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今週は45週です。(過去30年の)東京の45週の平均最高気温は約18℃。平均最低気温が約10℃となります(週別気温は気象庁データベースからマサ佐藤が調べたものです)。
気温の動向を常にチェックする!ということは、商品の適時投入を常に意識しないといけないマーチャンダイザー(以下MD)にとって、きわめて重要なことになりますが、人の記憶というものはいい加減なもので、意外に気温のことを詳しく検証し記憶している方々が少ないのが、現状ではないでしょうか?また、MDのみならず、販売の現場で仕事に従事されている皆様方にとっても、日々のVMD戦術や在庫戦術を考える上で、気温のことは把握していた方が良い!というのが事実です。ということで、今回はショップの仕事で役立つ?気温の話を、項目別に進めていきます。
話の順序は以下の通りです。
① 11月の気温に関すること
② 何℃で何を着るのか?
③ 最後に~ショップの仕事に従事されている皆様方に意識してほしいこと~
冒頭に東京の45週の平均最高・最低気温について述べましたが、(過去30年の)東京の11月の平均最高は約16.7℃。最低気温は約8.9℃となります。この気温だけを見ると、意外に過ごしやすいのが11月と言えるかもしれません。しかしながら、11月1日は最高19.4℃。最低11.6℃あるのに対して、11月30日となると最高14.2℃。最低6.4℃となります。この数字からわかることは、11月は1か月で5℃以上気温が低下するということです。
因みに、1か月でここまで気温が変動する月は、他には4月と10月になります。また、3・9月も11月ほどではないですが、気温が変動する月となります。更に一つ付け加えると、11月の平均気温に一番近い月は4月になります(最高約19.4℃。最低約9.8℃)。4月はイメージよりも意外に気温が低いとも言えますし、桜が開花する時期(東京だと3月24日頃)の気温は、最高で14.5℃。最低で5.5℃くらいとなりますので、花見の時期はかなり寒いということです。話を戻し、気温の変動が激しい10~11月・3月~4月は、お客様の服装が目まぐるしく変わる月でもありますから、先2週間くらいの気温をチェックした上で、平年と現在がどれくらい差があるのか?ということを確認し、売場づくりの参考にしてみると効果が得られる筈です。(東京は、今週が平年より高めの気温。来週が平年並みくらいに気温が推移する予想が出ています)
意外に知っているようで知らない「何℃で何を着る?」このことでありますが、世の中には暑がりの人もいれば寒がりの人がいる。さらに言えば、男女間で体感に差がある等、気温の感じ方は人それぞれです。しかしながら、一番やってはいけないことは、自分自身の曖昧でしかない体感を真ん中に置き、数字でなく感覚でショップの運営を行うことです。ですので、客観的なデータや資料を基に、一般的な人は「何度で何を着るの?」ということを把握しておかねばなりません。
下記の図は、ウェザーニュースに記載されている「何℃で何を着るの?」というデータから参照したものになります。以下をご覧くださいm(__)m
この図から読み取れることは、最高気温が20℃超えるときもあれば、最低気温が10℃以下になる日もある11月は、着るものにかなり幅が出る!ということがわかる筈です。また、各ブランド・ショップはコンセプトから紐づく顧客ターゲットによって、商品の投入タイミングが全く違います。ですから、自ブランド・ショップの商品の投入計画と「何℃で何を着る?」をということを、しっかりと把握した上でショップのVMD戦術等に役立てると良いでしょう。
因みに、ビームスさんのコンテンツで以下のコンテンツがあります。私もこのコンテンツのファンでよく拝読するのですが、このようなコンテンツも参考にされると良いでしょう!
「ビームスの何℃で、何を着る?」おしえてっ‼‼あまたつー‼‼
また、暖冬の年と厳冬の年では、業績に大きく差が出る場合があります。今年の冬がどうなる?ということが気になる方は、以下の記事をご覧ください。
最後に、ショップの仕事に従事されている皆様方へ意識してほしいことをお伝えします。前述したように、気温に関することは、自分自身の感覚だけに頼ってはいけません。大事なのは、必ず客観的なデータを知ること。そして、数字で把握しておくことです。これは気温に限らず、何事も数字で物事を伝えることを意識しておけば、MDのみならず本部の方々とのコミュニケーションも各段に精度があがります。更に意識してほしいことは、気温に関することを理解する上で、客観的なデータを知るだけではなく、自分自身の感覚を数値化することがオススメです。その際に、1番効果を発揮することは、日々気温に関することと自分自身の行動を日記につけておくことです。日々日記をつけることを繰り返すと、この日記自体が貴重なデータとなり、日々の仕事に活用できます。メモしておくと良い項目は、以下の図に記載しておきますので、そちらを参考にして頂けると幸いです。また、記載されている以外のことも、自分自身で日々記録しておくと更に精度が高まるでしょう。
今回の記事はこれで終了です。この記事が、販売の仕事に従事されている皆様方のお役に立つことが出来れば、嬉しく存じます。
繊研plusさんで、新連載が始まりました。ぜひご覧くださいm(__)m
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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