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タイトル書いてて本当違和感なのですが、ブランドやショップ運営をしていて「MDが不在」というケースはそう珍しくありません。
「え、MDがいないのにどうやってショップやブランドの企画スタートしたの?」
とお思いの方もいらっしゃる事でしょう。しかし、ショップやブランドをスタートする環境にも様々ありまして…。
◯OEM・ODMメーカー出身で、物は担保できるから取り敢えず小売をスタート
◯デザイナーがブランドはスタートしたが品揃え・展開・販促計画が無い
◯卸メインの業態だからそもそもMD設計が無い
◯アパレルのノウハウが無いまま始めたD2Cブランド
などなど。このような場合、とりあえず商品がデリバリーされたらアップロード、という運用になりがちで計画も何もあったものではありません。ブランド力があれば売上は上がるかもしれませんが、消化率を極力上げたり、施策の効果を最大化するには緻密な設計が肝になります。ではこのようなショップ・ブランドはMDが無ければ何も出来ないのか?という事なんですが、応急処置的にやれる事がありますのでご紹介しておきます。
マーチャンダイザー以外で「売り方」を一番知っているのは店舗の販売員さんです。なので、MD設計が無いなら販売員さんにまずコーデを作ってもらいましょう。店頭ごとに各月で在庫が厚いもの、商品のプッシュすべき点などをまとめて、そこからコーデを組みます。雑誌掲載などの販促が決まっているなら優先的にそのアイテムを活用してください。(本来ならオーダーする際に販促は連動しなければなりませんが)販売員さんがいないショップは、出来る限り社内で物への理解がある人が担当するようにしてください。
次に、そのコーデを使ってサイトコンテンツを作り込みます。販売員スナップページでも良いでしょうし、ブログ・特集記事などでコーデやアイテムを紹介しても良いでしょう。
特集を組むなら当該アイテムは「雑誌掲載」や「コラボ・別注」のようなトピックスがあった方が良いですね。アイテムを横断して「コート特集」「ニット特集」を組むのも良いのですが、着用シーンや用途で切り口を尖らせないと効果は弱いでしょう。(こんなやつです↓)
(haco!より引用)
そのシーズンのトレンドや顧客属性への理解も必要になる作業ですので、付け焼き刃ならやらない方がいいですね。
サイトコンテンツには当然、「画像」が必要になるので適時撮影してください。先にコーデ組んでおくとまとめて撮影できるのでスケジュールは組みやすいです。
サイトコンテンツの準備が出来ましたら、次はInstagramと店舗を連動させましょう。ECサイトの更新と共に、フィードに画像を投稿します。インフルエンサー活用をしているのでしたら、同じアイテムをインフルエンサーに着用させてください。
・インフルエンサーの画像を見てブランドのInstagramアカウントを覗きに来た
→この場合、フィードを見てそのままショッピング機能でECサイトへ遷移。なんて導線が作れますし、
・ブランドのフィード投稿を見て、その商品が気になった
→プロフィール欄のURLから遷移。もしくはサイトコンテンツ用にハイライトを追加→各ページへ送客。といった運用で連動可能です。
店舗では当該コーデでマネキンに着せておいたり、IPでコーデ順に陳列したり。プッシュ品番はポップ等でわかりやすく表示させるのも良いでしょう。
これらはあくまで応急処置ですので、本来はちゃんとしたMD設計が必要ですが、「MDを設計するハードルが高い」「そこまでの準備がまだ出来ない」のであれば、やり方次第でそれらしく運用は可能です。ただ、冒頭でもお伝えした通り、オーダーの時点で計画が決まっていなければせっかくの施策が最大化されません。雑誌掲載も、計画していたアイテムが掲載されるのと、編集部がたまたま気に入った商品を掲載するとでは、在庫量に差がある事もあります。お客さんが「この商品が欲しい」と思ったものが適時・適量ある事がEC側にも当然ながら求められますので、ショップ・ブランド運営をされる方におかれましては、将来的には必須の事だとお見知りおきください。
株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。Twitter(@fukaji38)
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