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顧客視点をもう一度深く考えよ。

★繊研新聞社主催でstylepicks代表深地雅也さんとトークイベント開催します

繊研新聞社主催で12月4日。(株)stylepicks代表深地雅也さんと弊社代表マサ佐藤「ECにおける在庫問題を解決する5つの手法」というタイトルで、ECでたまりやすい在庫をいかにコントロールするか?について2時間にわたってクロストークを行います。
申し込みは下記リンクよりお願い致します。

https://senken.co.jp/posts/inventoryinecbusiness-seminar

 

★ライザップが大赤字になった。

先日。アパレル企業他多くのM&Aをしてきた、ライザップの今期第3Q決算発表会見があり、今期の増益見込みから、大幅赤字に一気に転落しました。株価もそのことから連日のストップ安に陥りました。

これまでライザップは、M&Aした企業の「負ののれん」を利益計上し、利益を上げてきました。

簡単に言うと、純資産よりも安い金額でのM&Aを繰り返すことにより、その差額分を利益として計上するという会計的なテクニックです。(だからM&Aを繰り返さざるえない。)

しかし、買収先の企業改革がうまくいかず、多くの特別損益を計上したことが、急な赤字に陥った要因です。

もっと深く要因を知りたい方は下記のリンクをご覧ください。

“ライザップの何がヤバイのか?凄腕会計士とキーマンに見解を尋ねた”

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181119-00058478-gendaibiz-bus_all

但し、今後はそのようなダボハゼ的なM&A手法をやめ、カルビーを経営改革した松本氏とともに、”痛みを伴うであろう”大胆な経営改革を進めていくとのことでした。

また、瀬戸社長の謝罪は、”絶対に非を認めない”某大手衣料品通販事業の社長とは違い誠意が感じられました。そして、その姿勢は今後に期待させるものではありました。

 

★企業の目的とは?

ここで話は変わり。。
この読者の皆さんにも、ドラッカー著の”マネジメント”をご覧になった片は多いことだと思います。

その著書の中に、企業の目的とは?
”顧客を創造すること”
と書いてあります。

そして、この著書の中での”顧客の定義”は
”唯一支払いの意志をもつ”ものとされています。

企業の目的である、顧客を創造するには、(お金の)支払いの意志を持つ顧客を理解し、顧客視点で物事を考えなければ、顧客など創造できない!ということは皆さんも容易に想像がつくと思います。弊社にとっても永遠の課題です。

 

★顧客を創造するには、顧客の側に立つしかない。

ここで話をライザップに戻します。

ライザップは目先の利益を多く見せかけるために、会計的テクニックを使い、

”顧客を創造できない””創造する力が落ちた”組織を買いあさり、会計上のテクニックで利益を上げていました。

これは、ドラッカーの言う”企業の目的”からは、明らかに逸脱した行為です。

しかもライザップは、”顧客を創造する”改革手法を持ち合わせていなかったために、(宣伝広告費投入するか、肩書だけの人を高い金で雇うくらい(笑))
今回のようなことになってしまいました。

ときに、ライザップのように”会計上のテクニック”や”広告宣伝費をかければうまくいく”等の、手段におぼれ、企業の本来の目的を見失う。そして顧客視点を見失う。というのは、この業界にもよく見かける光景です。

自社の”持ち駒””強み””弱み”を理解せず、ときに上っ面だけの顧客視点で、“目先の利益だけしか考えない“施策”隣の芝生は青く見える”的な行為を未だに多く繰り返しています。

例えば、今年は11月に入っても気温が下がらず、多くのアウターが残っていると推測されます。これは手段でしかない、過去のMD的な慣習に捉われ、顧客視点を持ち合わせていない。そのことが要因です。

顧客視点でものを考えれば、

「昨年は例年より寒く、多くの人にアウターが行きわたった!」「もう過去10年は暖冬傾向でアウターが売れる時期。ものも変わってきている。」

という仮説を顧客視点で立てられず、昨年並みの仕入予算づけをしていることからこのような状況になっていると考えられます。

そのような状況に陥ると、会計的には”付加価値”と称される、粗利益を下げる施策をせざるえないということです。

そして、セール施策の連発は、更に本来組織が持ち合わせていた付加価値をさげ、”顧客を創造する”ことが難しくなっていきます。

 

”顧客”とは”唯一支払いの意志をもつ”人のことです。

 

顧客視点で物事を深く考えない。今後もこのような状況が続くようであれば、顧客が創造できず、窮地に陥る。そんな組織が更に増え続けるでしょう。

そのような事態に陥らないよう、今回のこのブログが、改めて顧客視点というものを深く再考するきっかけになれば幸いです。

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