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今年1月21日に開催された「Fashion Re:ducation」無料セミナーにて、参加者の方から次のようなご質問をいただきました。(*2月13日も開催いたしますので、ご興味のある方は下記リンクよりお申し込みくださいm(__)m)
https://forms.gle/n38DTpSzRsSc8MxEA
自社ECでセレクトショップを運営していますが、次々と新商品が入荷するため、注力したい商品がどんどんページの後方に埋もれてしまう。このような場合、どう対応すべきでしょうか?
というご質問です(ご紹介した質問は私の記憶が曖昧な部分もあります)。今回の無料セミナーは、2月から開講する(EC主導の)連動講義「EC×販売」「EC×MD」講義の募集も兼ねていたため、まずはEC担当の深地さんが「ECの視点」から回答いたしました。しかし、このお悩みを「MD的な側面」から捉え直すと、実は運営されているショップが「(意図せず)商品の販売期間を短く設定してしまっているMD」に陥っていることが見えてきます。(*このようなことは、過去記事でも取り上げていますので、ご興味のある方は下記の記事をご覧ください)
先ほど挙げたEC運営の悩みと同様の傾向は、地域に根ざした個店経営のセレクトショップにもよく見られます。その最大の特徴は、1SKUあたりの発注数が1〜2点と極めて少なく、その反面、シーズン中に投入される総アイテム数が非常に多くなる点です。しかし、この「多品目・少量仕入れ」という構造こそが、MD的には「商品の販売期間を(意図せず)短縮させている」根本的な原因と言えます。
例えば、半期の売上目標が1億円、商品単価が18,000円のショップを想定してみましょう。 仮に半期で投入するアイテム数が「1つ」のみ(=半年間、1種類の商品だけを売る)だった場合、1億円÷18,000円≒5,556点 となり、1アイテムにつき約5,556点を販売する計算になります。対して、半期の投入アイテム数が「500」だった場合はどうでしょうか。1億円÷500=20万円 (1アイテムあたりの売上額)、20万円÷18,000円≒11点(1アイテムあたりの販売数) となり、1アイテムあたりわずか11点を売れば役割を終えてしまうことになります。アイテム数が増えるほど、1つひとつの商品の販売期間がいかに短くなっていくかがお分かりいただけるでしょう。
こうしたMD設計がもたらすメリットとデメリットを整理すると、主に以下の点が挙げられます。
最大のメリットは、「店頭の鮮度」を高く保てることです。 1つの商品が売り切れるスピードが速いため、常に新商品が並んでいる状態を維持しやすくなります。これをECに置き換えれば、「トップページに掲載される商品が頻繁に入れ替わり、ユーザーを飽きさせない」という状態に繋がります。 また、一般的には在庫回転率が高まりやすいという側面もあります。
一方で、投入アイテム数の増加は、販売現場やEC運営における作業負担を増大させます。実店舗であれば、頻繁な完売に伴い、1日おきのようなハイペースでレイアウト変更やVMDの再構成を余儀なくされます。またECにおいても、撮影・採寸・原稿作成といった「ささげ作業」の件数が膨大になります。掲載数が増えるほど、比例してスタッフの業務が圧迫される点は無視できないリスクと言えるでしょう。また、無視できないのが利益構造への影響です。1アイテム辺りの発注数量が少ないということは値入率の改善が難しく、高い粗利率が望めないという点も付け加えておきましょう。
ここまで、多品目・少量仕入れを主体とするセレクトショップのメリット・デメリットを考察してきました。重要なのは、自社のショップやブランドの特性を正しく把握した上で、強みを活かしつつ、いかにデメリットである「作業負荷の増大」を、少しでも解消する策を講じるかにあります。「自分たちのショップやブランドにとって、真に必要な仕組みは何なのか」。本記事が、自社のMD設計や運営体制を改めて見直すきっかけとなれば幸いです。
2月21日よりFashion Re:ducationによる新たな講義「EC×MD講義」をスタートします(90分×6回)。今回の記事をご覧になって、
講義に興味を持ってくださった方は、是非下記のリンクよりご確認お願い致しますm(__)m
https://style-picks.com/collections/fashion-reducation-short/products/md-ec-lecture

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【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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