で増えているとの事です。その質問内容とは、
「黒のTシャツには何を合わしたらいいのでしょうか?」
「黒のスキニーパンツに何を合わしたらいいのでしょうか?」
のような内容。我々の世代からすると「何でも合うのでは?」と思ってしまいますが、若い世代からするとわからない人が増えているのだとか。
筆者の年代からすると、ホワイト・ブラック・ベージュ・カーキ・ネイビーは鉄板の色という認識でしたが、最近はそうでもなく、特にカーキは若年層のショップでは「合わせ方がわからない」と言って余るケースもよくあるのだとか。
この兆候があったのは、何も店頭だけではありません。ソーシャルメディアの投稿でもこの「色の合わせ方」コンテンツは過去からエンゲージメントが高かったのです。
ソーシャル担当者なら知っているでしょうけど、このような投稿は過去から保存数が高くなりやすく、人気コンテンツの一つなのです。何故このような事が起こっているのか推測してみたのですが、昨今はソーシャルメディア、特にInstagramの影響のせいかファッション雑誌を見る若者が非常に減りました。以前なら、色の合わせ方のようなリテラシーはファッション雑誌でも学ぶ事が出来たのですが、今の若者の習慣からこれが抜け落ちてしまったせいで、当該コンテンツがリーチしない層は色の合わせ方がわからないのではないかと。ソーシャルメディアは細かいセグメントにリーチ出来る反面、大多数のマスには届きにくい。このような事から、店頭でとても基本的な色の合わせ方を質問する方が増えてきているのではないかと。
もちろん、このような事例は全てのブランドに当てはまる事ではありません。ですが、実際に起こりうる事なので過去、当然とされてきた慣習より目の前のデータを信頼する必要はあります。
また、カラーバリエーションのあるアイテム(ってほとんどですが)は色系コンテンツでレクチャーしながら販売する必要も出てきますね。そのコンテンツの反応によって発注数を調整したりといった動きも必要になるかもしれません。
ここに関してはECのサイト内検索と流入キーワードも活用しやすいでしょう。特に流入しているクエリを確認しますと「アイテム名 色名」で検索しているユーザーも多数いらっしゃいます。
顧客のリテラシーによってアイテム名検索で違いが出る場合の注意はありました。(リュックとバックパックなど)しかし、色の合わせ方にまでリテラシーが求められるようになるとはちょっと驚きでした。何にせよ、商品を発注する際には自社のデータをしっかり確認しておかなければ、お客様の求めているものを正確に提案出来ない可能性がありますので十分ご注意ください。
株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。Twitter(@fukaji38)
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