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以前、Shopifyのストア分析について記事を書いたのですが、
Shopifyのストア分析で個人的にめちゃくちゃ便利だと感じてる機能
Shopifyのアップデートがとにかく早いせいで使える機能が増えまくっている様子。便利になるのはとてもありがたいのですが、追っかける方も中々大変ですな。以前、こちらの記事にて「Shopifyは間接効果を測れない!」なんて書いてしまったのですが、ちょっと前から「あれ、間接効果測れるようになってる…。」と驚愕しております。そのうちGAとかいらんようになるのでは?と思うくらいですね。そんな訳で、どのあたりがアップデートで便利になったのか?を書いておきたいと思います。
そもそも間接効果とは?という事なのですが、過去のShopifyのストア分析だと「参照元別の売上」を簡単に確認はできたのですが、そこに至るまでに使われたチャネルは何か?がわからなかったのです。例えば下記のようなケースがあったとしましょう。
雑誌掲載からブランドを認知 → 検索 → ECサイトへ流入 → 離脱 → instagramをチェック → 離脱 → ブックマークから流入 → 購入
この場合、貢献したチャネルとしては検索やinstagramも入るはずなのですが、「Directで購買が発生した」という点しかわからなかったのが以前ですね。それを少し解決してくれるのがストア分析内にある「アトリビューションモデルの比較」です。
購買が発生したユーザーからのクリックの最初と最後を比較する、というもので、ユニバーサルアナリティクスで言う「アシストコンバージョン」(GA4では「モデル比較」)と同じような機能になります。購買に至ったケースで、ユーザーが最初にタッチしたチャネルは何なのか?って事ですね。それがわかれば、そのチャネルの役割が明確になるので、今後の施策立案がやりやすくなります。
ヘルプにも説明はあるのですが、懸念点としては下記ですね。
GAには「ルックバックウインドウ」という機能がありまして、コンバージョンに至ったユーザーをMAX90日まで追跡する事が可能です。アパレルECは月ごとに売れるアイテムが全然違いますから30日程度追うくらいでも十分だと思っておりますが、この機能がShopifyに無いので、購買に至ったユーザーの最初のタッチポイントにいつ来たのか?が不明瞭。(絞り込んだ集計期間内という理解?)
ユーザー判定もCookieベースだとSafari経由はあまりアテにならない点はGAも同様ですが。
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これはあくまで推測ですが、Shopifyでログインしている状態であれば顧客のユーザー判定は正確かと思いますので、常にログインしているユーザーの間接効果は正確なのではないかと思います。(GAの場合、データレイヤーでShopifyのユーザーID拾っていれば同様の事ができるかと。)
あと、GAには「コンバージョン経路」という機能がありまして、何回か再訪しているユーザーは集計期間内のチャネルが全部計測されており、それを図解で確認できます。最初と最後の接点だけでなく、その間にどのチャネルが使われたのか?まで追いたい場合はShopifyのストア分析だけだと不十分ですね。
とは言え、間接効果の指標が一応確認できるのはありがたいですね。参考程度の情報にはなってしまうのですが、どのチャネルが認知獲得に使えて、どのチャネルがクロージングに効果的か?を簡単に検証する癖をつけておきましょう。
コホート分析もGAには元々ある機能なのですが、こちらもShopifyで確認できるようになっております。コホート分析は初回購入者の維持率の数値ですね。月ごとにどの程度のユーザーの購買が維持できているか?を確認したい際に使います。Shopifyの「リピーター」の定義は、ストアがスタートしてから2回以上購入したらリピーターとして認定されてしまうので、初回購入から直近の期間でどの程度リピートを促進できたか?をパッと確認したいならコホート分析の方がわかりやすいかもですね。新規流入施策後、メルマガシナリオやロイヤリティプログラムでどの程度の効果があったか?を検証したい時に使うのが良いでしょう。
コホート分析もより細かく計測したい、という場合はGA4を使うのが良いでしょう。
購買以外のリピートの条件も選択可能で、セグメント機能も活用できます。キャンペーンを実施後、ちゃんとリピートしてくれているかどうか?を検証したい場合などは重宝します。
こちらも以前は全くと言っていいくらいわからなかったのですが、改善されていますね。(見落としていただけかもしれませんが)
「上位オンラインストア検索」という項目でサイト内検索が確認できるようになっています。これ、いつアップデートされたんや…。GA4では最近、設定がとても簡単になりましたのでGA側での取得も進みそうですが、ユニバーサルアナリティクスの時は結構、取得できていないECサイト多かったんですよね。(クエリパラメータを設定するだけなのですが)これがShopifyで計測できるのはありがたいですね。ゆらぎ検索(表記違い)も計測していますので、どの語句が間違いやすいのかもわかります。(先日のアップデートの発表見る限りでは、ゆらぎ対策をデフォルトの機能でやっちゃうらしいです。ZETA SEARCHいらんやん…。)
これもいつからあったのか定かではありまえせんが、ランディングページの検証は可能ですね。
これが見れるならsearch consoleと絡めて、検索流入にて「どのキーワード」で「どのページへ流入したのか?」を追う事が可能ですね。チャネル別で効果が見れますので、instagramからどのページにどの程度流入し、そこからどの程度が購入したのか?も確認できます。これでギフティングやインフルエンサーマーケのようなクソ施策ばかり勧めてくる怪しい業者に引っかかってもShopifyだけで検証できます!
さらっと確認してみましたが、無料のストア分析でここまで見れるのはちょっと驚異ですね…。デフォルトの機能もめちゃくちゃ充実してきておりますので、Shopifyのアップデートで死ぬ企業がどんどん出てきそうな気がしております。GA4は覚えるのに時間がややかかりますし、そこまで細かいところまで見ないという方は本当にShopifyのストア分析だけで十分になりそう…。計測ツールはCookieでユーザー判定しているケースが多いので、AppleやGoogle次第ではユーザー判定があてにならず、Shopify側で購買ベースのデータで計測し、施策立案していく方が良くなってくるかもしれません。
株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。Twitter(@fukaji38)
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