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私は、仕事の都合上。クライアントの資料や、上場企業の決算分析等で、色んな数字に関する資料を目にする機会が多くあります。
規模の大きい組織になればなるほど、その数字はドンドン小さくなっていきますし、資料も何枚もあったりもします。例えば、上場企業の有価証券報告書などは、事業展開が多ければ多いほど、その資料の枚数は増えていきます。おかげで、現在ではすっかり老眼鏡が欠かせぬ身となりました。
(ハズキルーペではない。)
MDの数字関連の資料も、似たようなものです。規模の大きい組織は、資料の字が小さい上に、枚数が多くなりがちです。
実際、MDの仕事も商品面と数字面を分業して、行っている組織も多くあります。
特に数字面担当の仕事の人は、様々なExcelテクニックを駆使し、資料作りで、商品面の仕事のディレクター・バイヤー。その他の人をマウンティングで攻撃する様もしばし見かけたりします。
(数字だけなら、自分より優れている人はごまんといる!)
そもそも、ディレクター・バイヤーが全く数字が読めない。興味を持たないという愚行を犯す人は、その職に就くべきではないですが、全く商品に興味を持たず、数字分析だけの仕事で、他者にマウンティングするのも、これはこれで問題です。
数字は事実ですが、実際数字を表面的だけで捉えた分析では見えないことが、小売業。とくに、ファッション・アパレル業界ではたくさんあります。
例えば、売れている商品でも?
・その商品は、顧客が即決して買ったのか?良い場所に出して、接客してやっとこ売れたのか?
・3色展開だが、実は色展開を変えればもっと違った動きになったのではないか?
売れていない商品の場合は?
・売れていないが、実は試着は凄く多い。
・その要因は、価格なのか?デザインなのか?パターンなのか?
上記のようなことは、数字で表せるものではありません。
大事なのは、資料や分析ツールとしての数字に”疑い”をもち、仮説を立て、そのことを検証することで、顧客の心理を読み、より多くの顧客の要求・欲求に応えられるように、先の未来を変えて行くことです。
そのためには、店舗に多く足を運ばなければなりませんし、自ブランド・ショップの顧客像に近い人を常に観察しておかなければなりません。
数字から顧客心理を読む。現場から数字の盲点を探り、次の商品計画に繋げる。
このことを相互に繰り返すことによって、はじめて数字を分析する。という意味が出てきます。
えてして、アパレル・ファッション業界は数字に弱い業界とされます。
しかしながら、数字だけ強くても、アパレル・ファッション業界の未来を良くすることにはなりません。要は、数字から商品から顧客から、見えることを結びつけて考える。
そして、変えられない過去ではなく,先の未来をよりよいものに変える努力をする。このことが大事なのではないでしょうか?
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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