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最近、EC界隈でにわかに盛り上がりを見せるshopify。筆者はEC構築の事業はやっておりませんので、普段Twitter等で飛び交っている情報にはそんなに詳しくはありません。が、shopifyを使ったアパレルECの運用ならそこそこの経験がございます。そんな筆者が、shopifyでのEC運用で非常に便利だと思うのが分析ツール。
shopifyの分析ツール、個人的にはパラメータふっておけば広告経由でどの商品をどのお客様が買っていったか、新規とリピーターの内訳もすぐ出せるのがめちゃくちゃ重宝してる。
/shopify #058 分析ツールからサイトを見る|北山 浩 @rossi_kitayama #note https://t.co/t8WYzrpJdI
— 深地雅也 (@fukaji38) July 5, 2021
エースの北山さんの記事にも分析ツールの解説が記載されていましたが、確かにこれを使えばMD関連に必要なデータも取れたりします。そこで今回は、開発者やマーチャント目線とは全く違うshopifyの分析ツールの活用法について簡単に記載しておこうかと思います。
shopifyでは、
ストア分析 → ダッシュボード
にて「リピーターの割合」が期間を絞るだけで勝手に計算されています。リアル店舗でもECでも、小売はいつでも「新規獲得促進」と「既存顧客のアップセル」が課題になるでしょう。アパレルはMD設計によるシーズン区分でリピート率・リピーターの購買頻度・金額は変わりやすいですが、それを理解した上でこのツールを活用してKPI設定しておくのも良いでしょう。リピーターの平均での購買金額を抜き出したい場合、
顧客管理 → 「リピーター」のタブを選択 → 「詳細な絞り込み」で期間を設定
※アップデートがありましたので記載しておきます。↓
(上記の絞り込みで「直近1年間に2回以上の購入があったユーザー」を絞り込めます。)
これで集計期間中のリピーター売上を抜き出すことが可能です。個人的にいつも実行するセグメントは「2回以上」「3回以上」「4回以上」「5回以上」と年間での購買頻度別で算出しておき、初回購入者へ向けてのアプローチがどの程度効果があったのか?などを確認しております。ECで指標としてよく出てくる「F2転換率」もここと同じ考え方ですね。データをCSVで落としてリピーターの平均の購買金額を算出もできますし、シーズンや年間の目標売上を設定する際に重宝します。
会員ランクを付けておき、そのランクごとに売上を計算したい場合は、
こちらのアプリを導入するだけで実現できます。年間売上の目標設定は下記を参考にして頂ければ幸いです。
ストア分析 → 在庫 → 在庫販売率
ここを見ると、期間中の各商品の販売率がSKU別でわかります。もちろん、サイズ・カラー別で算出されますので、シーズンごとのヒット率が簡単に算出できてしまいます。MDの視点だと、カテゴリー分けのルールをしっかり設定しておかなければ使えないデータになる可能性もありますが、ここのルール決めさえしっかりやっておけば、EC上での傾向を掴むには非常に便利なツールになり得ます。複数ブランドの取り扱いがあっても、「ブランド別」のデータも簡単に算出できますし、ざっくりとどのアイテムがどのくらいの在庫量を持っていればどの程度の売上になった、という目安もわかりますね。売上原価まで登録できますので、セールやっても粗利が自動的に算出されますから、下手な需要予測のサービス使うくらいならこちらを使ってる方がお金もかかりません。スマレジと連携しておけば実店舗の分析まで同時に可能という超絶有能な機能なのです。
ストア分析 → レポート → 売上 → 商品別売上
をクリックし、「表示項目の変更」にて「UTMキャンペーン名」をクリックすると、どのキャンペーン(広告やメルマガなど)からどの商品が売れたかがすぐ出せます。さらに、
ストア分析 → レポート → 売上 → お客様名別売上
では、どのキャンペーン経由でどのお客様が購入されたのか?も出せます。(こちらも「表示項目の変更」にて「UTMキャンペーン名」をクリック)さらにさらに、
ストア分析 → レポート → 顧客 → 新規のお客様とリピーターへの販売の比較
では新規とリピーターの内訳も出ます。(こちらも「表示項目の変更」にて「UTMキャンペーン名」をクリック)
「注文ID」を表示させる事も可能なので、データをダウンロードして紐づけてしまえば全て集約も出来ますね。
これ、Googleアナリティクスだと
コンバージョン → eコマース → 商品の販売状況(セカンダリディメンションで「キャンペーン」を選択)
これでキャンペーン経由で売れた商品は出せるのですが、どのお客様と紐づいていて、更に新規かリピーターかを確認は出来ません。(標準機能だと訪問ベースでの新規・リピーターは出せますが、購買ベースだと不可。また、safariはファーストパーティーCookieを7日で削除するので、そこまでアテにならないというのもあります。GAと顧客データの連携は、やろうと思えば出来るのですが、結構な手間がかかります。)ユーザーエクスプローラーを確認して、どのIDがshopify上のどの注文データと同じなのかを確認していけば出せるのですが、めちゃくちゃ時間かかるので、shopifyの分析ツールが重宝するのです。
※Google広告の自動タグはshopifyでは検出されないようなので、その場合は広告経由で誰が何を買ったかはわかりません。手動でパラメータを設定すると追うことは可能ですが、広告担当者が推奨しないケースもありますので、社内で相談してから決めるのが良いでしょう。
特筆すべきはこのあたりでしょうか。もちろん、他にもよく使う機能はありますが、特に活用しやすいところを抜粋してみました。ここまで書いておいてなんですが、ではshopifyの分析ツールだけで事足るのか?と言われますと、そうでもありません。例えば「サイトコンテンツの効果検証をしたい」「チャネルごとの間接効果を見たい」というような要望がある場合、ヒートマップやGoogleアナリティクスのようなweb解析ツールの方が詳細は見れます。しかし、カートの管理画面でこれが使えてしまうのは、筆者のような運用ばかりやっている人間からすると非常にありがたいのです。「分析ツールがあるのは知っているけど、使い方がいまいちよくわからない…。」という方は是非参考にして頂ければと思います。
株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。Twitter(@fukaji38)
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