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D2C型のMDサイクルって何だ?

先日、WWDにて「D2C型のMDサイクル」というワードが出て来まして…。

 

コンサルティング会社、ローランド・ベルガー福田氏が示す、今企業がとるべきアクション

商品投入の仕方、つまりD2C型のMDサイクルに変える必要がある。これまでのように年間でシーズンを7~8に分けたサイクルで販売するだけではなく、いかに商品を連続的に出していくのかが大事になってくる。オンライン専門ブランドは毎日1商品投入することもあり、サンフランシスコ発のD2C型アパレルブランド「エバーレーン(EVERLANE)」は、ファストファッションではなくベーシックアパレルだが、週に3~5型の新商品を打ち出すことで、継続的にサイトに来てもらうようにしている。

話の内容はMDの区分について言っているようなのですが、週に3〜5型のMDサイクルという話に「???」となった次第でして。シーズンは年間2分割だろうが4分割だろうが、「これって展開計画のお話だよね?」という内容。このやり方で展開して上手くやれているブランドは確かにありますが、日本の成功事例だといいところ年商で3000〜5000万円程度の事例がほとんど。既存アパレルに適用するのは難しいのでは?と思うのです。本日は、そんな小規模ながら収益をあげているD2Cブランドについてお話していきたいと思います。

 

D2C的展開計画と販売方法について

そもそもD2C型という言い方が適切なのかどうかわかりませんが、Instagramのフォロワーが多い、所謂インフルエンサーのブランドで上手く運営できているところの事例についてご紹介します。まず商品の展開は1週間につき2〜3型程度。1型100点程度を仕入れておき、それを1週間で完売を目指す、という手法です。つまり1週間で200〜300点程度は売り切る、という事です。人気インフルエンサーになると一晩で完売するようですね。もちろんそれを実現する準備もしっかりしているようですが。

 

ルーティンで販促を実施

ではその200〜300点をどのように売り切るか?ですが、随分前から仕込みは始まっています。まず商品企画の段階でサンプルや工場見学している風景を逐一、ストーリーズで紹介します。とにかくその商品に対する思いやこだわり、熱量を定期的に配信。商品販売までに顧客の購買意欲をとにかく喚起するのです。ここでどれだけ盛り上げておけるかで売上に大きな差がでます。企画の段階でソーシャルの反応が見れるので、何が売れるかは予め予測がつきやすいのだとか。

商品の展開は先述した通り1週間に1度、大体金曜日の夜に販売がスタートされます。ここからはルーティンで、日曜日の夜にインスタライブ(大体、ユーザーが自宅に居るので)、翌週からストーリーズで翌週販売の商品紹介、完売したものに関しては完売報告、再入荷したらその報告をしていきます。こういったサイクルでユーザーとのコミュニケーションもルーティン化しておく事が重要です。ストーリーズやインスタライブを見逃した人には、ハイライトやIGTVで動画を残しておき、いつでも閲覧可能にしておきます。

 

コーデ組めないから私物と組み合わせ

インフルエンサーブランドは大概、型数が少ないのでコーディネートが組みにくいのですが、これはターゲットユーザーが普段着ていそうなものを、インフルエンサー本人が私物からピックアップしてコーデを組みます。自分のクローゼットの中にあるような服と組み合わせて紹介する事で買い上げ率も上げやすい。これだけしっかり準備しておく事で、販売した商品を1週間で売り切るのです。万が一、余った場合はもうその週以降は販売はしないようですね。それくらい売り切る事に重点を置いているのです。

恐らく「D2C型のMDサイクル」というのは上記のような事を言っているのかと思います。ご覧頂いておわかりでしょうが、売り切る事に重点を置いたこのスキームでは規模拡大は難しいです。完売しなければ既存ユーザーの飢餓感を煽る事もできませんから、開始◯時間で完売!という御触れ書きも出せません。そう、これは需要に対して供給を抑えるからこそ可能な販売手法なのです。インフルエンサーが個人でやる分にはそれなりに収益は見込めますが、組織化した企業がやるようなスキームでは無いのです。なので、このようなブランドでは配送もサンキューレターも全部、インフルエンサーが自分でやっています。また、それがファンからしても嬉しいようで、サンキューレターが届けば、ファンは喜んでストーリーズにアップ。UGCが発生するという仕組みですね。

規模拡大を目指しながらこのスキームを採用しているブランドも、もちろん市場には存在しますが、MD設計が稚拙だとあっという間に在庫過多です。小規模だからこそMD設計がそれほど重要にならないというのは覚えておいた方がいいでしょう。

 

UGC=ユーザージェネレテッドコンテンツ …一般ユーザーによって作れられたコンテンツ」のこと。この場合、ユーザーがブランドの事を自ら発信してくれる投稿がそれに当たります。

 

メディアがこういった事を発信してしまうと、「これからはやはりD2Cだ!」と中身もわからないまま指示だけ出すおじさんが増えてしまいますので、情報発信は慎重にお願いしたいものです。現場も知らず机上の空論を書いてしまう事の弊害ですね

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