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最近、お客様からの要望で特に増えてきたのが、
「アパレルの事がわかる人にWEB広告の運用を任せたい」
「アパレル経験のあるEC担当者を採用したい」
「MDを理解したEC運よ(ry」
みたいなお話。(いや、前から多いんですが最近特にひどい)
事業者側もEC運用をサポートしてくれる支援会社には既に発注しているのですが、何故このようなお話が増えているか?と言いますと、現場経験が無いと適切なタイミングで適切な施策立案ができないからですね。(完全にできない、という訳でも無いのでしょうけど)
ではどのような時に問題が発生しやすいのか?本日はそのあたりについて書いてみたいと思います。
どんな事業もそうですが、まず競合の調査は必須かと思います。横並びの企業が何をしているか?を調査する事で、自社に足らない事や他社が実施していない事がわかりますし、施策立案の参考になります。が、現場経験が無い・普段からリサーチしていないとどこが競合かがわからなくなります。慣れている人なら、出店場所やシーズンビジュアル・instagramからある程度スタイルを分類し、競合を複数抽出する事はそんなに難しくないのですが、それが意外とハードルが高いようですね。頓珍漢な競合設定をして商談の場を凍り付かせた、なんて話を耳にしたりもしますが、これが出来ないようなら初手で躓く可能性はあるでしょう。
データばかりを見ている人(脳天にブーメランが直撃)にありがちなのですが、値引き施策に偏重しがちです。GAのデータだけを見るなら、CVR改善には当然値引きが一番効果的です。粗利をフル無視している時点でダメダメなのですが、WEB解析のソフトに「売上総利益」なんて項目はありませんからね…。
Shopifyなら原価の登録が可能なので、ストア分析で粗利がどの程度出たのか?は確認ができるのですが、登録していないケースは多いです。基幹システムやOMSからデータ抽出して確認しているケースも多いのですが、支援側がそれを認識していないとこのような事態に見舞われます。
また、集客で提案できる事がWEB広告しかないケースが多いのですが、先述しました通り競合すらわからないのであれば、顧客理解も何もあったものではありません。結果、ターゲティングがずれて効果があがらない、というケースが多発。(特にSNS広告)最近ではP-MAXのような最適化してくれる?広告をメインに運用しているケースも多いのですが、代理店が微調整すらしない事も多いので、それなら事業者が自前で回すだけでいいのではないかとも思いますね。
先ほども軽く触れましたが、WEB広告の運用で一番多いのがこちら。商品の品揃えや展開計画(つまりMD)に沿って微調整しない事ですかね。アパレルの場合、月ごとに売れるアイテムが大きく変わりますし、気温による影響も強く受けます。また、在庫を手厚く積んでいる強化品番もあり、都度広告キャンペーンごとのキーワード・予算の微調整が必要になるのですが、それに全く対応できないケース。セッションと購入の相関を見ていても、明らかに購入が大きく伸びている時期にセッションが増えていない、というケースが多発しています。
筆者はWEB広告の専門家ではありませんが、過去データを見る限りは「売れる時期にプッシュすればするほど売上が上がる」という特徴はあると考えております。要は売れるものは広告でブーストする、というとても当たり前のことなのですが、その対策をせずに機会損失しているかもしれない、という事ですね。事前にMDを確認する、なんて発想がそもそも無いのか、これが対策されている件は筆者の10数年のキャリアの中でも過去1度しか見た事がありません。
都道府県別でも微調整が必要で、売れる地域・売れない地域があるのに、人口比で勝手に最適化され、CVRがめちゃくちゃ悪い地域へ広告が出稿されている、なんて事もありますね。地域別に関してはアパレルの知見関係ないのでただの怠慢ですが。
これも先ほど軽く触れた内容ですが、アパレルは月ごとに売れるアイテムが大きく変わりますし、顧客属性によっては売れるアイテムカテゴリーがそれほど変動せず、先々「これが売れるだろう」というアイテムが多少は予測がつく事もあります。店頭を見ていればその変化も確認できますし、過去データや雑誌などからもヒントになるものはいくつかあります。そこから広告・記事コンテンツ・コーディネート・メルマガ/LINEのプッシュなどに反映させる事ができるのですが、それが出来ないと打ち手迷子になります。
色々と発生しやすい事を挙げてみましたが、要は「MDへの理解」が一番の問題でしょうか。筆者もマサ佐藤氏のようなMDの専門家ではありませんから、仕入れ関連で細かい指示ができる訳では無いのですが、今あるMDをECに反映させる事は可能です。それだけでも出来れば、直近で機会損失は多少防げますし、大きく改善をしたいのならMDの改善をしてください。(master of merchandisingマサ佐藤氏にご依頼ください。)
ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。Twitter(@fukaji38)株式会社StylePicks
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