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アパレルECで気温や天候の変化に対応するにはどうしたら良い?

この春夏もようやく梅雨入りしそう…、ということで例年より遅い梅雨入りで、直前までやけに暑い日が続いております。昨年の秋冬から、このような気温推移によって売上不振になったアイテムも多かったと思うのですが、こればかりはMDの要素になるのでEC側で対策できることがかなり限られてきます。

では、そのあたりは放置しているのか?

と言われますと、可能な限りやれることはやりますし、「そこまで売上インパクトは期待できないが、やらないよりやった方が良い」ことは全てやるのが筆者の方針なので、もちろんギリギリまでジタバタしています。では、どのように対策しているのか?ですが、もちろんデータを確認しつつ、比較的販売の確率が高いであろう商品をプッシュするようにしております。そんな訳で今回は、筆者が週次で確認しているデータ及び、それを確認した後の対策について書いておきたいと思います。

◯チャネル・参照元別のランディングページ

まずはチャネル別・参照元別でのランディングページの確認から。ランディングページは主に、商品ページ・記事コンテンツなどを確認するのですが、どの商品への流入が多かったのか?また、チャネル別ではどのランディングページ経由で効果が高かったのか?などを確認します。

例えばチャネルごとにお客様にプッシュした内容が違う場合、流入が促進されるページは変わりますし、その結果効果が高かったページはどこなのか?を確認する必要があります。一方のチャネルで効果が高かったプッシュがあるにも関わらず、別のチャネルで訴求していない、なんてことがありますと機会損失しているかもしれません。訴求が甘かったチャネルにてプッシュを強化することで売上対策が可能です。(メルマガ経由で「ランキング」の訴求にて効果が高かったのに、SNSではプッシュできていない、など。)

また、効果の高い記事コンテンツなどもデータからわかりますので、instagramのストーリーズ(リンクスタンプ)から送客を強化したり、メルマガの件名にしてみたり、LINEのリッチメニューに設置したりと、記事コンテンツでも容易に対策は可能です。

◯アイテムカテゴリー別のセッション・売上推移

GA4でアイテムカテゴリーを取得している場合、EC側で設定しているカテゴリー別のセッション・購買状況が探索レポートで確認できます。こちらを週単位程度で見ておりますと、気温の変化や販促施策によってアイテムカテゴリー別でどのような変動があったか?を追うことが可能です。天気や気温予報は2週間先くらいまで調べておき、それを元にアイテムカテゴリー別のプッシュ施策を検討。実行後に効果を検証するという流れですね。昨年の気温推移とカテゴリー別のセッション・売上を確認しつつ、今年度の気温ならどのアイテムカテゴリーが効果が高そうか?を考える、という習慣も身に付きます。

また、アイテムカテゴリーを適当に決めてしまい、それをそのままデータで取得しても精度の高い施策立案はできません。

カテゴリー選定はMDにおける重要な部分

そのあたりはマサさんの記事が詳しいのでこちらをご覧ください。何度も言いますが、ShopifyのGoogle &YouTubeにてGA4を設定している場合は「商品の販売元」と「商品タイプ」がGA4側でも計測されますので、精度の高い分析をしたい場合は設定をお忘れなく。(これを設定しておりますと、ストア分析側でもカテゴリー別の売上を簡単に出すことができます。)

それ以外にも、セグメント機能でチャネル・参照元別でどのアイテムの効果が高かったか?も確認できます。

例えばGoogle広告のP-MAXは広告を自動で最適化してくれる便利なサービスではあるのですが、気温の推移によってアイテムカテゴリー別の流入を調整してくれるか?と言いますと限界はあります。そんな訳で、P-MAX経由でカテゴリー別の効果を見つつ、売上が取れそうなアイテムなのに流入が促進されていないものがある場合は、別のキャンペーンで流入を促進する、などのような措置が取れます。

◯商品詳細ページ別の閲覧数×アイテムごとの購入数

こちらは、商品ページのPVとその商品の購入数を確認しつつ、

PVは多かったが売上が取れていない → ページ側に課題が無いか調査

PVが少ない割りに売上は取れている → 露出を増やす

という対策が可能です。データの取得方法としては、GA4にてアイテムの閲覧数と購入データを探索で組み合わせてレポート作成するか、BigQueryで同様のデータを抽出しても良いでしょう。

当然、売れ行きは在庫数にも左右されてしまいますから、可能であれば在庫データをデータレイヤーで取得しておき、商品ごとの平均在庫も合わせて出しておきましょう。(カート側が商品ページで在庫数を出力している場合、データレイヤーで取得可能。BigQueryで平均値を算出→Looker Studioで確認、というような対応が可能です。)

露出の増やし方は先ほどと同様、広告、メルマガ/LINE、SNSでプッシュするという流れになります。

◯Google検索・サイト内検索の推移

Google検索やサイト内検索はユーザーのニーズがそのまま反映されておりますので、それらのデータから「何が売れやすいか?」を予測します。Google検索であればsearch consoleにて前週と今週でどのアイテムカテゴリーの検索が増えたか?を確認します。サイト内検索も同様、どのカテゴリーが上位に来ているか?を確認し、検索が多いアイテムはスタッフのコーデを増やしたり、それらを活用しつつブログを執筆。トップページ等で露出します。

もちろん、検索されているのはアイテム名やカテゴリー名だけでなく、着用シーンや機能性、生地名なども検索されております。それらを確認しつつ、どのような訴求なら購入の確率が高められるか?を模索します。検索されているのにページ側で対策が取れていないキーワードがあれば、商品にタグを付与しつつ、トップページ等でタグを表示。一覧ページへ遷移しやすくしておきましょう。

 

筆者の週次の対策を書いてみましたが、身も蓋も無い話をすると、お客様がそのアイテムやアイテムカテゴリーを欲していたとしても、商品自体に魅力が無ければ当然ですが購入に至りません。あくまで確率を高める、という手法になりますので、いつも思いますがEC側だけで売上対策するというのは限界があるなぁと。とは言うものの、細かく対策を取ろうと思うとデータの確認は必須なので、そこそこ型数があるブランド・ショップは上記のようなデータを見ておいた方が良いでしょう。(データ取るのにハードル高いものもありますが)具体的なやり方をレクチャーしてくれ、という方はこちらからご相談ください。

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