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やっと気温が下がってきて秋めいてきました、と書きたいのにちっとも秋めいていない!ここ数年の平均気温の推移を見てみると、今年は特に暑く、昨日(9月11日)の山梨県勝沼の気温は36.4℃を記録、最低気温も25℃を下回らず、寝苦しい熱帯夜となりました。
F/Wシーズンの立ち上がりは、S/Sよりも単価の高い商品が多いことに加え、消費者にとっては真夏に抑圧されたレイヤード的なコーディネートが組める季節でもあります。そういった意味でも非常に重要なシーズンはじまりであることは間違いないですが、この暑さでは本当に手の施しようがない、といった印象を受けます。
衣料品の実需における気温条件は
春:最高気温が15℃を上回る日が続くと春物需要が高まる
夏:最高気温が25℃を上回る日が続くと夏物需要が高まる
秋:最低気温が15℃を下回る日が続くと秋物需要が高まる
冬:最低気温が8度を下回る日が続くと冬物需要が高まる
となり、つまるところ先述した「最低気温が25℃を下回らない」なんていうのは、とても秋服を供給するようなタイミングではありません。従って、コットンやウールなどの天然素材よりも、吸湿性などの機能性を付加しやすい合繊などの需要が高まっている(実際、売り場でもよく見かける)のは、長い長い殺人的猛暑と無関係ではありません。
また、上述の気温条件に照らし合わせると「秋」の定義は10月中旬~11月中旬までの約一ヵ月となってしまい、それ以前は夏物、それ以降は冬物とカテゴライズされます。
ゆえに秋物の実質的な販売期間は上記一ヵ月となり、この短い期間で立ち上がり~冬物への切り替えをしなければならないという、クッソ難しい選択を強いられます。
またこの暑さによって特に苦戦を強いられるのがメンズアパレルで、この季節の男性はほぼ間違いなく「半袖」を着用しています。女性や高齢者などの服の着方は、
アウターを持参している
or
長袖を着用している
or
半袖を基軸にレイヤードしている
ことも多いように見受けられますが、メンズの場合は中々画一的な半袖スタイルに落ち着くことが多いようです。かくいう私も、登山の時以外は半袖を着用していますし、半袖の着用期間は4月~11月とおよそ半年にも渡ります。よって実務的な意味では、その属性に沿った戦略を詳細に考慮する必要がありそうです。
マサさんのブログでも何度か書かれているように、アパレルはその商材の特性上、必ず気温や気象条件の影響を受けます。むろん、飲食業なども大きく影響を受けますが、アパレルほど気温に立脚したシーズン戦略を立てる業種はないといえます。
また、こうも年間を通じた気温が上昇しているとなると「上半期(S/S)の営業赤字を下半期(F/W)利益で、通期黒字に転換する」といった前年(過去)踏襲型のMDのみでは、立ちいかなくなることは自明です。よって、それらの過去データに即したマーチャンダイジングに加え、気温そのものに立脚したマーチャンダイジングを、ショップないしはブランド独自に構築してみてもいいかもしれません。
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OMOTE TO URA代表。文化服装学院グローバルビジネスデザイン科卒業。EXHIBITION NEW SHOCK・CULTURE BREAK MARKET主催。
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