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早いもので2025年も、もう残すところあと1週間程度。今週で仕事納めの企業も多いと思われますが、年内に片付けておきたいことなどに追われている方もいらっしゃることでしょう。(まだ決算解説の残りやってねぇ…。年明け公開します。)
昨年もやりましたが、今年も気になったトピックスをまとめておきます。昨年の続きみたいなものもそこそこあり、1年経つと様々な状況が変わるものだなぁと。それでは早速見ていきましょう。(もちろん、筆者の従事するEC関連をメインにピックアップしています。)
決算解説でもそこそこ書いてはいますが、大手アパレルの動きは引き続き非常に活発だったかと。以前から報道されていたものが具体的になったり、全く予想していなかった再編が進んだりとチェックしておくべきニュースが盛りだくさんでした。
こちらは以前から一番報道があったものなので、今更感はありますが外せない内容ですね。改めて説明しますと、自社ECモールで他社製品の委託販売で取り扱いを増やしていく取り組みがメインでしょうか。この手のお話、「利益をシェア」というキーワードが出てくるのですが、在庫リスク無しで利益率高いビジネスモデルなのであまりピンと来ません。出店側からすると集客しなくて済むのはとてもありがたいですが、力のあるブランドだと自社の潜在顧客取られるので出店はそこまでオススメしないですね。(他社モールと同じ環境ですからね。)
最も目立っていたのはアンドエスティ(旧アダストリア)ですが、アンドエスティストアの出店・他社商品の取り扱いが加速。と、プラットフォーマー化が顕著になった1年でした。
クレジットカード「and ST CARD」が発行開始 店舗やECの利用で最大9%ポイント還元
(クレカまで発行してましたね…。ZOZOみたいだ。)
大手アパレルの自社EC、他社のブランド並ぶのが普通になってきたなぁ。 pic.twitter.com/AvCqkLsFL4
— 深地雅也 (@fukaji38) October 29, 2025
他社モールとの一番の違いは、リアル店舗を持っていてそこでも商品の展開が可能であること。インフルエンサー販売員が商品を画像・ショート動画でオススメしてくれること、などでしょうか。
ワールドやオンワードなど、アパレルの自社ECモールに他社の商品が並ぶのも珍しいことではなくなりました。一部、買付けなどもあるかもしれませんが。(ウサギオンラインなんかは買い付けているケースありますね。)
TSIの年間5億円コスト削減の舞台裏 Stackが提供するコマースオペレーションプラットフォーム“SQ”とは
昨年はナノユニバースのShopifyへのリプレイスがニュースになっていましたが、今年は同じくTSI HDのmix.tokyoがShopifyにリプレイスして大きなニュースになっています。運用が大きく変わることで必ずしも売上が伸びやすいとは言えませんが、安価で施策が多数打てるShopifyはランニングコストを大きく下げることが可能。レベニューシェアの契約で利益を相当持っていかれていた企業からすると朗報ではないかと。大手の国内自社ECをShopifyにリプレイスする事例はまだ多くありませが、これを機に増えていきそうな気運が漂っています。まずはグローバルサイトから手をつけている企業もちらほら散見されますね。
24年度の物販全体に占めるEC売上のデータが出ましたが、以前と比較して伸び率が低い状況。大手アパレルのEC比率も25%程度でやや下降気味で、ここにきて成長がやや鈍化した様子。アパレル市場規模自体が伸びていないので(直近ではプラスですがコロナ前の水準には戻っていません)、どこかで頭打ちはきますね。いつも言っていまうが、成長ブランドを保有している企業なら年商伸びやすいので、当然ECも伸びやすくなります。アパレル大手だと、唯一EC比率が伸びているのがパルですかね。無双し過ぎで怖いです。(一応、バロックとかも伸びてはいるものの、年商が下がっていたりしますね。)
アパレル市場規模は伸びていないのですから、企業が右肩上がりに成長を目指すとなるとM&Aが一つの手段になる訳ですね。(もう一つが冒頭にあったプラットフォーマー化ですね。)話題になったのはこちらもTSIでしょうか。
TSI HDがデイトナ・インターナショナルを買収 取得額は283億円
(これはたまげましたね。)
昨年末にワールドの傘下に入ったライトオンも、完全子会社化。
ワールドがライトオンを完全子会社化 24年10月にTOB、ノウハウ共有で業績回復加速へ
昨年はオンワードがWEGOを買収して、今期の業績は「買ってなかったらやばかったですね」という状況だとハイキング中のマクドナルドが言ってました。(錯乱)アパレルトップ10が20年前より売上が伸びている、なんて話ですが、今後再編がさらに進むことにより、トップ10が肥大化しそうな流れですね。
ユナイテッドアローズがコーエンを譲渡 ジーイエットと協議開始
(そんな中、逆にお荷物を売るUA)

これは特にニュースになってはいませんが、個人的に気になったのがOMOの効果ですね。クライアントのデータを確認しても、ここがうまくいっているケースは少ないのではないかと。オンワードのクリック&トライが428店舗で売上12億円強。1店舗あたりの月売り48万円程度と、貢献度が思ったより低い状況。
しまむらの店舗受け取りも、EC売上が伸びるにつれてやや比率が下がってきているので、OMOがどこまでうまくいっているか?はしっかり検証した方がいいですね。(ロイヤルティプログラム、お前もだ。)
ECが鈍化しているのですから、当然モールにも影響はあるでしょう。そんな訳でプラットフォーマー側も大きめのニュースをピックアップ。
ZOZO、英企業・LYST LTDの全株式を取得し完全子会社化
Lystってブランド検索して、海外のECサイトに飛ばすというイメージしかないのですが、その中にそのうちZOZOも含まれるという感じになるのでしょうか。(今のところその気配はあまり感じませんが。)
クルーズ、「SHOPLIST」を売却 ファッションEC「nugu」運営のMediquitousに
一時、勢いのあったSHOPLISTがnuguに売却されたのも今年の頭でしたか…。楽天系ショップは業績が悪いブランドが多いとよく噂されていますね。
「イーザッカマニアストアーズ」のズーティー、破産手続きへ 「楽天SOY総合4位」の有力店に何が、業界にも波紋
そんな楽天系有名ショップで、破綻したイーザッカはしれっと復活していて、フジスターが親会社になったようです。
急成長のファッションEC事業「fifth」、AMSが1円で運営会社を買収
モールは関係ありませんが、同様に立ち行かなかくなったストアで言うとfifthがEC支援会社のAMSに1円で譲渡されています。(1円の価値しかない「急成長のファッションEC」とは…。)

このあたりの破綻の要因は以前、考察を書いてますので良かったらご覧ください。
余談ですが、このあたりもちょっと業界を湧かせていた感じありますね…。
東証スタンダード上場ANAPから41億円が流出、大半が金融業者に還流か…疑惑の「資金還流スキーム」を独断実行した前社長は別の上場企業に転身の怪
ラグジュアリーECについては昨年もその変遷を書いていましたが、とうとうSSENSEが逝ってしまわれました…。
カナダ発のファッションEC「エッセンス」が再建に向けて破産保護申請へ
要因は下記と記載あり。
“カナダからの輸入品に25%の関税を課したほか、少額貨物の輸入に対する非課税基準額(デミニミス)ルールの廃止を決定したトランプ政権の貿易政策が起因するとしている”
SSENSE「Matchesが破綻したようだな…」
Farfetch「フフフ…奴は四天王の中でも最弱…」
とか言うてたら(誰も言ってない)、結局残ったのはMytheresa…。(そもそもMatchesを四天王に入れるな。)
Mytheresa、ブランドと組んだ上位顧客向けのイベント開催について決算書に掲載しているしYouTubeでも公開してる。やっている事はラグジュアリーブランドのCRMと同じだし、ラグジュアリーEC上手くやろうと思うとこういうのも必要なんだろうな。 https://t.co/dLaJ7cLQav pic.twitter.com/95ScAUoycu
— 深地雅也 (@fukaji38) April 24, 2025
Mytheresaのリアルイベント開催は秀逸ですからね…。
高級EC「ネッタポルテ」、中国市場から3月20日に撤退 親会社YNAPの買収やECブームの下火などを背景に
Mytheresaが買うユークスネッタポルテも中国から撤退と、ラグジュアリーECはどうなっていくのだろうか…。
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ストライプ創業者・石川氏がアパレル業界に復帰 D2Cの新会社設立
2026年も良い年になりますように!!(今年もお読み頂きありがとうございました)
2月よりFashion Re:ducationによる新たな講義「EC×MD講義」「販売×EC講義」をスタートします(90分×6回)。
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ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。Twitter(@fukaji38)株式会社StylePicks
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