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こんにちは、深地です。
突然ですが佐藤マサさんのWebサイトでも書かせて頂く事になりましたので、こちらでもよろしくお願い致します。
こちらでは「EC運用におけるMD」に関連した内容にテーマを絞って書いていきたいと思います。
ファッションブランドのEC運用にはMD設計が必須です、と何度も口すっぱく言い続けている筆者ですが、
何から手をつけたらいいんだ?という方に向けて具体的にお話して参ります。
シーズンが始まる前に当然決まっているはずなのが商品入荷計画。デリバリーのコントロールが効きにくいインポートブランドでもざっくりとした入荷の時期というのは決まっていて、実店舗の店頭展開もそれに合わせて計画されています。ところがECになると急にこれを気にしなくなるという不思議な現象がよく発生します。店頭の場合、商品が届けば棚やラックに置くだけで済みますが、そうもいかないのがECサイト。何故なら、商品を販売する前に必要なのが「ささげ業務」だからです。つまり、撮影・採寸・原稿ですね。これをどのタイミングでやるかによって、商品アップまでのリードタイムが決まります。
現物が手元に届いてから対応していたら結構な日数がかかってしまうのは周知の事実。例えば20型の商品が入荷したとして、これくらいの型数でも撮影するだけで1 日が潰れてしまいます。そこから画像のレタッチとトリミングなどしていたら更に2〜3日がかかります。その間に採寸と商品コメントを書いておきCSVに入力してアップロード…。という手順を考えると、それだけで5営業日くらいかかってしまい、店頭と比較すると1週間程度は入荷が遅れてしまうのです。こういった機会損失を無くすにはどうしたらいいのでしょうか?
ファッションブランドはシーズンが始まる前に必ず展示会を催し、そのタイミングで卸先や商業施設関係者、販売員を呼んで商品を見てもらったり、オーダーする商品を決定したりします。ここで並ぶアイテムは全てサンプルになるので、デザインや寸法が少し変わってくる恐れがあります。そのせいかブランドによってはシーズンに突入して現物が届いてから撮影をしたがるのですが、この時点で出来る事は全てやっておきましょう。つまり、サンプルでいいから出来る限り「ささげ業務」は終わらしておくのです。その上で変更になりそうな物は入荷してから対応した方がリードタイムは短縮できます。特に商品コメントなんかは、余程サンプルから商品がアップデートされない限りは問題無いでしょう。この時点である程度の作業を終わしておけば、シーズンに入ってからの入荷計画に合わせて即時アップロードできる商品も出てきます。全ての情報をCSVファイルに書き込むようにしておけば、いちいち新しくファイルを作る必要もありません。
製造元が採寸データを持っていたり、インポートブランドであれば本国が撮影も終わらしていたり、というケースもあるでしょう。ブランドの環境によって作業が軽減できるところもありますので、何事も事前に全て計画しておきましょう。
ここまでの話を聞いていて、店頭出身者からしたら「何を当たり前の事を言っているんだ?」とお思いでしょう。しかし、ECの現場にはアパレル出身では無い人もいますから、こういった当たり前の事を知らない方もいらっしゃるのです。特に外部でコンサル的に入っている方が一番知らなかったりします。また、卸メインの企業もMD設計をした事が無く、スケジュールに関して無頓着な場合もあったりするので、意外とこのあたりが整備されていません。また、ブランドによってはMD区分が違いますから、年間で2分割なのか、4分割なのか、それとも8分割なのかで展示会時期や商品の入荷時期も変動するので、MDの概念が無い人にとっては対応しづいらという問題もあるでしょう。
商品入荷計画から、どのタイミングでECに商品がアップされるか。これが定まらないと、販促を打とうにも、コンテンツで商品を訴求しようにも、物を売る事ができません。まずはスケジュールの整備から手をつけ、機会損失を防いで頂ければと思います。
株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。Twitter(@fukaji38)
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