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ECとMDの具体的な連動について②

こんにちは、深地です。

ECとMDの具体的な連動について①

 

前回はECにおける「商品入荷計画」についてお話をしましたが、今回はその続きに当たる「展開計画」についてです。当然ながら商品が入荷しますと、次はその「商品をどう展開するか?」を考える必要があります。これも小売出身の方からしたら当然の事ですね。アパレルは製品特性上、月ごとに売れるアイテムが大きく変わります。そこにはシーズン特性だけでなく、トレンドも関係してくるでしょう。MDはそういった顧客ニーズを汲み取りながら、各月に売れるアイテムを売れる数量発注する訳なので、その月に店頭に並ぶ強化品番やコーディネートも考えた上で手をつけています。ではこことECがどう連動していくのでしょうか。

 

何を売りたいか?によって変わるWebコンテンツ

店頭ならば強化品番や展開テーマを反映したコーディネートはどう表現されるでしょうか?コーディネートは恐らくウインドウのVPで表現されたり、店内のトルソーに着せたりしている事でしょう。そして、強化品番はわかりやすく店頭の入り口にあるフォーカルポイントにディスプレイしているかもしれませんし、ハンガーラックにフェイスアウトで引っ掛けられているかもしれません。では、これをECに置き換えるとどうなるでしょうか?

 

theory

こちらはセオリーのECサイトですが、ファーストビューのMV(メインヴィジュアル)。これが店頭で言う入り口に当たるでしょう。ここでその時々に一番訴求したいものをヴィジュアルで表現する事が可能です。それはブランドの世界観やシーズンテーマが伝わるようなコーディネートかもしれませんし、セール告知や会員特典などのお得な情報かもしれません。つまり、ウインドウやイーゼルのような役割を果たしてくれているのです。そして下にスクロールしますとコーディネートやピックアップアイテムをバナーで訴求しているのがわかります。これらが店頭のコーディネート提案や強化品番の訴求ですね。

 

バナーをクリックするとページが遷移し、詳細が閲覧可能です。Webコンテンツも店頭と同様、シーズンの展開計画に連動して更新されているのがおわかりかと思います。

 

MD設計無しでアパレルEC運用は出来ない

つまり、Webコンテンツの更新はMD設計ありきという事です。何を売りたいかが明確でないのに、どうやってトップページの情報設計やブログ運用が出来るのでしょうか。恐らくこの設計無しにEC運用をしているブランドは、ただ闇雲に商品を発注し、場当たり的にシーズン中に売り方を考えているのではないかと推測します。そうなってくると、ブログ運用はとりあえず在庫がだぶついている商品を選んでしまったり、コーディネート紹介も無理やり合わせたものになりがちです。事前に計画が無いのだからこうなるのも当然なのですが、付け焼き刃のEC運用で商品が売れるほど商売は甘くありません。ブランドコンセプトから紐解いたシーズンテーマや商品の発注。それに連動してコーディネートが組まれ、それを具現化するのが店頭のVMDやECのWebコンテンツです。筆者も現場でECのディレクションをする際に「MD 設計はどうなっていますか?」と必ず聞きますが、「無い」と言われる事は珍しくありません。しかしMDが無い場合、EC運用に弊害が出るのはここまで読んで頂ければ明白かと思います。

 

ECと聞くと、自分たちが知り得ない全く新しい方法で集客が可能になり瞬く間に売上が上がる…、と想像されている人がまだいるかと思いますが、やってる事は店頭をいかにWebに落とし込むかに尽きるのです。結局、我々が対応する顧客は店頭だろうがWebだろうが一緒です。顧客の購買行動を予測し、どうしたら便利にお買い物して頂けるかを考え続ける事以外、解決方法は無いのです。

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