メールマガジンを登録していただくと、セミナー・イベント開催のお知らせやブログの更新通知をお届けします
先日、ネットでファッション系の記事をみていると、一部上場企業の某社長が以下のようなことを言っていました。
一見響きの良いような言葉に聞こえますし、この業界には、このような美辞麗句を並べる。綺麗ごとを言う人は、履いて捨てるほどいます。 当然と言えば当然のことですが、私はこの言葉に違和感を感じまくっています。
MDの理想で言えば、セールをせずに商品が全部売れた方が良いに決まっています。
しかし、商品が思うように売れず、売上高がいかなければ、セールはそのことをカバーする、一番最適な手段となりえます。
しかも、見栄を張って、”プロパー消化率”などという、人の解釈次第でいくらでも誤魔化せる指標をアップさせるために、セールを自制すれば、あっという間に在庫が積み上がる!ということが起きます。 (この業界では、そのような企業・組織が多い)
前述した社長の発言のように、常に”適品”を産み出し、セールせずに商品がプロパーで売れればいうことなしですが、私はそのような
という、天才ドクター天才MDは、今の今までみたことも聞いたこともありません。
人は必ず失敗する生き物ですし、寧ろ失敗を経験していないような人物は、天才デザイナー・MDにはなることができても、多くの人と関わる仕事。人をマネジメントする立場である、MDや経営者のような仕事は務まらないでしょう。
失敗を糧に肥やしにするような人の方がMD等の人をマネジメントする仕事には向いています。
因みに、私が実務能力が高いと感じているMDは。。。 判断が早い。しかも品揃えの失敗に気づくのが早く、早い段階での売価変更処理等の施策をいとわないMDです。
寧ろ、判断・決断が遅く、顧客が欲しくない時期にアホみたいなセールをして、結果、商品をさばけないMDの方がよっぽど罪です。 また、前述の社長は”セールで売上を稼いでも意味がない”と発言しましたが、それは間違いです。
ときに、
という重要な施策です。
しかも、セールをすることで、粗利率は犠牲にしても、売上が高まり、結果。粗利高が予想以上に稼げた方が、経営的にみても、マーチャンダイジングの本質を考えても正解です。
セールをすれば、客数が増える可能性も高まりますから、顧客に自分たちのブランド・ショップを知ってもらうチャンスとも捉えることができるのです。
前述した社長の組織は、おそらく商売の本質を理解できていないのでしょう。 そのような考え方を持ち続ければ、そのうちその組織も窮地に陥る可能性が高いと私は予測します。
見てくれの体裁だけで、美辞麗句や綺麗ごとを並べても、結果。顧客にそのことが支持されなければ、市場から退場させられるだけなのではないでしょうか。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
小売ビジネスに関するMD(品揃え政策)アドバイス・サポートを
ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。