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ダンスミュージックで占う、ファッション販売の未来

こんにちは、働くMAMEです。
最近はすっかり寒くなってきましたね。鍋を囲みながら一杯なんてのもいいですが、寒がりな自分にはこたえる季節になってきました。

さて今回ですが、ファッション販売の未来について私の思うところを書いていきたいと思います。昨今DXやAIが話題になっている中、転職相談では「アパレル販売員という仕事がなくなるのでは、、、?」とか「仕事としての価値がなくなるのでは、、、」という不安な声をいただくことが多くなっております。なので、いつもとは少し趣向を変えて私の好きな音楽、ダンスミュージックの切り口で、考えていることをお伝えしたいと思います。
音楽が好きな方や、仕事について将来不安のある方に読んでもらえれば幸いです。

◯トラックメイキングのデジタル化

まず、上記の相談についてですが、「そうは思わない」というのが私の結論です。
我々が知るだけでも過去エポックメイキングな発明が数多く誕生してきましたが、人の「雇用」にまで変革を及ぼすものや、人の介在価値を否定するほどの影響を与えたものは数えるほどしかなかったように思えます。


話は変わって、音楽/トラックメイキング史においてエポックメイキングな発明の一つに「デジタルシーケンサー」があります。シーケンサーとは演奏データをプログラミング、いわゆる打ち込みするための機材です。これ自体は楽器ではないのでシンセサイザーやドラムマシンなど電子楽器と組み合わせて使用されます。

シーケンサーで打ち込みした演奏データを発信し、接続している電子楽器を機能させればボタン一発でいつでも正確な演奏、トラックメイキングを完結させることができるわけです。シンプルな機能ですがシーケンサーはダンスミュージックの制作には欠かせない存在で、その発展にも大きく貢献することになりました。

デジタルシーケンサーは70年代の誕生以降、次々と新製品がリリースされました。低価格で高性能な製品も誕生し、高校生でもシーケンサーを所有できる時代が到来しました。しかし、高性能化が進む中、(プロは除きますが)世のトラックメイカーは想定していなかった問題に直面します。高性能なシーケンサーで制作した曲だと「踊れない」のです。最新機種で正確無比に打ち込みをしているはずなのに、なぜか無機質なタッチで気持ちも上がってこない。むしろ旧式のシーケンサーで打ち込んだ方がなぜか心地が良い楽曲になる、、、。

この事象の正体は何かというと「分解能」です。デジタルシーケンサーにおける分解能とは4分音符をどれくらい分割して捉えられるかという指標で、ザックリ言うと分解能が高いシーケンサーであるほど正確な演奏が可能となり、分解能が低いシーケンサーでは正確さがやや曖昧になり、人が演奏しているような感覚に近づくことになります。つまり、正確すぎないビートのゆらめきが図らずも生演奏のような「グルーヴ感」を生み出し、聴く者の心を掴んでいたのです。
※ちなみにSP1200という80年代のシーケンサー内蔵サンプラーは中古市場で超高値で取引されております。

現在ではPC1台でかなり高精度な楽曲制作ができるような時代になりましが、ソフト内のシーケンサーはわざと正確さを低くする機能がついており、高性能化に反して目指しているのはアナログ感、上記にあるグルーヴ感です。
ここで言いたいことは、どんなにデジタル化や技術革新が進んだとしても、人はどこかで「人の温もり」のようなものを感じていたいのではないか?ということです。特に音楽、ファッション、アート、映画など感性に訴えかけるものであれば尚更そうなんだと思います。

◯ファッション販売のグルーヴ

話をファッション販売に戻しますが、今後新しい売り方やツールが生まれる可能性は十二分にあると思います。しかし、ファッション販売やそれをマネジメントする仕事がなくなる、価値が低下するかでいうと各種メディアが煽ってくるほど現実的ではないと思います。
音楽好きの楽観と言われるかもしれませんが、歌手がボーカロイドに代替されず、バンドミュージックのマーケットが依然として巨大であることからもそれを推し量れるのではないでしょうか。
なので、将来的に違う職種を目指している方も含めて、ファッション販売に従事している方々は提供している「人の温もり」や「グルーヴ感」に自信を持ってもらいたいなと思います。
自分の仕事の価値を信じて、プライドを持って取り組めば、メディアの煽る未来は塗り替えかれるはずです。また、お客様も温もりのある接客を受け、今後「お気に入り」になる商品を購入する方が幸福度は高いのではないでしょうか。

最後に、私も人の温もりを大事にしながら仕事を頑張るとともに、節制してなるべく多くの商品を販売員の方から購入できるよう精進していきたいと思います。
皆さんの健闘を祈っております。

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