メールマガジンを登録していただくと、セミナー・イベント開催のお知らせやブログの更新通知をお届けします
前回のブログでは、マーチャンダイジングにおいてのブランドコンセプトの重要性についてお話させて頂きました。
このブランド・ショップコンセプトがあって、初めてMDの仕事。特に”5適”と言われる仕事が成り立つということが言えます。
MDの仕事は、このブログでも度々述べていることですが、商品面の仕事。数字面の仕事と分類して考えることができます。このことは、MDの車の両輪です。そして、商品面と数字面の仕事は切り離して考えてはいけないものです。
今回の新型567ウィルスによる、アパレル・ファッション小売業の損失は大きいものとなるものは間違いないですが、同時に、自分たちのブランド・ショップコンセプトを見直す良い機会になるということは、前にも申しました。そして、コンセプトに基づく仕事の手段・手法を見つめ直す良い機会にもなります。
MDの仕事で言いますと。この業界の多くの組織は、売れている他社の商品面の仕事の手法。そして、商品を真似たがります。そのことが行き過ぎた結果。昨今よく言われる”同質化”という現象を招いてしまいました。更に言えば、”隣の芝生は青く見える”的な考え方で、時間が経つにつれて、そのブランド・ショップのコンセプトは、飾りにすぎない建前のだけのものになっている組織が多くがあります。
私自身は、商品自体のパクリが特段悪いとは思っていませんが(どこで線を引くのか?が難しい問題)MDの商品面の仕事の手段・手法まで真似ることは、自分たちが元々持ち合わせていた長所を消すばかりで、良いことが全くない!と考えています。
MDの商品面の仕事こそ、その組織が持っている長所こそ大事にすべきで、その手段・手法は独自性があって良いものです。だからこそ、今回の空いた時間を有効に使って、MDの商品面の仕事の長所を抽出する時間に充てみては如何でしょうか?
翻って、MDの数字面の仕事。これは独自性など何の意味もありません。
前述したように、アパレル・ファッション小売業界では、MDの商品面の仕事は真似たがる傾向にありますが、何故か?MDの数字面の仕事は、独自性を持って行っているところが多くあります。ですが、このことをこの場を借りて断言しますと。。。
MDの数字面の仕事は、独自性などいりません。あって良い独自性は、ブランド・ショップコンセプトから見える顧客像の購買行動・心理を表現する商品管理・分析ルールだけです。
月曜日の朝早く出社し、小難しい指標・指数を多用し、何十枚も資料を作成する時間に費やしても、そのことが一部の人にしか理解されていないようであるならば、それは自己満足に過ぎず、全く意味のないものでしかありません。
だからこそ、MDの数字面の仕事は、会計学に基づいた小売業どこでも使えるルールにすることが大事です。それこそが、どこでも通用する汎用性のある知識ということになります。
ここで少し話を逸らすと、アパレル・ファッション小売業でMDやバイヤーの転職が上手くいかないのは、各組織の特に数字面の仕事が独自性がありすぎて、転職しても理解できないからです。結果、商品面の仕事もより理解できないということになります。
新型567後の世界が私にはどうなるか?はさっぱり予想できません。
しかしながら、MDの仕事に関して言えば、今まで以上に精度の高い、売上・粗利・仕入・在庫コントロールが求められるようになるのは、間違いないでしょう。だからこそ、この空いた時間を有効に使い、どこの組織でも使える汎用性のある数字の表現仕方にすることが重要です。
最後に、今回の空いた時間を有効に活用し、MDの仕事面は自分たちの長所を活かした、独自性のある方法・手段を。数字面の仕事は、小売業どこでも通用するような汎用性のある方法・手段を、再構築する時間にしてみては如何でしょうか?
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
小売ビジネスに関するMD(品揃え政策)アドバイス・サポートを
ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。