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闇雲に仕入を削れば、売上は想像以上に下がる?

★仕入枠を削るのは仕方がないが。。。

新型567の影響で、

”この秋冬の予算を30%下げた!”

等の記事を最近、Twitterに流れるニュースでよく見かけます。特にセレクトショップ界隈のMD・バイヤーが、そのような発言をしています。

よくよく記事を読んでも、表現が曖昧な為、このようなインタビューに答えている、MD・バイヤーはその意味を理解出来とるんかいな?と疑問に感じることもありますが、恐らく売上や仕入予算のことを言っているのでしょう。

このブログにもよく記載していますが、仕入金額の算出は、売上だけでなく粗利益高・売上原価・在庫原価と一気通貫に考えねばなりませんから、売上予測を下げたから単純に仕入金額を下げた!ということでは、その組織の先が不安でしょうがありません。

アパレル小売り業では、MDの数字面が何故かオリジナリティ溢れるところがまだまだ多く存在し、実は、組織としてMDに関する数字の全貌が見えていない。または、商品に関わるメンバーが、自分たちの組織の数字の全貌を共有していない!等という組織が、未だに多く存在します。そのような状態で、ただ闇雲に仕入予算を削る。その削減率もなんとなくクリスタルでは、自分たちが思っている以上に、顧客が欲しい商品の品揃えができず、売上を更に大幅に落としてしまう!ということに繋がりかねません。

 

★定番品の管理の仕方を見直さないと在庫が増えるだけ

また、この状況に対して、最近あるメディアでは、ずっと定番品で売っている商品を活用して、うまくこの危機を乗り切れ!等という論調がありました。

このこと自体は、間違いではないのですが、私がよくこのブログでも述べているように、定番品の品揃えが多いほど、在庫過多に陥っている組織が多いので、メディアの表面上の言葉だけを鵜呑みにし、このことを実践すれば、在庫が更に増えるでしょう。

このような状態に陥らないためには、”在庫の質”を見極めるルール設定を、それぞれの組織が実践しなければなりません。

定番品を多く並べる組織が、在庫過多に陥りやすいのは、そのルールが(自分たちに)甘いからです。

自分たちの視点で見れば、その商品が定番品でも、顧客の目から見れば、そのような商品はもう鮮度が下がってしまっている!その甘さが在庫過多に繋がります。だからこそ、このような時期にもう一度、自分たちの商品管理ルールを一度見直しては如何でしょうか?

商品分析について考えてみよう②

 

★売れる商品は、顧客が欲しい分だけ仕入をせよ!

話を戻し。なんとなくクリスタルな仕入削減をしてしまっては、売上がそれ以上に下がる可能性が大である!ということを先述しました。

何故ならば、そのことが目的となってしまうと、仕入削減を優先して、本来仕入れるべき商品の仕入を躊躇してしまう!ということになりかねないからです。売れている商品は、状況が苦しくとも、顧客にとって必要な分だけ仕入すべきです。

以前、このブログにも書きましたが、一つの大ヒット商品がすべての局面を変えてしまうことがあります。(過去の私もそのような経験をした)そのようなヒット商品を逃さないようにするためにも、組織のMDに関する数字を具体的に可視化すること。そして、ただ売上予測を下げ仕入枠を削るだけではなく、少しでも先の数字を上げるための具体的な施策を、商品面だけでなく販売側からの視点でも練るべきです。(当然だが過剰在庫の消化施策も同時に具体的に練る必要がある)そして、必要な商品の仕入枠を具体的に算出することこそが重要です。

このようなことは、深地雅也さんの主催するstylepicks.comの連載でも書いていますので、少しでも参考にして頂ければと存じます。

売上・粗利・仕入・在庫表を活用してみよう①

最後に、ただ闇雲に仕入枠を削るだけでは、この先の未来がもっと暗くなりかねません。
だからこそ、在庫の質がわかるルールを設定した上で、正しい数字の並び方でメンバー全員が状況を共有し、先が少しでも良くなる施策を具体的に練り実践する。このことが重要なのではないでしょうか?

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