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私がよく使う言葉に、”元売価”という言葉があります。
ただ、この”元売価”という言葉は、ファッション・アパレル小売業で言えば、使われているのは、少数の組織です。寧ろ、元上代・プロパー上代・メーカー小売希望価格等という言葉の方が、多く使われています。
同じ意味を持つ言葉でも、企業・組織それぞれに使う言葉は違います。
実際、私は職務上様々な企業・組織と関わりがありますが、同じ意味を持つ言葉でも、組織それぞれに使用する言葉は違うので、そのことを覚えることだけでも一苦労です。
(但し、クライアントの言語に、私が合わせる!というのも、目的・目標を達する為に大切なこと。)
しかし、この業界に携わり20数年以上になりますが、様々な組織を見てきた中で、組織で使われている特有の言葉・言語。
実は、少なからず理解できていない人が、自分たちの組織内に多くいる!ということです。
例えば、組織の上の方になればなるほど、むやみやたらに意味不明な英語を使用したがります。
予算のことをバジェット。持続可能なことを、わざわざサスティナブル。際の果ては、成長戦略のことをグロース戦略。などと、自慢げに言う上層部の人が多くなります。(どうせなら、グロースストラテジーといえばいいのに(笑)まるで、小池百合子(笑))
何故、このようなことになるかというと、それは難しい言葉を使う、知っている方が、かっこいい!仕事できる~~!という、身勝手な思い込みと、部下である実務者に対して、マウンティングできる!という感覚からくるものなのでしょう。
そして、上記のようなことが続くと、その組織のミーティングの場には、ルー大柴や小池百合子。長嶋茂雄のような人ばかりになってしまいます。(笑)
もし、仮にそのような言葉を使っても、組織として進むべき道・目標が、実務者の隅々にまで共通理解として、共有できれば、そのような言葉を活用することは、寧ろ良いことです。
しかし、そうはならないでしよう。
なぜならば、上記のような上っ面だけの理由で使用している浸透してない言葉は、その組織内部のメンバーそれぞれが、独自の翻訳で解釈し始め、組織の目標・目的の共通理解などとはほど遠い状態になります。
そして、組織がピンチに陥ったときには、組織内の問題への共通理解が成されず、改善のスピードは鈍り、二度と立ち直るのも難しくなります。
アパレル・ファッション小売業に限らず、組織がビジネスを行う上で成功するには、そのショップ・ブランドが挙げたコンセプト・ビジョンを、組織に属する全員が深く理解することが不可欠です。
そのための第一歩として、
でなければ、無駄に知ったかぶりをした、ルー大柴風情ばかりが目立つ、意味のない会議を繰り返すことになるでしょう。
仕事の出来る人ほど、相手に応じてわかりやすい言葉を使い、相手が言葉の意味を理解できなかった場合には、その言葉の持つ意味を丁寧に説明する。
上から目線でしょうも無い英語を使いたがる人は、そのことを認識すべきです。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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