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今回自分のブログページにての初の投稿になります。皆さまよろしくお願いいたしますm(__)m
先日、以下のブログを書きました。
”付加価値=粗利益??”
のブログはOFF率の制限を例に、粗利率を交えショップ・ブランドの付加価値というものについて記述していますが、今回も改めて”付加価値”をテーマにブログを記述していきます。
前回も書きましたが、会社会計上の概念は粗利益が多い。粗利率が高いほど”付加価値”が高いと判断されます。
その付加価値が顧客に認められれば、組織の粗利率は上がり、粗利益も多くなる。そして収支も向上します。
私は仕事上。色んな組織の人と話す機会に恵まれていますが、この業界における品揃え政策における数字の考え方というのは、いまだ浸透していないな。と感じます。
例えば、どこの組織にもMD・バイヤーには(仕入)原価率の設定ということがなされている筈です。
しかしながら、仕入原価率は低くする努力をし低くなったが、結果的に売上原価率(粗利率が低い)が高くなってしまっては、多くの商品がセールで売られているということになり、顧客はそのブランド・ショップの商品に魅力を感じていないということになります。
また昨今。原価率の高さを売りにしているブランド・ショップがありますが、これは最初から”うちのブランド・ショップの商品には全く付加価値がないよ!”と。言ってるのと同義です。
また、生産枚数が少量であれば、原価率=商品クオリティの高さとは全く関係性がないものとなります。(これはこの業界の仕事の携わっている人であれば、このことは誰もが知っている筈です。)
私が嫌いな表現を使えば、ショップ・ブランドをローンチ(笑)したばかりのブランド・ショップの商品は店舗数が少ないから、(仕入)原価率高くて当たり前田のクラッカーなんだよ”と。(笑)
MD的な理想で言えば、より値入をよくする(仕入原価率を下げる)ことが、MDの仕事の目的である、売上・粗利益をより多く獲得できる近道であり、また、できるだけセール施策を抑え、元売価での販売がおおくなれば、自ずと粗利率があがり、収支も向上します。
先日。友人である南充浩さんが以下のツイートをされていました。
高い服だから長持ちするという考え方は必ずしも正しくない。繊細で作りにくい生地を使っているから高いということもある。高い服=長持ちするという考え方を消費者に根付かせるのはデメリットで、繊細な生地の需要を減らす。ワーキングユニフォームは長持ちするが安価である。これをどう説明するのか?
— 南 充浩 (@minamimitsuhiro) 2018年10月9日
このツイートを見方を変えて考えると”長持ちする服”と言うだけでは、価格面の付加価値とはならない。ということにも捉えることができるように思います。
確かにユニクロや無印の商品は長持ちします。また、高い服が長持ちしないなんて経験も皆さんには多くあることでしょう。
しかし、逆に長持ちしなくても、その生地の洗練さや、見た目の柄・色の可愛さも十分付加価値たるものになりえるということです。
(そのような部分でのクラフトマンシップ等が付加価値になる可能性がある。)
以前にも書きましたが、藤原ヒロシさんが携わっているだけなのに。また、シュプリームというロゴがついているだけなのに、工業製品としてみた服の値打ちは低くとも、そのことが付加価値となり、多くの転売ヤーが列をなします(笑)。そして高い価格で売れ粗利を多く取ることができる。と言う流れができあがります。
ある意味。一人カリスマの知名度。長年培ってきたブランドの歴史と信用。その市場における浸透度・知名度自体が付加価値となりえたるものとなります。
以外にも売場の内装。接客サービス。デザイン。生地。パターン(素人目で優れている)・付属。キャラクター・ロゴ等。その他多くあるとは思いますが、付加価値となりえたるものではないでしょうか?
逆に言えば、この業界が付加価値としてよく利用する?日本製。産地等は寧ろ付加価値として顧客に認められづらいものだということも考えておかなければなりません。
MDにおいて”適格”というものは、そのブランディング・ディレクションにおいて最重要なものの一つです。顧客からみて価格を連想させることができない、ブランド・ショップは存在しないも同様のことです。
この業界では原価率ありきで価格を決めたり、原価率を死守することが目的となっているブランド・ショップがまだ多く存在します。
結果的に、そのことで、(仕入)原価率は低く抑えられても、結果的に過度なセール。タイムセール・クーポン乱発で、そのブランド・ショップの持つ付加価値など吹き飛んでしまいます。
もっと厳しい言い方をさせて頂ければ、顧客に付加価値を与えられる材料がないのであれば、最初からブランド・ショップビジネスなど止めておけ!ということです。
だからこそ、今一度自分たちのブランド・ショップのコンセプト。そして元々持っている長所を鑑みて、改めてブランド・ショップ。また商品そのものの”付加価値”を見直し、顧客にとって本当に魅力ある商品とは何か?を考えるきっかけになれば幸いです。ということで今回のブログを終了します。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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