メールマガジンを登録していただくと、セミナー・イベント開催のお知らせやブログの更新通知をお届けします
こんにちは。第二回目となったこの連載ですが、今日はそもそもなぜ数字が必要なのか、というそもそも論からお話をしていきます。
簡単な文章ですので、是非お付き合いよろしくお願いいたします。では、早速いきましょう!学生に届け!
私(ワダアサト)は、山梨県の日川高校という公立高校を卒業しています。今はどうなのか分かりませんが、私が入学した当初はある程度の偏差値の高さを保ち、いわゆる小説に出てくるような「地方の進学校」でした。(実際に林真理子さんの小説「葡萄が目にしみる」の舞台にもなっています)
そこで、出会ったのが一人の女性教師でした。担当科目は英語。しかし、彼女は優しい顔をした本当の鬼教師だったのです。授業の予習がなされていなければ立たされるのは当たり前でしたし、生徒を廊下に立たせ大声で叱責するのが日常茶飯事でした。
そんな「鬼」とのコミュニケーションで印象的だったのが、何か質問をされて、私が
「こんな感じの…」
と答えた時です。その鬼は、般若のような顔をして、
「ワダさん、○○の感じなんて答えられてもあなたと私の感覚は違いますから分かりません。具体的に答えなさい」
と言いました。ひえ~と思っていたのですが、今ではこの叱責の本意がよく理解できます。
よくファッション業界では、「○○の感じでクリエイトした…」とか「○○のフィーリングのヴィジュアルで…」などといった話が出てきます。勿論そういった感覚的な側面から文章を書くライターや、デザイナーが職業として存在していることに何ら異論はありません。
しかし場所を移して、例えば上司と部下、取引先の会社など、あくまでもビジネスとしてお付き合いする方に対しては「あんな感じ」よりも、もっと伝えやすい言葉があるはずです。
そしてその言葉は「数字である」とも言い換えられるのではないでしょうか?
店舗を運営するうえでも、ウェブを運営するうえでも、全てのビジネス活動の共通言語になり得るものは「数字」です。実際に私も学生時代は数字のことが苦手でした。しかし考え方を少しだけ変えると、数字以上に便利なものは存在しません。
上司が部下に「君、もっとお客様に声をかけて!」と言うよりも「君、一時間に8人のお客様に声をかけて!」の方が分かりやすくありませんか?
①②では数字の便利さ、必要性についての話を軽くしてきました。しかしなかなか私がこの考え方になるのには、時間がかかりましたし、今でもその考え方が完全に染みついているわけではありません。そもそもファッションが好きでそれを学ぼうとしている立場の方にとっては、非常に難易度の高いことです。
私も数字の必要性を理解していても、そもそもMD=「マーチャンダイジング」はどこからスタートする?コンセプトとの繋がりは?マーケティングが先?など、もはや一生終わらないと思える堂々巡りになったことが何度もあります。
しかし、一つ一つを数値と共に考え、じっくりと分析して順番に戦略を立てていくことでしか、目の前の課題は解決できません。ですから、感覚や「○○な感じ」だけでビジネスを推し進めることのできる天才以外は、地道にコツコツと数字を頼り、そして利用していくと良いかもしれません。自戒も込めて、第二回を終わります。
さて、次回は②で書いた「君、一時間に8人のお客様に声をかけて!」の「根拠」について書いていきます。よろしくお願いします。(ワダアサト)
OMOTE TO URA代表。文化服装学院グローバルビジネスデザイン科卒業。EXHIBITION NEW SHOCK・CULTURE BREAK MARKET主催。
小売ビジネスに関するMD(品揃え政策)アドバイス・サポートを
ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。