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最近、アパレル・ファッション小売以外の仕事に、良く携わっている私ですが。。。
そのような仕事を重ねる上で気づいたのは、アパレル・ファッション小売業界以外の小売業では、一時的に期間限定で価格を下げる!という行為がよく行われていることです。
例えば、スーパーマーケットの場合は、チラシ掲載商品などが、その週の目玉商品として、よく期間限定の値下げをしています。しかし、ある一定の期間を過ぎると、また元の価格で普通に売られています。
当然のことですが、その商品の売上数は前週に比べて大幅に伸びます。そして、元の価格に戻った週の売上数は下がりますが、その商品がこれからまだ着られる商品であれば、前々週に比べれば、売上数は伸びている。
そのような光景を、クライアントとの仕事で、私は目の当たりにしてきました。
私も、長年アパレル・ファッション小売業界の仕事に携わっていたので、このことを意外に思いましたが、考えてみれば、ごくごく当たり前のことです。
例えば、この春夏に私は、ユニクロUの元売価1,500円のポケTが、期間限定で990円になっていたので2枚購入しました。
しかし、その後もとの価格1,500円で感謝祭のときも売られていましたが、店頭のVMD等などをチェックする限り、特に価格を基に戻したから売れていない。という形跡はありませんでした。
しかしながら、このことは多くのアパレル・ファッション小売業界では、あまり行われていない行為ですし、その発想自体もあまりないように思えます。
その要因として考えられるのは?
① ディベロッパーの側の制限
② 一度価格を下げたものを再び元の価格に戻すのは、(顧客に)申し訳ない_| ̄|○という思い込み
この2点のように思います。
タイムセールも、期間限定での値下げの一種にはなりますが、殆どの組織がこのことをセール期間中に行っているので、先述したような期間限定での値下げとは、意味が異なって顧客には伝わっています。
昨今。ディベロッパー側が何故か?出店側であるショップ以上に、やたらとプロパー売りに拘っているのが、なんだか不思議でなりませんし、(売上の何%とかが家賃収入になるのであればなおさら)出店側に、かなり無茶な要求をつきつけセールを制限させる傾向にありますが、上記のような期間限定での値下げ。終われば価格を基に戻す!ような行為くらいは認めてもよいのではないでしょうか?
(ルミネの10%等の施策もそのことでしかない。要は、出店側にも柔軟にそれくらいの裁量を与えよ!ということ。)
また昨今。読めない気候・気温による在庫過多問題にも、このことは多少なりとも貢献できる筈です。
更に言えば、多くの在庫に悩まされる定番品・継続品等が多い、商品の販売期間を長くとらざるえない組織には、このことが多大な効果を発揮することになります。
一度、価格を下げた商品の価格を基の価格に戻して悪い!などの法律は存在しません。
であるのらば、アパレル・ファッション小売業界の余計な固定概念は棄て、柔軟な頭で価格政策。そして、売上・在庫政策をとる必要が、この業界には求められているのではないでしょうか。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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