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Shopifyのデータから直近の顧客ランキングを抽出する方法
以前、Shopifyの注文データを活用して直近1年間の顧客ランキングを出す方法を書いたのですが、今でも現場でよく使います。最近ではロイヤリティプログラムの導入からリピーターがどのように変動したのか?の効果検証をしたいという要望が特に多く、このようなデータを見たい方が増えているようです。
顧客の購入頻度別売上データも出せますから、顧客が直近で離脱していないか?も合わせて検証が可能。まぁ顧客というのは数年単位で離脱していくものなので、売上が減少しないよう離脱した分、新規獲得で担保しなければなりません。そんな訳で、顧客の離脱を知らずして新規獲得の計画を立てるのは不可なのです。
ややお話がそれましたが、Shopfiyの場合Shopify Flowを活用して注文が入った際に注文データや顧客データにタグを付与することが可能です。タグを付与する事で特定の注文に対して顧客や注文をセグメントできる、という事ですね。最近ではそこで作成したセグメント別で検証したい、という要望がそこそこありまして。
と言いますのも、タグを付与した後、「顧客管理」や「商品管理」にてタグでセグメントしたデータは抽出可能なのですが、例えばそれで上記のような「ランキング」を作成できるか?と言われると、CSVでデータ落としてエクセルで編集、という作業が発生します。それを毎回やるのも面倒、という事で今回はShopifyの注文データから、セグメントごとの売上ランキングを抽出する方法について書いておきたいと思います。
ここは前回と全く一緒なのですが、昨対でデータを出したい場合は2年分のデータを抽出してBigQueryにアップロードします。
続いて、
①Billing_Name・Tags・Financial_Status・Total・Created_atのデータを抽出した仮想テーブルを作成(合わせて欲しい期間も設定)
②仮想テーブルからBilling_Name・Tagsでグループ化→COUNT(Billing_Name)・SUM(Total)を集計
③条件は、Financial_Status = “paid” とTags LIKE “(タグの名称)”
④SUM(Total)の降順で出力
というSQLを作成。これで特定のタグが付与された注文データ、且つ顧客のランキングを出す事が可能です。(期間を指定する事で年間だけでなく、特定の月の売上データを出す事も可能です。)
筆者がこれをリクエストされるケースですが、下記のような時でしょうか。
◯to Bの売上も全てShopify上で管理している
→to Bだけ、もしくはto B除外の売上の昨対や顧客ランキングの変動を見たい。
◯特定のアイテム・ブランドを購入した注文データにタグを付与
→同セグメントで売上データを出したい
上記のように、運用上追わないといけないデータがブランドやショップによって違いますので、取得したいデータも変わります。が、タグさえ付与しておけばこのようにセグメントごとの売上は簡単に出せますし、その比較も可能です。Shopifyの注文データを手動でBigQueryにアップロードする手間だけは発生しますが、これもカスタムアプリや外部サービスを使えば自動化は可能です。(費用は発生しますが)
Shopify Editionsでは将来的なアップデートにより、ShopifyのデータにてSQLが使えるという報道もありますが、現状はShopifyQLで顧客データがさわれない事、ストア分析に「タグ」の項目が無いのでタグをセグメントできるのか?はちょっと不明です。
わざわざShopifyのデータをアップロードしないで済むならありがたいですが、最終的にLookerStudioでダッシュボード化して見たい、と言われるとどちらにせよカスタムアプリや外部サービスは必要になりますね。また、GA4のデータと統合したいとの要望もあるのですが、こちらも同様で一旦全てのデータをBigQueryに送る必要が出てきそうです。まだアップデートが来ておりませんので、どのような感じになるのかこちらのブログで随時ご報告いたします。
株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。Twitter(@fukaji38)
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