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マーチャンダイザーにとって重要な数字指標とは?

★マーチャンダイザーの仕事とは?

マーチャンダイザーの仕事とは?

”お客様の欲求・要求に適う商品を適切な数量・価格・タイミング等で提供すること。”

と言われています。特に大事なのが、適う(かなう)・適(てき)という字です。自分たちのブランド・ショップのお客様像を具体的にしたうえで(顧客ターゲット)、マーチャンダイザー(以下MD)はお客様に対して、5つの適うこと(適品・適所・適時・適品・適価)を実践・実現しなければなりません。

そんなMDの仕事において、評価基準となる重要な指標は?

〇売上
〇粗利益
〇在庫回転率

他にもあるとは存じますが、個人的に重要であると感じるのは、この3つです。今回の記事は、上記の指標が何故MDにとって重要なのか?を、簡単に解説していきます。

〇売上

アパレル・ファッション小売業の仕事に携わると、最初に認識する目標数字が売上になります。これは、MD以外のどの職種に就いておられる方も同様です。改めて、売上とは?を説明致しますと。商品を販売・サービスによって得た代金のことです。
また、実店舗やECの仕事に携わる方々にとって、売上=(買上)客数×客単価という、売上の公式を活用した目標設定・管理は、売上向上の有効な手段となります。その中で、特にMDにとって重要な指標は?

・(買上)客数
・1点単価

となります。

・(買上)客数

客数は、そのまま意味で考えると、(ブランド・ショップ)ファンと同等であると捉えることができるので、客単価がアップして売上が上がっていたとしても、客数がダウンした場合は、MD的には限りなく赤に近い黄色信号が灯っていると、考えた方が良いでしょう。

・1点単価

1点単価の計算式は?売上金額÷売上点数になります。上述したMDの5滴に”適価(適格)”があります。ですので、1点単価が過去同月比±10%を超えている場合は、悪影響がある可能性が大です。それだけ、お客様は価格に対しての意識が高いからです。また、1点単価がマイナスの場合、粗利率が同様にマイナスになっていれば、お客様が商品に価格以上の付加価値を全く見出していない可能性大ですから、MDそのものの見直しが必要となります。

〇粗利益

粗利益は、MDにとって売上以上に大事な目標数字です。そして、MDが達成しなければならないのは、粗利益高の目標達成であり、粗利率の目標達成ではありません。しかしながら、粗利率もMDにとっては大事な指標になります。では、粗利率・粗利高それぞれにどの点に注意を払えばよいのか?を、以下纏めます。

・粗利率

→率が高いと低い売上でも(損益計算書が)黒字になりやすい。
→セールをして商品を売ると粗利率が下がる。
→言い換えれば、セールをしなければ粗利率は高い。

・粗利高

→組織そしてMDが目指すべき指標。
→粗利率が目標に達していても、粗利高が目標に達していなければ全く意味がない。

となります。特に、粗利率の上下と在庫の多い・少ないは、密接に関係しますので、MDは粗利率の推移を日々追うことが重要となります。繰り返しますが、MDが目指すべきは粗利益高の予算目標を達成することであり、粗利率の目標を達成することは、粗利益高の予算目標を達成する有効な手段である!と考えてください。

〇在庫回転率

最後は、在庫回転率です。

在庫増える→仕入(お金が出ていく)>売上(お金が入る)→お金が減る!

というように、在庫の増減は組織のキャッシュフローに多大な影響を与えます。在庫関連でキャッシュフローの良し悪しを表す指標は在庫回転率となりますので、在庫回転率はMDにとって重要な指標となるわけです。在庫回転率の計算式は?

(期間)売上÷(期間)平均在庫となります。

この式に、売価・原価・点数とどれを当てはめても良いのですが、実態を一番反映するのは点数です。ということは?売上点数があがれば、在庫回転率はあがります。しかしながら、売上点数を上げる手段として、値引・割引等の売価変更施策が、有効な手段となりますから、在庫回転率が上昇しても、粗利率が下がっていれば、目指すべき粗利高を確保できない可能性も高まります。更に言えば、粗利率の高さばかりを気にしていると在庫が大幅に増加する場合がありますので、粗利率と在庫回転率は連動してチェックしておくことが重要です。
(交差比率(粗利率×在庫回転率)という指標は、そのためにあるといってよい?)
また、ブランド・ショップにとっての適正な在庫回転率を算出するには、組織の特徴を反映したMD予算設計を行う必要があります。このことを実行しない限りは、組織にとっての適正在庫などわかる筈がない!ということも理解していおきましょう。

★消化率という指標を使用する際の注意点とは?

最後に、消化率という指標ですが、これは販売期間を設定した商品には有効となります。しかしながら、商品の販売期間の設定が曖昧だったり、販売期間がない”継続商品”等に消化率という目標を定めても、あまり意味のないものとなってしまいます。また、消化率という指標は、販売期間の期間の切り取り方で、目先をごまかすことが出来る指標でもありますので、この指標を使用する際は、(組織として)販売期間の定義を具体的に決める必要があります。更に言いますと、商品の売価を下げれば、消化率は高まりますので、消化率という指標を重要指標にするのらば、粗利率目標と併用すると良いでしょう。ということで、今回の記事は終了です。

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