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最近。私が行っている”算数で理解するMD講義”の中で、
という項目を入れています。
これは、講義という堅苦しいものではなく、粗利益を理解し深く考えることで、受講者の方々がそれぞれに自分たちのブランド・ショップに見合った”適品”を産み出すために、このような討論を行っています。
粗利益は、このブログでも何度か述べたように、会計学でいう”付加価値”に当たります。
因みに付加価値とは?
→生産によって加えられた新たな価値
ということになります。もっと端折って言うと。
工業製品として捉えれば、製造にかかった費用が2,000円のものでも、その商品が顧客が満足し、その商品を2万円で購入していただければ、その商品には1万8千円の付加価値がある。ということになります。
顧客は、その商品のどのようなところに、1万8千円もの付加価値を感じたのか?このことを考えることこそ、マーチャンダイザーが適品を産み出すヒントになるのでは?と私自身は感じています。
では、色んな場所で何度も討論してきた内容ですが、よく出てくる付加価値となりうるものを以下箇条書きすると。。。
・服のデザイン
・トレンド(デザイン・トレンドはこの業界では一番力を入れているところ)
・ショップ・ブランドの歴史
・価格の安さ(さらに価格以上の価値があれば)
・販売員のスキル
・店舗の内装
・デザイナー等の知名度(インフルエンサーを使いたがるはこのため?)
・プロモーションの精度
・ブランドやショップのロゴデザイン
・素材等の機能性→顧客にとっての便利
他にも、無数に出てきていましたが、今回はこの辺にしておきます。
私自身。上記で出てきたものが、付加価値に当たらない!とは一切思いませんし、このようなことを意識することが、適品を産み出すことになると感じています。
しかしながら、斜陽といわれる?アパレル・ファッション小売業界では、付加価値を一つ・二つしか与えることができない!商品・サービスは、20年前ならまだしも、このご時世ではヒット商品等を産み出し、売上。ましてや粗利益を多く獲得する!ということは難しいと言わざる得ません。
もっと厳しい言い方をすると。。。
また、顧客にとって便利な商品をたとえ産み出しとしても、過去のスマホの例をみればわかるように、そのことは他に追随され価格は下がり、顧客はそのことに付加価値を感じなくなってしまいます。
今の時代であれば、上記のことを複数含まねばならない上に、その足し算が掛け算になるくらいの数値に付加価値を増大させることが出来なければ、多くの粗利益を獲得することは難しいでしょう。
例えば、昨今。ユニクロはルメールのUやこの夏のエンジニアードガーメンツ等、コラボ商品を大ヒットさせていますが、その商品の付加価値を考えてみると。。。
・価格の安さ(さらに価格以上の価値があれば)
・服のデザイン
・デザイナー等の知名度
・ユニクロそのものの知名度
等。これ以外にも、顧客が付加価値を感じる要素が足されています。
だからこそ、商品1点あたりの粗利益は低くても、膨大な枚数が売れ、結果的に今やアパレル業界においては、日本一の付加価値の高い組織になっている!という見方もできます。
顧客が、商品に付加価値を感じる要素は、今日述べた以外にもまだあるはずです。
であるならば✋売れる商品を製品として考える前に、顧客が感じる”付加価値”を
皆様方それぞれが深く考える!そんなきっかけにこのブログがなれば幸いです。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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