メールマガジンを登録していただくと、セミナー・イベント開催のお知らせやブログの更新通知をお届けします
普段から、
「ECの対策で大きな売上獲得は不可」
なんて事を口酸っぱく言っている筆者がこのようなタイトルの記事を書くのはとても矛盾するお話なのですが、MD設計の精度上げたらECでは何もしなくていいなんて事もありません。我々は我々で用意された商品の消化をできる限り促進しなければならず、その為にやれる事など腐るほどあります。ですが、売上を取るにはどうしてもタイミングが非常に重要になりますので、毎日の動向を追いつつ週単位程度では対策を施す必要があります。では、
どのようなタイミングで何をすれば良いのか?
なのですが、ある程度売上が上がりやすいポイントがありますので、今回はそのあたりについて詳細を書いておきたいと思います。
アパレルECは毎月のように売れるアイテムが変動しますし、季節・気温・トレンドの変化によってお客様のニーズが変わります。それがわかっていればページ側でもコンテンツを用意して対策が取れるのですが、どこから測れば良いのか?
これは簡単で、筆者はいつもsearch consoleの検索クエリの変動(前週・前年比較)やサイト内検索のキーワードを拾いつつ調査しています。週単位で見ておりますと、徐々に下の方から上がってくるキーワードがあったりしますので、それを見ながら次の対策を考案します。例えば、今の時期なら春物への興味関心度合いはどの程度か?を検索内容から確認する事もある程度可能ですね。気温が低いままだと、まだまだ端境期からニーズがそれほど変わっておらず、検索内容に変動がありませんし、気温が上がればわかりやすく春物の衣料品へのキーワードが増えてきます。search consoleで調査する際は、あらかじめ用意しておいた複数のキーワードを打ち込みつつ、どのキーワードが伸びて来たか?を調査します。
これらのデータを確認しつつ、トップページに表示させる商品リストを組み替えたり、記事コンテンツを作成したりできますので、トップページの構成に悩まれている方はこれらのデータを見ておく事をお勧めします。同様に「人気のタグ」のクリックから、どのようなニーズがあるか?もわかります。「着用シーン」のような文字列は流石にサイト内検索で検索される方が少ないのですが、タグを用意しておけばニーズが強いものはクリックが増えます。タグをクリックした際にはクエリパラメータでタグと同じ文言を絞り込んでいる事が多いでしょうから、このデータも同様にサイト内検索データに反映されます。「お客様のニーズが上がってきた」ものはタグに表示させつつ、ある程度の予測のもとでタグ表示させたものもデータから検証して調整する、という感じですね。
タイミングで特に重要なのは期間が定められているものですね。セールや予約販売などが該当しますが、このようなイベントごとの場合、売上が伸びるタイミングはほぼ初速と締切です。この時にどのような施策を講じるか?で売上対策になります。
例えば初速をとにかく伸ばしたいのであれば、告知記事を作成しておき、そこに広告でお客様を誘引。この時、できる限りメルマガ登録等のアクションを取って頂くのが効果的なので、告知ページの導線はしっかり設計しておきましょう。その後、初速にて全チャネルで告知した後、プッシュしないという事ではないのですが、やはり最終日の伸びにはどうしても勝てません。なので、締切日にも再度リマインドは徹底しておきましょう。なんでしたら広告でもブーストしてください。ギフト提案でも明確に締め切りはある訳で、そのリマインドはお忘れなく。(何日までに注文したらギフトを渡す日に間に合う、などの提案ですね。)
こちらに関しては探すのが大変なので、
過去書きましたこちらのデータ抽出方法をご活用ください。カートによっては商品詳細ページで在庫データを吐き出してくれていますので、GA4で拾う事が可能です。露出が少ない割りに売上が良い商品を見つけましたらそれを広告でブーストする訳なのですが、「その商品が売れる確率が高い」というのも期間限定でのお話なので、タイミングを逃さずブーストしましょう。
また、これがわかると先述しましたトップページの構成を考える際にも役に立ちます。例えば、ピックアップアイテムとしてトップページに期間限定で表示させ、露出を増やして売上対策する、なんていう動きですね。
そこそこ使い勝手の良いデータなので、閲覧できるようにしておくのはお勧めです。
意外と皆様、手をつけられないのがこちら。週単位でデータ見ておりますと、当然どのページにPVが集中しているか?はすぐわかります。それは特定の商品詳細ページかもしれませんし、イベントの告知の為のLPかもしれません。はたまた、コンテンツSEOで対策して常時流入があるページの場合もございます。
そのようなPVが多いページに、緊急性の高い情報を置いておくのはとても重要です。例えばタイムセールのような期間限定のイベントから、在庫がすぐなくなるかもしれない「在庫わずか」「再入荷」の商品リストなどなど。皆様、トップページのスライダーでは情報の露出に余念が無いのですが、「PVが集中するページ」という括りだと他のページを途端に失念しがちです。普段から、どのページの表示回数が多いのか?はしっかり見ておきましょう。
それで言いますと、こちらは先ほどの項目と同じ内容ですが忘れがちなので記載しておきたいと思います。新作販売等、商品の注目度が上がる際には当然ながらスタッフのコーディネート画像のPVも伸びやすいものです。その際に、しっかりコーディネートのバリエーションが担保されておりますとCVRは上がりやすくなります。
という事で、MD設計と連動してどのアイテムをどのタイミングで撮影しておくか?は店頭スタッフと共有しておかなければならないのです。店頭スタッフも売れ筋はなるべく着用したがりますから、事前にどれが強化品番で在庫が多く、売上につながりやすいか?は知っておきたいところでしょう。着こなしが同じ感じにならないよう、なるべくバリエーションを増やしておくのが肝になります。
いくつかアパレルECにて売上が伸びやすいタイミングと、それと連動してやるべき事を書いてみました。要は「売れやすい時期にもっと売る」という事が目的なので、売れないアイテムを売る為の施策ではありません。ですが、売れないアイテムでもこれをやらないよりはやった方がいいに決まってますので、元より我々EC側の人間に選択肢など無いのです。広告だけは費用をかけすぎると営業利益を削る恐れがありますので、上長と相談しながら予算を決定して頂ければと思いますが、大概のことは実行することにリスクはありません。そんな訳でとにかくがむしゃらにブラック労働に勤しんでください(違
株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。Twitter(@fukaji38)
小売ビジネスに関するMD(品揃え政策)アドバイス・サポートを
ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。