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この仕事を始めて、数年はまともにメシが食えなかった私ですが、ありがたいことにここ最近は、様々な業種の小売業より仕事を頂いています。
(アパレル・ファッション小売業界の仕事依頼は殆どないが(笑))
服屋以外の小売業の仕事を受けていると、”棚MD”が主体の組織が多くあります。この”棚MD”とは?、私が勝手に使っている言葉ですが(採用している組織もあるかもしれない)、以下簡単に説明しますと。
”設定された棚・什器に、どんな商品を陳列するかが、予め決まっていること。
コンビニやスーパーマーケット等の売り場等なので採用される場合が多い。”
こんな感じでしょうか。また補足として、上記のケースでは、メーカー側が在庫を常に持っているケースが多く、売れると自動フォローで商品が入荷する。といったことが殆どになります。
ある意味、棚に陳列できる商品数はほぼ一定ですから、物流が滞らない限りは在庫は一定の数字に保たれます。
アパレル・ファッション小売業界で言えば、ジーンズ主体のカジュアルショップにこのケースが多いのかもしれません。
予め決められたジーンズ売り場に、NBの定番商品が陳列され、売れた分が自動的にメーカー側からフォローされる。そんな感じでしょう。
しかしながら、この手法にも盲点があります。
このような商品群は、ほぼ継続品や定番商品と言われるものが殆どです。
すると、在庫が増えづらいそのような商品をチェック・分析することは自ずと少なくなりますから、売上が低迷してても、何ら対策をせず。放置するようになる。そのようなことが起こります。
(そのようなことになれば、当然在庫回転系の数値は悪化するが。)
実際、私が仕事をさせていただていた某組織は、5年前に入荷した商品が、埃を被って棚の一番下の見えにくい場所の放置されていました。
しかし、定番品・継続品であるから、店にあっても良い!という商品になるので、誰もそんなことはチェックしないという結末でした。
売れれば自動フォローで入ってくる仕組みがあれば、組織の在庫が大幅に増加することはないでしょうが、リードタイムが数か月かかるような商品を、定番品・継続品として放置していれば、あっという間に在庫は膨れ上がる筈です。
事実、ジーンズカジュアルショップの在庫が膨れ上がる要因にもなっていますし、前述したように売上チェック・分析の意識も希薄になりがちですから、在庫増だけでなく売上減の要因にもなっています。
このような棚MDは様々な業種で採用されいますが、例えば。コンビニのカップラーメン売場は、一番上が新商品。2・3段目が日清のカップヌードルやPBなどの定番商品。4段目がラーメン以外の定番品。一番下の棚がその他。というように陳列されているケースが多く散見されます。
しかし、新商品はある一定の期間で一番下の棚に行き、最後はレジ前テーブルでセール!!というパターンが出来上がっています。
爆発的に売れれば、定番品として2・3段目に展開されるのでしょうが、殆どの商品が上述した運命を辿ります。このような順序を辿るある一定のルールが存在するのでしょう。
また、定番品もよくよく見ると商品が入れ替わっています。
このことも厳密に決められた定番品の審査ルールが存在する筈です。だからこそ、おいてある商品は同じのように見えても、買うときに新鮮さを感じるのは、このようなことからであるはずです。
アパレル・ファッション小売業界で在庫で悩んでいる組織は、カップラーメン売場のように、定番品・継続品等の運用に関するルールを売上・粗利・在庫の観点から厳密に定めるべきです。
(基本。アパレル・ファッション小売業界で定番品・継続品等のコードを使う必要性を感じないが。。。)
でなければ、今後もますます在庫が増えるだけでなく、売上も低迷していくことでしょう。
何故ならば、商品が定番品・継続品という判断をするのは、商品を供給する側ではなく、購入する側の顧客なのですから。。。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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