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アパレルECのセミナーを年に数回ご依頼される事があるのですが、セミナー後によく質問される内容で、
「広告費は売上の何%くらいが適正ですか?」
と聞かれます。実際、現場でPLを確認しますと大体が8〜12%程度に落ち着く事が多く、この数字を日々見ておくのはとても重要なのですが、売上に対する比率を広告費の目標にするよりは「広告でどの程度の売上を獲得するか?」の目標を月ごとに設定しておくべきで、これが設定されていないケースが多い印象があります。
(年間計画については前回書いていますのでご参考までに)
手順としては過去データから、
・どの程度の広告費で広告経由でどの程度購入があったか?
・新規/リピーターはそれぞれどの程度増えたか?
などを確認して、来期の年間予算を算出。月ごとの売上目標に対して予算を振り分ける、という流れでしょうか。問題はこの後になるのですが、広告経由売上の目標を出す際に「費用対効果」ばかりに目が行きがちです。つまりROAS(Return On Advertising Spend)ですね。しかし、WEB広告の中身を細かく見なければ適切な広告予算の配分ができないのではないかと考えております。
過去のWEB広告が既存顧客向けに予算が偏っている際、翌年同じパフォーマンスが期待できない可能性があります。それは、
「顧客は常に離脱するもの」
だからです。WEB広告だけでなく店舗による販売や日々のPR活動が活発であるなら、そこで認知したお客様がWEB広告経由でECで購入、という流れも作れるでしょう。しかしそのようなPRが弱く、店舗も少ないブランドは認知獲得自体が弱く、WEB広告に偏重した施策だと年々効果が鈍化していきます。
既存のお客様の購入が増えやすいリターゲティング広告や検索広告ばかり出稿していると、来期は同じ効果が期待できず、ポップアップショップや卸を含むリアル店舗の展開や、メディア露出などのPRをセットで実行しないと新規が獲得できない恐れがあります。
次に冒頭でお話しましたROASですね。こちらを重視すると、先述しました通り既存のお客様中心に広告を出すケースが多くなります。これの弊害は、
「広告経由させなくとも買ったのでは?」
のケースが増えてしまう事ですね。広告費と経由売上はどんどん増えるのに、何故か伸びないトップライン。この「あるある」は、このような事情から発生する事が多いです。アトリビューション信仰の広告代理店がラストクリックで検証しないレポート出すからこんな事態が発生するんや。これを回避するにはどうしたら良いか?ですが、事前に広告経由の新規・既存の獲得状況を確認。その上で月ごとの売上目標と広告予算を算出することです。
我らがShopifyなら、utm経由で新規・リピーター売上はストア分析で簡単に出せますが(判定は厳しいですが)、そうでないカートの場合はGA4でuser_idを拾い、カートや顧客管理サービス側で確認できている初回購入者とuser_idを突合。広告経由でどの程度の新規獲得ができているか?をBigQueryで抽出する、という流れになります。(難易度たけぇ…)
そんな訳で、色々言いましたが広告経由で新規がどれだけ獲得できたか?という過去データは非常に重要になるのです。
それらを踏まえまして、各月ごとの新規獲得目標を決めましょう。自社の顧客ランキングから、来期期待できる売上を確認。目標に到達しない予測なら、その分新規獲得目標を釣り上げる=広告予算を追加で獲得、ということも想定されるでしょう。
商材によっては、リアル店舗に誘導してそこで売上を獲得。LINEやモバイルアプリの登録を促し、後日ECへ送客というケースもありますので、SNS広告で店舗誘導を仕掛けるのもありです。(費用対効果は正確に測れませんが)
期中に入ればPLを確認しつつ進捗を追い、微調整という感じでしょうか。なので、個人的は営業利益が潤沢に出ている場合、時には利益を少し削っても新規獲得件数を増やす事を目標にすべきだと考えます。この場合、当然ROASは悪化しやすいです。当然、既存顧客に向けて広告を出すより、ど新規のユーザーに向けて広告を出す方が購入に至る確率は低いからですね。
しかし、既存顧客への広告は究極「広告経由させなくとも買ったのでは?」のケースとの戦いになります。もちろん、WEB広告を出稿した方が売上・営業利益が伸びるケースも見てきましたので、既存向けの広告を全否定している訳ではありませんが、「顧客は離脱するもの」という認識を持たなければ、新規獲得がおざなりになり、最終的には新規もリピーターも減少しかねないです。
費用対効果を考える場合、このような内容まで認識されているなら問題ないでしょう。ど新規向けの広告を出した後、その精度が上がってROASが改善!はめっちゃいいことなんですが、既存向けに出稿しまくったらそりゃ改善するやろと。あとはセットで指名検索の増減、GA4のデータドリブンアトリビューションを合わせて確認しつつPL追ってください。とはいえ、これらのことを1人で解決するのは非常に多くの知識と経験が必要になります。
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