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私は常々、マーチャンダイザー(以下MD)は売上だけでなく粗利をより多く獲得することが重要だ!ということを言い続けています。
それは何故かというと?MDは売上・粗利に直結する仕事が多く、損益計算書で言えば、上段部分をコントロールできる立場であり、ある意味。その仕事は経営に直結するからです。
しかしながら、粗利率が良い場合は。えてして在庫が増えていることも多く、事実上黒字になっても会社にとって、実は負の影響を与えることもありうるので、在庫のことにも多くの注力を払わなければなりません。
では、MDは上記以外の数字の項目で、どのような数字に注目。注意を払うべきなのか?と言いますと。
私の場合で言うと。。。
ある意味、売上・粗利以外に最も注力を払う数字といっても過言ではありません。
以前、南充浩氏が以下のブログで触れた内容を記載すると。
”客数が減っているということは消費者から支持されなくなっているということで、これは業界に伝わる伝説みたいなものだが、
ユナイテッドアローズ創業者の重松理さんも客数の増減には常に気を配っていたといわれている。通常、各店舗の入り口には、ユニマットとかダスキンからレンタルした足拭きマットが置かれている。
定期的に業者が取り換えに来るわけだが、重松さんは、この業者に親しく声をかけて、どこのテナントのマットが一番早く傷むかを常に尋ねていたといわれている。”
私はさすがにマットまでは気にしませんが(笑)
既存店客数の増減は、ファンが減っている!ということと同義であり、たとえ店頭の頑張りで売上が増えていても、MDとしては携わるブランド・ショップが支持を失いかけている!と捉えた方が、危機感を感じ、先にもっと良い仕事をしてやろう!ということに繋がります。
ですが、客数をMDが意図的に上げることのできる方法があります。
それは、何か?というと。。。
価格を安く(セール)して商品を売ること。です
そのことを実行すれば、客数は上がりすくなります。だからこそ、もう一つの数字にもMDは注力を払わなければなりません。
売上は分解すると。
売上=(買上)客数×客単価
に分解できますが、更に客単価を分解すると?
客単価=1点単価×SET率
に分解できます。この1点単価は、価格決定権のあるMDしかコントロールのできないところになります。
この1点単価を下げれば、客数が上がる可能性は高まりますが、逆に客単価の減少から、売上自体が下がれば、本末転倒の行為といえるでしょう。
長く営業しているブランドやショップには、長年の癖・傾向といえるものがあり、そもそも1点単価は、そんなに上下することはありません。
しかしながら、売上の良いときに比べ、悪いときには必ず、この1点単価が上下に数字が大きく動いています。
話を戻すと、MDは良い売上のときの1点単価を気にしながら、そして大きくぶれないようにしながら、既存店客数を伸ばす努力をするべきだということです。
この業界には、MDにとって必要のない数字指標をやたらと増やし、会議資料が多すぎたり、ハズキルーペを使わなければ、資料の文字が見られない組織も多くあります。
であるならば✋その指標の意味が理解しやすい、既存店客数や1点単価にもっと注力すべきではないでしょうか。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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