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マーチャンダイザーの仕事の中で、一番大事なのは?当然のことながら、
”売れる商品を仕入れる。作る。”
このことになるのでしょうが、意外の仕事で重要な仕事の一つに、予算設計があります。
どこのブランド・ショップも、次期・来期のシーズン・年等でディレクションを行っている組織は多いことでしょう。しかしながら、そのことがただ単に、”絵に描いた餅”でないようにするには、そのことを数字として表現しなければなりません。
そして、自ブランド・ショップのコンセプトに沿った顧客に対して、”意志”と”仮説”を示すことが、MDにおける予算設計であると言えます。
その予算設計の中で、重要になってくるのは、5滴で言えば、”適品””適時””適量”になります。
ここで、簡単に予算設計の例を以下示しますと。
・冬商品の販売期間は11月~1月の3か月。その期間の売上は1億円。(適時)
・その期間のニットの売上予算構成は20%。売上金額は2千万円。(適品)
・ニットの販売価格はセール想定までして、8,000円。(適量)
すると?ニットの必要仕入枚数は?2,500枚になります。
このような具体的な数字が事前に出ておけば、よっぽどのことがない限り、バカみたいに在庫を余らすこともありませんし、生産管理との連携も密にとれていれば、納期遅れも減ります。
では、何故上記のようなことな具体的な数字が出てくるのか?と言いますと。それは、組織として商品コードの体系がしっかりしているということにも繋がります。当然のことながら、アパレル小売の組織であれば、商品コードのルールや管理・運用が現状なされていることでしょう。
ここで話は変わり、先日あるアパレル小売りの決算関連の記事を見ていると、以下のように記載がありました。
私は、この組織の部門構成に大いに疑問を感じました。
ここで、まず部門の説明をしておきますと。言ってみれば、大分類と捉えても良いのではないでしょうか?
中分類は品種・カテゴリー。上記の例で言えば、シャツ・ニット・カットソーと更に分類するということ。多くの組織は、おそらくこの単位でMDの予算設計をしていることでしょう。
更に、小分類は。シャツで言えば、半袖・長袖・素材等。更に細かく分類することもできます。顧客の心理・消費行動を深く知りたいのであれば、このことまで分析すると、とくに商品の投入タイミングの参考になります。
話を戻すと、前出の組織の部門構成に違和感を感じることは、この部門構成は、顧客目線ではなく、生産者目線なのでは?という疑問が湧く。ということです。
上記の部門構成を別の言葉で言い換えると?
ボトムス部門。編み物部門。布帛部門。と言いかえることができます。
生産者目線で言えば、このように部門を分類した方が、納期管理等に良い影響があるのでしょう。しかしながら、顧客目線で考えば、そのことが顧客の心理を反映出来ているのか?と疑問に感じざるえませんし、この組織は、そのような意識が低いのでは?と言わざるえません。
そもそも、部門売上構成というものは、ある意味ブランド・ショップコンセプトとイコールであることが望ましいことです。
ですから、部門の売上構成が変わる可能性があるということは、そのブランド・ショップのコンセプト自体が大きく揺らぐものとなってしまい、売場そのものが顧客から見れば、別の店に感じるからです。
部門の次の品種・カテゴリーの中で、トレンド等の顧客心理を表現することが重要です。
最後に、普段何気なく使っている商品コードが、よくよく考えたら自分たちのブランド・ショップの顧客の心理が反映できているのか?と一度立ち止まって考えてみたときに、そうでないのであれば、再考することをオススメして、今回のブログは終わりにします。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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