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コンテンツの切り口はコンセプトから導く

こんにちは、深地です。

筆者はファッション専門学校の講師も手がけているのですが、よく「MDってどんなお仕事ですか?」と学生さんから聞かれる事があります。しかしこの質問、実はめっちゃ困ります。何故なら、MDほど企業によって業務内容が違う職種も珍しいからです。

筆者が新卒で入社した企業はインポートブランドの小売・卸がメインでしたが、MDの役割は「オーダー」と「展開計画立案」、期中の「ディストリビューション」が主な業務内容。しかしSPAではブランド開発の要素も必要ですから、「商品企画」も業務に入ってくるでしょう。つまり根幹となるコンセプト立案なんかもMDは理解が必要になるケースがあります。ざっくり順を追うと、

 

コンセプト立案シーズンテーマ設定オーダー展開計画立案デリバリー

という感じでしょうか。オーダー以降のMDECの連動については、

ECとMDの具体的な連動について①

「ECMDの具体的な連動について①~③」で詳しくご説明しましたが、本日は根幹となるコンセプトがECにどう関わってくるかについてお話していきたいと思います。

 

コンセプトを設定する意味

コンセプトのお話をすると決まって、

「コンセプトなんて読む人いる?」

と言われるのですがこれについては、

どちらかというと社内向けという側面が強いかと思います。皆んなが最終的に帰る場所が必要って感じですね。製品戦略もプロモーションも、全部がコンセプトに沿っているからこそブランド力は高くなります。ECの場合、ブランド力が高くなってくるとABOUTページの回遊が多くなってきますので、逆説的ですがABOUTページのPV数はブランド力の指標にはしやすいですね。

 

コンセプト・アイコンからオーダーも決まる

そのブランドの世界観を構築している製品は何なのか?によってアイテム構成比が変わる事例はたくさんあります。ブランドビジネスではアイコンアイテムをとにかくプッシュする事で顧客の記憶にブランドを刻む事がありますが、これもオーダーと密接に関わって来ますね。オーダーに関わるという事は、

ECとMDの具体的な連動について②

展開計画の上流も結局はコンセプト次第。結果、コンテンツ制作もコンセプトから紐解かれる訳です。昨今話題のD2Cブランドやオンラインから始まったブランドはここの設計が適当なのでオーダーにロジックが無く、結果としてセールでしか在庫を捌けないケースがよく見られます。楽天からスタートしたブランドにありがちですね。先行者利益で流通量が伸び、ブランド名こそ認知されているのですが、コモディティ化しやすく最終的に価格勝負になってしまうのです。

 

購買決定の要素か?ブランディングか?

コンテンツ制作の場合、ユーザーの心理状況に応じて提案する内容が変わります。例えば「認知」しているユーザーに対してブランドの事をもっと知ってもらい付加価値を高めたいなら、「ブランドストーリー」や「ヒストリー」などが挙げられます。この場合はどちらかというとブランディングの側面が強いコンテンツになりやすい。

一方で「比較・検討」中のユーザーはその製品についてもっと詳細な情報を求めています。この場合は「製品のうんちく」であったり、「コーディネート」などが決め手になりやすい。ただ、どちらにせよコンセプトから紐解いたコンテンツ制作が必要ですし、MDの要素が絡んできます。これがEC担当者がコンセプトの理解からオーダー、展開計画までの一貫した流れを理解しておかなければならない理由です。ここを軽視していると、ECが売れない本当の理由も見えてはこないでしょう。緻密なMD設計を実行できるようになりましょうとまでは言いませんが、MD設計以降のサプライチェーンに関しては最低限知っておきたいものですね。

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