メールマガジンを登録していただくと、セミナー・イベント開催のお知らせやブログの更新通知をお届けします
先日書いた、”AIの導入は後出しじゃんけん✋で良い?”というブログが、南氏が取り上げて頂いた効果もあり、異様に読まれていました。
現状、MDに関する仕事でAIができることは、需要予測や在庫コントロール等の仕事に限られ、しかもその精度は、まだこの業界の皆さんが期待するほどのものではないので、導入を焦る必要はない!ということを記載させていただきました。
しかも、それこそ人に変わって決断の仕事をする!というところに到達するには、アパレルのMD系の仕事は複雑な思考・決断を要するので、まだまだ時間を要するでしょう。
ですが、MDの仕事にとって、この先の予測的な仕事というものは、とても大事な仕事であり、今後の進化に期待したいとも感じています。
昨今、この業界は市場が縮小し、厳しい業界であるといわれます。であるからこそ、上記したようなAIの導入や、私が仕事としているMDの数字管理の向上で、業績を良くしたい!ということになるでしょう。
しかしながら、粗利・在庫コントロールで、数字の質を変えることは、このことで可能なことも多くありますが、売上そのものを良くしよう!ということは、AIやMDの数字面だけでは、良くなることはないでしょう。
例えば、私がMDの講義のときに良くする話で、先の見通しを数字を使い具体的に表現し、そのことを基に、各部署で先の具体的な行動計画・施策を立案し、実行せよ!そのことで先の未来を少しでも良い未来にせよ!という話を良くします。
その際には、MDは当然のことですが、先の売上・粗利・仕入在庫計画の先の見通し、計画も努力すれば、実現可能なものに変更・立案しなければなりません。
とくに、現状の売上を打開するには。。。
MDが持つ商品の発注権限で、売れる商品を作る!売れる商品を仕入する!ことをしない限りは、現状の売上を上向きにすることはできません。
だからこそ、MDの数字を使い先の見通しを立て、場合によってはセール等の在庫消化施策を駆使し、新しい商品=売れる商品を仕入れるために、仕入枠をこじ開けなければならないのです。
しかしながら、このアパレル・ファッション小売業界には、よくあることですが、先の商品ラインナップ・品揃え計画は、具体的なところまで決まっている!という組織が殆どです。
そして、今まで上記したような期中で少しでもよくなるような未来図を、例えばAIやMDの数字面の仕事で描いたとしても、結果的に先々に予定・決まっている商品ラインナップが変更できない!という組織が多いのが現状です。
MDが先の商品ラインナップを変更できない!その理由として考えられるのは?
・自分自身のミスを認めたくない!
・デザイナー・生産管理等に気を使っている。
・仕入先メーカーとの癒着がある。
その他にも様々な理由が考えられます。
MDの仕事のイの一番の目的は、その商品の品揃えで、”顧客を獲得する。喜ばれる!”というとことにあります。
しかしながら、どんなにAIで立派な予測をしようが、MDの数字面の仕事で、先の見通しを精度を高く立てても、最終的な商品の発注段階で、今までのことは数量を調整するくらいで変えられない!という決断しか出来ないようなMDに、今厳しい局面を打開することなどできる筈もありません。
MDが仕事の目的を理解しているのであれば、例え周りのメンバーに多少迷惑をかけても、今までの自分たちの仕事に”疑い”をもち、少しでも”顧客に喜ばれる品揃え”に、躊躇なく変更する決断を下すべきなのです。
そのことは、どんなにAIやテクノロジーが進化しても、重要な決断は人が下す!ということに変わりはないでしょう。
だからこそ、MDは常日頃から、現場や店頭に足を運び、常に顧客の近い場所に居続けて、顧客の心理の変化によっては、MD自身が柔軟に変化に対応できるよう準備をと整えるべきなのです。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
小売ビジネスに関するMD(品揃え政策)アドバイス・サポートを
ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。