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ファッションの専門学校で講師を10数年続けている筆者ですが、最近ではほぼほぼEC関連に絞られてきました。(過去は計数教えたり、マーケティング教えたり、ファッションニュース解説したりと色々やっておりました。)
以前、そのあたりの取り組みを記事にした事がありますので、よろしければお読み頂けますと幸いです。
そしてこの記事中にも差し込んでおりますが、
毎週、授業でShopifyを使ってCSVの編集から、商品ページのtitle・descriptionの入力、後半はGA4についてレクチャー。これ、ファッションの専門学校でやってます。EC担当探されている方はぜひご連絡ください。 pic.twitter.com/SryoKGURSd
— 深地雅也 (@fukaji38) November 7, 2023
とある学校ではShopifyを使って授業をしておりまして、これがめちゃくちゃ講義がしやすいと感じております。過去、BASEやSTORESなど無料カートを使って授業する事も多かったのですが、開発環境だったとしてもShopifyを活用して授業をした方が様々な技術・知識が学習しやすいでしょう。そこで本日は、何故Shopifyがアパレル・ファッション関連のEC教育に向いているのか?についてお話しておきたいと思います。
筆者がいつも口酸っぱく記載しておりますアパレルECの検索対策。主に商品一覧ページ等でのキーワードの対策になりますが、Shopifyだとここが非常にわかりやすく作られております。
管理画面の商品管理→コレクションから一覧ページを作成しますと、
ページの説明を記述する箇所とは別に、title・descriptionを設定する箇所があり、検索エンジンで検索した時のような表示で見せてくれます。この「検索した時のような表示」がとても重要で、ここに必要なキーワードを記述するだけで、学生も何故これが重要なのか?が直感的にわかりやすく、教える側としてとても重宝します。
ファッション・アパレルECでよくあるのですが、商品詳細ページは説明文を記載するから勝手にdescriptionが反映されるものの、一覧ページは空のケースが多く、検索対策が施されていない事が多いです。ユーザーの検索行動は「ブランド名 アイテム名」が多いので、検索ニーズとしては商品詳細ページより商品一覧ページの方が上位表示されやすい傾向にあり、指名検索のクエリで上位を狙うなら必須の対策になるでしょう。(と、このブログで2937937849738回ほど書いております。)ちなみにBASEだと商品一覧ページのtitle・descriptionは記述不可です。(SEO対策アプリのmeta keywordの箇所なんか作らずそっち作って欲しい…。)
検索関連ならalt属性やrobots.txtの確認も簡単なので、授業で教えるのに重宝しております。
ShopifyはMAツールであるShopify Flowというアプリが、なんとBasicプランから無料で使えるという狂気の大盤振る舞いを見せているのですが、これのおかげで施策立案を企画する際の幅が広がりますし、何よりCRMの教育がやりやすいです。筆者はCRMの講義担当ではありませんが、担当講師は当然Shopify Flowを使った講義をしております。
メルマガのシナリオの説明、商品ページの閲覧落ち・かご落ち、レビュー依頼のような基本的な事から、特定のユーザーにタグを付けてセグメントを作成する、という事も在学中に簡易に学べてしまいます。筆者の授業では、なるべくアパレルブランドのECサイトでメルマガ登録をするよう推奨しておりますが、自分のメルマガボックスに届くメールが、何をトリガーとして配信されているのか?の理解が深まります。(モバイルアプリやLINEの通知も同様ですね。)
(このワークフローの図が見られて触れるだけで理解はめっちゃ深まりますね。)
テーマエディターを使えば、セクションやブロックの追加でページの簡単な構成くらいは変更可能ですが、こちらのパーツの豊富さがなんと言っても魅力的。無料カートでも似たような機能はあるのですが、「もっとこういうパーツが欲しい」という痒いところに手が届いている感…。商品リストやピックアップ商品、動画の差し込みなど、運用上必要になりそうなパーツをよくわかっていらっしゃる。筆者は授業の中でコンテンツ企画まで実施しますので、そのような時にここまでパーツを用意してくれていると施策の幅も広がります。
Shopifyには純正のアプリが複数ありまして、ごりごり運用していくと上位互換の有料アプリを使う事になっていくのですが、学生教育ならこの純正の無料アプリで十分でしょう。
・Shopify Email(Shopify Formsと絡めて使っても良い。Shopify Flowのアクションで使えるようになったので施策立案でめっちゃ重宝する。)
・search & discovery(一覧ページの離脱対策が無料で実行できる。)
・Shopify inbox(簡単なFAQを考えさせるのにも使える。)
・Shopify Subscription(これも施策立案の幅が広がる。)
etc…
心の声がダダ漏れですが、こんな感じで教育ができますし、これを使う事で将来的にはklaviyoやチャネルトークが何故必要なのか?の理解も深まるでしょう。
最後に「販売チャネル」の箇所でGoogleやmetaとの連携アプリを説明する事で、GA4やGoogle merchant center、IGのショッピング機能や広告についても簡単にレクチャーできます。筆者が講義している学校ではWEB広告の授業もありますから、これも重宝しますね。何より、管理画面に沿って説明していくだけで相当な幅の教育ができてしまうのが魅力でしょう。筆者の担当するGA4の設定方法はもちろんレクチャーしますが、データ量が担保できないので基本的にはデモアカウントを活用しておりますが。できれば公開設定までして、search consoleも絡めて解析したいところです。(まだ実現できていない…。)
色々書きましたが、もちろんECサイトを公開しないと運用の経験は積めません。(上記の事例では、卒業制作としてECサイトを構築し、一定期間のみ公開する予定ではありますので、その期間に実行できるものは一部ありますが。)それでも管理画面が触れるだけで相当イメージが膨らむ事はご理解頂けたかと思います。実際に公開…となりますと、1人1アカウントだと費用も嵩みますから、教育機関で対応する場合はクラス内でグループ分けして、数人1チームで対応するのが良さげですね。
株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。Twitter(@fukaji38)
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